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とりあえず、梅酒ロックで。


吉祥寺にほん酒や | 東京都 吉祥寺





にほん酒が飲めない人が行くにほん酒や。

ってどうなんだと思いつつ、
前からずっと
この店のこと気になっていたので
勢いで行ってみることになった。




この日は、
仕事を5時にあがる予定にしていた。
いわゆるセレクティブワーキング。
略してSW。

最近コロナウイルスが流行っているので、
会社でも、
いちおうすぎる対策がとられている。
そのひとつが、時差通勤。
8時から10時の間は出社禁止、
それより前か後に出社しろというやつ。


私は早く帰りたい派なので、
迷いなく8時前出社。

でも、8時前って電車が激混みなわけ。
そりゃみんなが時差通勤したら
そうなるだろう。
会社もきっとわかっていながら
世間一般の常識という名の非常識に流されて、
よし、私達もコロナ対策していますよ!
ってゆう根本的に意味をなしていない
組織特有の使命感に駆られただけの
自己満足対策でおわっている。
あとは自己責任でお願いしますという感じか。


でも早く帰れるのなら
とりあえず満員電車は我慢しよう。
というわけで、
その日も8時に来て5時に帰る。

早く帰って
美味しいものが食べたかったので、
仕事を次の日にまわして、
そそくさと会社を出た。




この日のテーマは、和食。
吉祥寺のありとあらゆる
素敵な和食居酒屋さんを探した。

その時ふと脳裏に浮かんだのが、
暖簾のかかったあのお店。
木枠のガラスの引き戸と
ガラス障子のファサード。
そのガラス越しに、
凛とした木のカウンターが構えている。
カウンターには、
にほん酒の大きな瓶たちが並んでいて、
天井から吊るされた
素敵なペンダントライトたちが、
そのカウンターを
あったかい光で灯している。



お店に入る前から、
なんだか胃袋がゾクゾクする。
ドキドキする。

入り口横、
白色に塗られた壁に赤色のロゴマークが、
優しいスポットライトを浴びながら
チラリと覗かせる。

このさりげない存在が、
入り口から静寂な色気を漂わせている。

これがドキドキの犯人か。



とりあえず、
高ぶる感情をひとまず落ち着かせて
お店に入った。


足を踏み入れた瞬間から、
私はもうこのお店の虜。

この素敵なペンダントライトの下、
セッティングされた小鉢とお箸。
静かにじっと誰かと待ち合わせしている姿が
なんとも愛おしい。
全く欲深さを感じない、
ピュアな待ち合わせ。

私もこんな待ち合わせをしたいものだ。





そんな素敵なカウンターに座って、
まずは飲み物を注文。

にほん酒やという名前だと
わかっているんだけれど、
ほんとににほん酒が飲めないので
いつもお決まりの、

「 とりあえず、梅酒ロックで。」



しばらくすると、
お通しと共に梅酒がやってきた。
白湯も一緒に。

自然と背筋が伸び、
なんとなく仕草もおしとやかになった。
気がする。



メニュー表に書かれた料理は、
どれもこれも気になってしょうがない。

そんな時のお店の人のオススメ情報、
とても助かる。
ありがとうございます。

ちなみにメニュー表の料理名の横には、
それぞれ産地も添えられている。
こうゆうのがたまらなく好き。

とりあえずひとまずの注文を終えて、
梅酒をちょっとずつ進ませ
仕事の話をしながら料理の登場を待つ。


まず始めは、
お造りの盛り合わせ。

食べやすいようにと、
1人ずつお皿に盛り付けてくださった。
素敵。ジェントル。

〆鯖、太刀魚、鰤漬け。
箸休めにと添えられた、大根のお漬物。



次に、
パテカツ。
お肉をパテにしたものをカツにした、
通称「ちょっとリッチなメンチカツ」
お店の店長さんがそうやって紹介してくれた。
これは絶対に
みんな頼まずにいられないやつだ。

パテカツの下には、マッシュポテト。
上には、赤ワインで煮た何ちゃらのソース。
間違いなくちょっとリッチなメンチカツだ。
ちょっとリッチなメンチカツ、認定。



そして追加で数品注文して、
最後の〆には、握りを2種。

ずわい蟹の軍艦巻きと、真梶木の漬け。
この海苔がまた美味しいんです、
と店長さん。

はあ、最高の〆だ。






この数時間で、
私の五感は隅々まで満たされていった。


にほん酒やという名だけあって、
にほん酒への愛で溢れるお店の人たち。
しかしながら、
にほん酒が飲めないという私。
それでも優しく包み込んでくれた。

好きだ、にほん酒や。











きっと次も、

「 とりあえず、梅酒ロックで。」


吉祥寺にほん酒や
東京都武蔵野市吉祥寺本町2−7−13
レディーバードビル101
月-金 17:00-24:00
土日 13:00-23:00