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2025.2月 年末年始もナドゥとともに

0.はじめに

お久しぶりです。
2月も後半に差し掛かろうというところですが、2月の記事を書いていきたいと思います。

<前回の記事はこちら>
レガシーでナドゥいけますか?|magic_keipon

みなさんはレガシー神決定戦の激闘を見ましたでしょうか?

私が前回の記事で『弱体化したぞ!』と騒いだ「超能力蛙」を失った青黒リアニメイトミラーの戦いとなったわけですが、本当にすごい戦いでしたね。
特にサイドボード後はお互いのゲームプランをいかに遂行するか、やられたら嫌なことはなんなのかを考えながら捌きあう、とても見ごたえのあるゲームだったと思います。

さて、年末から続いたレガシーの大型大会が終わり、青黒リアニメイトの復興という結末になりました。私はというと良い結果を残すことはできませんでしたが、ナドゥデッキの可能性を探索した2か月だったので、その思考の一端をご紹介できればと思っています。

まずは、上位デッキの顔ぶれからメタの変遷を見ていきましょう。


1.メタの変遷を振り返る

Eternal Party 2024 in Tokyo

まずは2024年12月に開催された「Eternal Party 2024 in Tokyo」のトップ8です。

<デッキリストの詳細はこちら>
2024/12/29 Eternal Party 2024 in Tokyo TOP8 Deck List | BIG MAGIC 日本最大級のマジック:ザ・ギャザリング通販店BigwebがMTG大会やカードの情報を発信!
※「bigmagic」様のHPへのリンクです。リンクの掲載に問題がある場合は速やかに削除いたします。

※左の順位はスイスラウンドのもの、括弧内がシングルの結果
1位 青黒リアニメイト(TOP8)
2位 赤単プリズン(TOP8)
3位 赤青スニークショー(TOP8)
4位 ナドゥブレックファスト(優勝)
5位 青黒リアニメイト(TOP4)
6位 ナドゥブレックファスト(TOP4)
7位 カーンフォージ(準優勝)
8位 ナドゥブレックファスト(TOP4)

「超能力蛙」と「苛立たしいガラクタ」の禁止改定後すぐの大会でしたが、結果は「ナドゥブレックファスト」が優勝、TOP8に3名を送りこむ最大勢力でした。一方、禁止改定前の Top of Topだった青黒リアニメイトと赤単プリズンも禁止改定の影響をもろに受けたはずでしたが、TOP8に青黒リアニメイトが2名、赤単プリズンとカーンフォージが1名づつと地力の高さが示された大会になりました。

ナドゥ目線でサイドボードを見てみると、2マナランド系デッキの「攪乱のフルート」が少ないこと、また赤単プリズンもインスタントの除去が「死亡+退場」2枚(一応「紅蓮破」も除去扱いにはできますが、、、)で、そこまで強くナドゥは見られていない印象です。

リアニメイトも思考囲いの枚数が4枚ではなかったり、リアニメイト系スペルが7枚未満になっていたり、除去がメインボードにとられていたりとリアニメイト戦術に特化しておらず、想定される環境に合わせ試行錯誤されているところ、という印象を受けます。

プレイヤーズコンベンション千葉2025 日本レガシー選手権・冬

次は2025年の2月頭に開催された「プレイヤーズコンベンション千葉2025 日本レガシー選手権・冬」の結果です。

<デッキリストの詳細はこちら>
プレイヤーズコンベンション千葉2025 日本レガシー選手権・冬 TOP8 Deck List | BIG MAGIC 日本最大級のマジック:ザ・ギャザリング通販店BigwebがMTG大会やカードの情報を発信!
※「bigmagic」様のHPへのリンクです。リンクの掲載に問題がある場合は速やかに削除いたします。

1位 緑単エルドラージ(TOP8)
2位 ナドゥブレックファスト(TOP4)
3位 カーンフォージ(優勝)
4位 青黒リアニメイト(TOP8)
5位 クレイドルナドゥ(準優勝)
6位 ボロスイニシアチブ(TOP8)
7位 赤単プリズン(TOP8)
8位 赤単プリズン(TOP4)
※左の順位はスイスラウンドのもの、括弧内がシングルの結果

上位の顔ぶれは変わらずストンピィ系デッキ、リアニメイト、ナドゥの3すくみが続いていますが、デッキリストには変更が見られました。

まず青黒リアニメイトは、除去のようなリアクションカードや変化の狂信者のようなアドバンテージを見据えるカードを排し、思考囲いが4枚、リアニメイトスペルを8枚採用することで、前述のエターナルパーティーの時と比較しリアニメイトプランを強く押し出しています。

ナドゥにとっては、そもそも最速のリアニメイトプランがきつかった上に、リアニメイト側が能動的に唱えることができる思考囲いのようなカードが4枚に加え、従来から採用されていた目くらましと意志の力による妨害によりかなり厳しいマッチアップになることが想定されます。

スイス7位の方の赤単プリズンはメインの「大いなる創造者、カーン 」3枚により手甲ルートが止まるだけでなく、墓地対策や攪乱のフルートをサーチすることでナドゥブレックファストに対しより多くの妨害を行うことができます。また死亡+退場も3枚と多めに取られており、ナドゥを意識した構築になっています。また8位の方も紅蓮操作をインスタントの除去枠として採用しており、コーの遊牧民→魂の洞窟(ウィザード指定)→セファリッドの幻術師のプレイ順で紅蓮破をかわすことも難しくなっています。

また、今回新たに出てきた、ボロスイニシアチブは「塔の長官、ボロミア 」や「選定された平和の番人」など、メインボードからコンボ阻害を行うヘイトベアーが複数採用されており、かなり厳しいマッチアップになりそうだな、、、と思いました。

それでもなおTOP4に2人を送りこむナドゥデッキの地力の高さを改めて実感した大会でした。

第28期レガシー神挑戦者決定戦

最後に2025年2月15日に開催された、第28期レガシー神挑戦者決定戦です。

<デッキリストの詳細はこちら>
トップ8デッキリスト | 【晴れる屋】記事|MTGに関する読み物を更新
※「晴れる屋」様のHPへのリンクです。リンクの掲載に問題がある場合は速やかに削除いたします。

1位 赤青スニークショー(TOP8)
2位 青黒リアニメイト(優勝)
3位 ジェスカイエネルギー(TOP8)
4位 青黒テンポ(TOP8)
5位 カーンフォージ(準優勝)
6位 青黒忍者(TOP4)
7位 緑単エルドラージ(TOP8)
8位 赤単ペインター(TOP4)
※左の順位はスイスラウンドのもの、括弧内がシングルの結果

まず目を見張るのがテンポ系デッキの躍進でしょう。環境が固まってきたかと思いきや、ジェスカイエネルギーや青黒テンポ、青黒忍者などのテンポ系デッキが多数入賞されています。

ジェスカイエネルギーや青黒テンポには不毛4枚、目くらまし4枚のテンポデッキ御用達のカードたちが採用され、ジェスカイエネルギーには「もみ消し」まで搭載されています。またジェスカイエネルギーには「安らかな眠り」が、青黒テンポのメインには「虚無の呪文爆弾」まで採用されており、対青黒リアニ用のカード選択が再び強くなってきたなという印象を受けます。

青黒忍者には不毛や目くらましは不採用であるもののメインから「否定の力」が3枚、「殺し」が1枚と意志の力に加え複数のピッチスペルが採用されており、こちらもテンポと忍者ギミックによるアドバンテージの両立を目指していることから、対青黒リアニ、エルドラージ、赤単プリズンを強く見た結果、テンポ系のデッキが躍進したのかな、という印象を受けました。

ナドゥ的にはテンポ系の躍進は喜ばしいことですね。
不毛の大地さえケアをして、除去で序盤の出鼻さえくじけば、あとはナドゥがなんとかしてくれます。サイド後、相手は墓地対策をサイドインするしかないのですが、こちらはコンボプランやアドバンテージを失う意志の力を排し、除去とナドゥコンボで戦うプランニング取ることで比較的有利に立ち回れる印象です。

また、テンポデッキの躍進は赤単プリズンやザ・スパイ、ネクロドミナンスといった超高速コンボ、エルドラージにも一定の圧力をかけてくれますので、ナドゥにとってはいいメタの回り方をしてくれているかなという印象です。

2.お前はどういうアプローチをしたんだい?

長々と振り返ってきましたが、じゃあお前はナドゥにどう向き合ったんだ?というところを書いてきます。

「プレイヤーズコンベンション千葉2025 日本レガシー選手権・冬」に向けて

早速ですが、こちらの大会に参加した時のリストはこちらです。

安らかなる眠りで青黒リアニを滅ぼそう

エターナルパーティーからの主な変更点は大きく3つです。
1.魂の洞窟のメイン2枚採用
2.もみ消しのメイン採用
3.サイドボードの「安らかなる眠り」+「聖カトリーヌの凱旋」の採用

魂の洞窟はナドゥを安全に着地させることができるだけでなく、不安定な緑マナの共有源の水増しにもなっています。また、虚空の杯をX=1で置かれてしまった際も、「コー」指定でコーの遊牧民を場に出すことができますので、現状のメタでは非青系のデッキにも最低限の活躍はするなということで2枚採用しています。

メインのもみ消しは青黒リアニメイトにメインボードから抗うために採用しました。相手のフェッチランドの起動を打ち消すことでマナトラブルを誘う本来の効能も狙ってはいますが、こちらは不毛の大地を採用していない以上、マナトラブルを狙って起こせる可能性は低いです。どちらかというと相手の不毛の大地や青黒リアニであれば「動く死体」や「偉大なる統一者、アトラクサ」、「残虐の執政」の誘発を消し、マウントを取られないための採用だとおもってください。

3つ目の安らかなる眠りは青黒リアニやその他のテンポ系デッキ、墓地活用コンボへ致命的なサイドカードを、、、という思いで採用しました。基本的には聖カトリーヌの凱旋とセットでインします。

自身のコンボを切ってまで安らかなる眠りを採用した理由は以下の通りです。

・青黒リアニのサイドプランとして濁浪の執政やバロウゴイフ、忌まわしき眼魔といった墓地にカードが落ちている前提のクリーチャーを多数採用しています。墓掘りの檻や外科的摘出ではこれらのクリーチャーを対策できないため、墓地を根絶することができるこのカードを採用しました。

・青黒リアニ以外のテンポデッキも濁浪の執政やドラゴン怒りの媒介者といった墓地参照クリーチャーを展開してきますので、かなり効果的です。
また、これらのデッキはナドゥが相当きついため、ナドゥを紅蓮破などで打ち消した後、外科的摘出を積極的にナドゥ対象に唱えてきます。この負け筋も一緒に潰せるということも採用理由の一つです。

という感じで臨んだ大会本番は、、、というと

1R カーンフォージ 1-2
2R  8Cast 0-2
DROP

でした。

カーンフォージ、8Castともにメインから魂標ランタンと攪乱のフルートが複数枚採用されており完封されてしまいました。心が折れてしまったのとおなかが減ったのでリタイヤです。

ここまで厳しく見られているかとへこみましたが、ナドゥ大好き人間として、何かアプローチを変えられないかなーというところで神挑戦者決定戦へと続きます。

第28期レガシー神挑戦者決定戦に向けて

一度折れてしまった心ですが、いつの間にか復活していたので、友人と話ながら組んだリストがこちらです。

テンポナドゥ爆誕

やりたいことは「青黒リアニメイト」のバントverです。

は?と思われるかもしてないですが、結構真面目です笑

1-3ターン目に脅威を展開しつつ、目くらましと不毛の大地で相手の行動を制限します。相手はこちらをナドゥブレックファストだと思い込んでくるので墓地対策をサイドインしてきますが、ほぼ効きませんのでそういう意味でも相手のプレイングを惑わせることができます。

テンポ戦略により青黒リアニだけでなく赤単プリズンのような2マナランドを多用するデッキ、従来ナドゥが苦手としてきた高速コンボといったデッキの相性も改善、更には、墓地対策や攪乱のフルートといった置物にも意志の力ではなく、目くらましでテンポよく対処することができる、と考えました。

従来のナドゥブレックファストのリストでは目くらましは2枚程度の採用となっていましたので、そこまで相手がケアしてこないということもメリットの一つです。

石鍛冶の神秘家は墓地を使わない、かつ序盤の脅威として採用しました。ですが、ここは明確に間違いだったと考えています。特にカルドラの完成体は「厚かましい借り手」などで簡単に対処されてしまう上に、対処されたが最後、ただの置物として何もしません。石鍛冶の神秘家を長らく使っていなかった粗が出てしまった、、、と終わったあとに後悔しましたが、後の祭りです。

また、石鍛冶の神秘家は思考囲いにもめっぽう弱いです。
青黒リアニメイト側は石鍛冶の神秘家が着地した後、サーチしたカードによって思考囲いを打つのか、厚かましい借り手でバウンスをするのか、石鍛冶の神秘家を除去するのか選ぶことが可能です。
前述の通り、仮にカルドラの完成体が着地したとしても厚かましい借り手があり、リアニメイトされた偉大なる統一者、アトラクサには太刀打ちできなかったりと全くいいところがありませんでした。

今この枠は「知りたがりの学徒、タミヨウ」に変えて試しています。目くらましや不毛の大地など、こちらのマナが減るアクションとの併用が難しいところですが、プレイングでなんとかなりそうな範囲だと思っているので、皆さんもぜひ試して、感想などもらえると嬉しいです。

一方で、石鍛冶の神秘家を採用した副産物である「獅子の飾諸」の採用はかなり感触がよかったです。これはサーチ可能な墓地対策で、目くらましや不毛の大地で相手の展開を遅らせることができれば、メインボードが除去が厚かましい借り手しかない関係上、これ一枚で青黒リアニメイトを完封することもできます。

石鍛冶の神秘家なしで採用するか、、、は怪しいところですが、青黒リアニがメインの除去を極力減らしているということを踏まえるとメイン採用はありかなと思っています。

というわけで第28期レガシー神挑戦者決定戦の結果は

1R 青黒リアニ 2-0 〇
2R 白黒Death and taxes 2-1 〇
3R ネクロドミナンス 1-2 ×
4R スパイ 2-1 〇
5R ナドゥブレックファスト 1-2 ×
3-2で目なしのためドロップ

という結果でした。

思惑通り青黒リアニメイトには勝つことができ、ネクロドミナンスには負けてしまったものの※、不得手としていたスパイにも目くらまし分で勝つことができました。ナドゥブレックファストは「相手がセファコンボを減らす読み」が見事に外れた上に、「時を解すもの、テフェリー」になすすべなく敗北です。

※意志の力と否定の力2枚唱えられるハンドキープして負けたのでこれはしょうがないと思ってます!笑

年末から続いたレガシーの大型大会連戦はいったんここで区切りです。

3.これからどーするか

レガシー神挑戦者に持って行ったナドゥテンポは個人的にかなり面白かったので、これの調整を続けていこうかと思います。

神挑戦者決定戦の上位を見ても、テンポ戦略をとること自体は悪い選択ではないということは一定いえると思っています。次は、ナドゥというデッキがテンポ戦略に合うのか、セファリッドコンボを排することでどのような悪影響が出るのか、というところをこれから検証していきたいと思います。

前述しましたが、石鍛冶の神秘家の代わりに知りたがりの学徒、タミヨウを採用するバージョンでこれからも試しています。

一定のカードパワーは担保されていますし、相手からしたら、除去するべきなのか放置するべきなのか迷うカードの筆頭です。ナドゥのようなコンボをちらつかせながら相手にリアクションを構えることを強制させつつ、その上で複数の目くらましや不毛の大地が降ってくるとなれば、プレイングも迷わせられるため、今後どうなるか楽しみなカードです。

テンポナドゥ自体のデッキパワーはまだまだ未知ですし、結局はナドゥブレックファストの方が強い、という未来もあるかもしれません。

ですが、何よりデッキの可能性を探求することでプレイングの幅も広がると思います。何はともあれ、普通のナドゥデッキに飽きてしまったよ、タミヨウ持ってるけど死蔵しているよという方は是非試してもらえると嬉しいです!(あなたが最強デッキの生みの親になれるかも!?)

ということで2月号はここまでとします。
来月もレガシーの記事書いていこうと思いますので、記事よかったなと思っていただけましたら、「スキ」をぽちっとよろしくお願いします!


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