トランプ暗殺未遂 〜『協力者』存在説の考察〜
トランプ前大統領が13日の選挙演説中に銃撃された暗殺未遂事件について概要を整理し、考察します。
1.事件の概要
トランプ前大統領が7月13日にペンシルベニア州バトラーでの選挙選挙で演説中に銃撃された。
銃撃は複数回あり、集会に参加した1人が死亡、2人が重傷。(※亡くなったのは元消防署長のコーリー・コンペラトーレ氏)
トランプ氏は右耳を負傷した
トランプ氏は最初の発砲の直後にしゃがみ込み、そのあとすぐ護衛が駆けつけ、トランプ氏を囲み、盾になりながら、会場外へ誘導。病院へ向かった。トランプ氏の選挙陣営はその後まもなく、同氏が無事であると発表。
容疑者は、演台から約130メートル離れた建物の屋根の上から銃撃した。
容疑者は発砲直後にシークレットサービスによって射殺されている。
トランプ氏は、不法移民に関する数値を紹介した会場のスクリーンを確認するため、わずかに右を向いた瞬間に銃撃を受けたとし、その動きで頭への直撃を避けられた
FBIのケヴィン・ロジェク特別捜査官による発表
容疑者は「単独犯」の様子で、共犯による同様の犯行は特に警戒していない
容疑者が使用したライフル(AR-15)は、容疑者の父親が合法的に入手したものと確認した
父親の見解
2.容疑者の情報
1)氏名、年齢、職業、自宅所在地
トーマス・マシュー・クルックス、20歳、介護施設の厨房で働く。
自宅は演説会場から約70キロ・メートル離れた同州ピッツバーグ郊外の閑静な住宅地ベセル・パーク
2)射撃クラブ、射撃部に所属
少なくとも1年前から地元の射撃クラブに所属。
高校時代には射撃部に所属
3)使用されたライフルとその入手先
AP通信は匿名の捜査関係者の話として、容疑者の父親がこの銃を少なくとも半年前に購入したと伝えている。
米ABCニュースによると、容疑者は事件当日、射撃場に行きたいと言って父親から銃を借りたと伝えた。
使用された銃:半自動式ライフル銃『AR-15』
4)政治思想
米メディアによると、州の有権者登録記録に共和党支持者として登録
いっぽうで地元メディアによると、2021年に民主党系の団体に15ドル(約2400円)を寄付
5)動機
FBIのケヴィン・ロジェク特別捜査官は次のように答えている。
「容疑者が何か特定のイデオロギーの持ち主だった様子は把握していない」
「容疑者に何らかのメンタルヘルス(こころの健康)上の問題があったと示す情報はこれまでのところない」
ソーシャルメディアなどの投稿から動機を読み取ろうとしているものの、「まだ初期段階」で「今のところ犯行をほのめかすような内容は確認できていない」
6)経歴
高校時代は理数系科目の成績優秀者として表彰されるなど優等生
高校卒業後は、地元の短期大学に進学。今年5月に卒業後、自宅近くの介護施設に就職。食事補助員として働いていた。
読売新聞の取材に対する介護施設の担当者の答え:「何の心配もなく仕事をこなしていた。(採用時の)身元調査も問題なかった。我々はショックを受け、悲しんでいる」
7)人となり
読売新聞の取材に対して、同級生だったという男性は「昼食時は1人で座っていた。服装をばかにされていじめられていた」と答えている。
地元局KDKAに対して、容疑者と同じ学校に通った一部の若者は、容疑者が「いつも一人でいて」「狩り用の服で登校してくることがあった」と話している。
3.奇跡「1cmずれていたら、命運をわけていた」
ワシントン・イグザミナー紙の取材に対してトランプ氏は次のように述べた。
「演説で使用していたデータを表示するスクリーンを見るために群衆から目を離したおかげで死を免れた」
「私はめったに群衆から目を離さない。あの瞬間にそうしていなかったら、今日こうして話をすることはなかっただろうね」
4.不可解な点に関する考察
1)シークレット・サービスは、発砲の少なくとも42秒前に容疑者を目視していた
明らかに銃口を演者に向けている狙撃犯を目視(確認)していながら、シークレット・サービスはなぜ40秒もの間、容疑者の発砲を阻止しなかったのだろうか?
2)演説中、複数の聴衆が狙撃犯が屋根のうえで動く様子を目撃している
最後の映像は、複数の映像が並べられており、屋根のうえにいる容疑者の存在に気づいた聴衆たちがそのことを口に出してから、発砲されるまでの時間がカウントされている。
これを見ると、トランプ氏が銃撃される2分前に、聴衆は屋根のうえにいる容疑者に気がついていたことがわかる。
会場外にも警察が警戒しているはずだが、警察は大型のライフルを抱えた容疑者が建物の屋根によじ登ったいた間も、屋根のうえで容疑者が演者をライフルで狙う間も、その様子を見落としていたのだろうか?(それとも黙認していたのだろうか?)
3)シークレット・サービスの狙撃手は、容疑者を複数回目撃していた
4)容疑者が屋根で銃撃した時、その建物の中には警察の『対狙撃犯チーム』がいた
地元警察が建物の中に、狙撃犯対策チームの監視所を設けていたのであるから、当然、演説の前には「演台を狙撃可能な地点」を洗い出し、演説前・演説中には「狙撃対策班」を配備し厳戒態勢で警戒をしているべきだったはずだ。
いったい、なぜ容疑者がライフルを持って狙撃地点まで登ることを見落とし、容疑者がライフルを構え、トランプ氏を銃撃するまでの間、発見できなかったのだろうか。(事前に把握していた可能性も検証する必要は当然ある。)
5)「内部協力者」「計画的犯行」の可能性
6)FBIが事件後に「単独犯」と断定
現場の本格的な捜査や聞き込みを終えていない段階で、どうして「単独犯」と断定するのか。なぜ他の容疑者や協力者がいた可能性を指摘しないのだろうか。
7)容疑者が米金融大手ブラックロックの広告動画に出演していた
これも驚くべき事実だが、クルックス容疑者は、ブラックロック社の広告映像に出演していた。
この30秒の広告動画は、米金融大手ブラックロック社が2022年に作成しており、ペンシルベニア州の高校の教師を特集したもの。
教室内の生徒の映像のなかに、クルックス容疑者が映り込んでいるのである。
同社はすでに動画を削除し、映像を捜査当局に提供したとしている。クルックス容疑者に出演料は支払われていないという。
世界最大の資産管理会社の広告に、容疑者が映り込んでいたのはなぜだろうか?これは偶然と片付けてよいのだろうか?
少なくともブラックロック社の広報責任者に、広告への出演者に容疑者を採用した経緯を聞き出し、事実関係を明らかにする必要があるだろう。
8)銃撃の30分前に警察が容疑者を把握していた
3)でも指摘したように、シークレット・サービスは演説が始まる前に容疑者の存在を認識していたが、地元メディアの取材から、地元警察も事件の30分前に目撃者による通報によって容疑者を把握していたことがわかっている。
警察は、不審人物の通報を受けながら、なぜ現場周辺の警戒を強化しなかったのだろうか?
以上、多くの観点から、今回のトランプ暗殺未遂事件には多くの疑問と謎が浮上する。
また、今回のシークレット・サービスの警護は明らかに不十分であったうえ、クルックス容疑者による単独犯「ではない」可能性、内部の協力者が存在する可能性が残されたままである。
政治的に対立する相手の言論を暴力によって阻止、排除する行為は、言うまでもなく「民主主義の破壊」であり、決して許されるものでない。
5.トランプが銃撃後に拳を挙げた理由
トランプは銃撃を受けたあと演台の下から立ち上がったあと、会場の聴衆に向け拳を振り上げ、「Keep fighting(戦いつづけよう)」と繰り返していた。
その時の様子をAP通信社の撮影者が写した写真がこちら。
トランプ氏は、ワシントン・イグザミナー紙の取材に対し、この時なぜこのようなポーズを取ったのか次のように答えている。
グローバリズム勢力と対決するトランプを喪失することは、世界にとっての損失である。
(あと数センチでもずれていれば、弾丸はトランプに致命傷を与えていたというから、今回の奇跡には感謝しかない。)
最後に。
繰り返しとなるが、言論の自由を暴力によって封殺する行為は、民主主義の原則を根底から破壊する卑劣極まりない行為である。
単独犯で済ませず、犯行現場にいた可能性のある協力者の存在だけでなく、背後の支援者まで徹底した捜査を行い、真犯人を明らかにするべきである。
※7/19追記
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