手段と目的



変わりたい。



初めてメイクアップをして
お出かけした日を今でも鮮明に覚えている。

小学5年生の冬。

猫目になりたくて何回もやり直しはね上げたアイライン
つけまつ毛を全体用、部分用など自分専用にカスタマイズした3枚重ねのまつ毛に
お小遣いを貯めて初めて買ったVidal Sassoonの32mmのコテで丁寧にミックス巻きをして
母の部屋から勝手に借りたVO5のハードスプレーで巻髪をガッチガチに固めて外に出た。

親友との待ち合わせ場所、
小学校前に行くまでの徒歩15分間は少し恥ずかしくて
でも嬉しくてドキドキ、ワクワクした。

初めてメイクアップをしてプリクラをとった感想は
私って可愛くない?だった(笑)

今思えば黒歴史なくらいの化粧と巻きだったけど
本気で可愛い!イケてる!って思ってた(笑)

そのときの私の精一杯はそれで
ヘアメイクをするだけでこんなに可愛くなってハッピーな気持ちになれるなんて!
この感動をみんなに知ってもらいたいって思った。

私がメイクアップアーティストになろうと決意したのはそのときだ。

私は昔から自分に自信がなかった。
だからヘアメイクをすることは
私を少しだけ好きになれる魔法みたいなものだった。

私が初めてしたバイトは
トータルビューティーサロンだった。

学校に通いながら美容学校へ進学する資金を貯めたい、
なんなら少しでも美容に携わりたいと思っていた。
強欲だ。(笑)

でもひとつ問題があった。
私は昔から手が震えている。
小学2年生のときに指摘されて初めて気がついた。

ひどいときはお味噌汁のお碗がもてないくらいだ。

手が震えていてはお客様が不安になるからと上司にいわれ
病院で検査してもらった。

検査結果は本態性振戦。
原因ははっきりわかっていないが手や頭や声が震える症状がでる病気だ。
私は症状が主に手にでていた。
お医者様からは遺伝だから治らない、
血圧を下げる薬を飲めば治るかもしれないけど
一度薬を飲むと一生飲まなければならないと言われた。

私は迷わず薬を飲むことにしたけれど震えがおさまることはなかった。

もう一度病院にいって診察をうけたとき
これは治る病気ではない。
美容関係はあなたには無理です。
血圧が高くもないのに薬を飲み続けるのはよくない。
今ならまだ間に合うから飲むのはやめなさい。
若いからなんだってできるよ。
飲み忘れたら命に関わるよ。
それとも死にたいの?と言われた。

あぁ、なんて不平等なんだろう。
やりたいこともできないなんて。

お医者様から言われた言葉が
ぐるぐるぐるぐる頭をまわった。

悲しくて悔しくて情けなくて
私の夢を応援してくれたみんなに
申し訳なくてたくさん泣いた。

でも泣いても落ち込んでも明日はくる。
落ち込んでばかりはいられない。
現実をみなければ。

夢を仕事にできないひとはたくさんいるし
今わかって逆にラッキーかも!
生きていたらまたしたいことがみつかるかもしれないと思って
薬を飲むことをやめて夢も諦めた。

そこからはコンビニ、日本料理店、クリーニング屋、コールセンター等
雑多にいろいろなことに挑戦した。

どれもそれなりに楽しかったし
どれも一生懸命したけど何かが違った。

私が変わったきっかけは前職のホステスだ。

売り上げに伸び悩んだ末、ある人が頭に浮かんだ。

それは今でも毎月コーチングをしてくれている、和田のあさん。

のあさんは若者の孤独をコーチングでなくすというミッションをかかげ
私を含め、たくさんのかたにコーチングをしている。

のあさんがコーチをしていることもしらず
下着モデルをされているかたという認識で
Instagramをフォローしていた。

初めてのDMもコーチングのことではなく
おすすめの下着屋さんについてだった(笑)

コーチングの存在をしったのも
のあさんがきっかけだった。

のあさんに出会ったことは
私の人生のひとつの分岐点だ。
偶然ではなく必然の出会いだったと思っている。

なぜあのとき、のあさんが頭に浮かんだのかわからない。

依頼したタイミングも
早すぎもせず、遅すぎもせず絶妙だった。(長くなるから後日の記事で。笑)

2019年11月23日、私は初めてコーチングを受けた。

売り上げを伸ばしたい。
上記の目標で私はコーチングを依頼した。

何をお客様に伝えたいのか
また私は何を感じたいのか
どうなっていきたいのか。

売り上げを伸ばすために
まず自分を知ることからはじめた。

のあさんから毎回いただくフィードバックの中には
耳が痛くてしばらく放置してしまうものも
泣きながらもう無理と考えることをやめたこともあったけど
少しずつ自分と向き合っていった。

向き合った結果
面白いことに私がしたかったこと、伝えたかったことは
小学5年生の初めてヘアメイクをし
プリクラを撮ったときに感じたことと一緒だったことに気がついた。

毎日をハッピーに過ごしたい。
今の自信のない自分から変わりたい。
誰かに、自分に、認めてもらいたい。
自分自身を好きになりたい。

私はそう思う全てのひとたちを応援したかったのだ。

そのためにはまず今まで以上に自分ととことん向き合う必要があった。

メイクアップアーティストになれないと言われたとき
もう夢は叶えられないと思った。

小学生のころ感じたあの感動を
人に届けることはできないと思った。

でもヘアメイクをすることは
メイクアップアーティストになることは
手段であり目的ではない。

自分のことが好きに思えた瞬間の
あのキラキラ、ワクワクした世界を届けること。

それはメイクアップアーティストにも
ホステスにもできるのだ。

夢=職業

私はその視点しか持ち合わせてなかった。

だから諦めなければならないといわれたことで
夢まで諦めなければならないと思ってしまった。

私は手段(職業)と目的(夢)がごっちゃになっていたのだ。

私はいつしかメイクアップアーティストになることを
目的としてしまっていたことにそのときやっと気がついた。





もしかしたらまだ夢を諦めなくてもいいかもしれない。




心の声が聞こえてきたときハッとした。
私は諦めたくなかったのだ。

私は夢を諦めたフリはできても
完全には諦められてはいなかった。

自分と対話をしたことによって
私が背けていた問題が明らかになり
諦めたフリはできなくなった。

目的を定かにすることで
しなければならないことが自然とわかっていった。

本当はずっとわかっていたのかもしれない。

また諦めなければならないと人に言われることが怖かったのかもしれない。

ただ単に疲れてしまって向き合えなかったのかもしれない。

実際向き合えるまでに私には8年間という年月が必要だった。

向き合うって、変わるってすごくエネルギーがいること。

変われないとよく聞くが
私はそんなことはないと思っている。

8年間私は変わっていない、変われないと思って落胆した日もあったけれど
同じ毎日なんて一度だってやってこなかった。

少しずつ変わりながら
毎日を一生懸命生き
傷ついた心を癒しエネルギーを貯め
やっと一歩を踏み出せたのだ。

そして今私はコーチとして活動している。

メイクアップアーティストから
コーチングに手段が変わっただけで
目的や軸は何ひとつ変わっていない。

コーチングは目的ではなく、あくまで手段だ。

これからもその手段は変わるかもしれないし増えていくかもしれない。

目的が変わることだってあるかもしれない。

私が今こうして記事をかいていることもひとつの手段だ。

私は売り上げを伸ばしたいと思ってコーチングを依頼した。
けれど、きっと本当の目的は売り上げじゃなくて
私自身が変わるきっかけがほしかったのかもしれない。

また私が変わらなければ
売り上げ(結果)も変わらないのだ。

仕事でうまくいかなくても
友達と喧嘩しても
親と縁を切っても
失恋したとしても結局最後に残るのは自分だ。
環境や私を取り巻く人々は変わっても
変わらずそこにいるのはいつも自分だけだ。

してきたことも、頑張ってきたことも
全部知っているのは自分だけ。
かわいそがれるのもよしよしするのも
私が私にしてあげれなくて誰がしてあげれるのだろう。

私は私を全く褒めてこなかったことにも気がついた。

私のことを一番知っていて
味方であるはずの私が一番私を嫌っていて
認めてなくて信じていなかった。

自分を信じるって難しいし怖い。
勇気がいる。

だから最初は私の目標を応援してくれる
のあさんや周りのみんなを信じることにした。

でも、のあさんや周りのみんながどれだけ私を信じて応援してくれてもどこか寂しかった。

何で寂しいのだろう?

自分とたくさん対話した。

そうすると案外すぐに答えはでた。

私は私を応援してあげたいし
私の選択を誰よりも信じてあげたいし
認めてあげたいし
好きになりたいと
何より思っていた。

人を応援したいと思う前に
誰よりも私自身を応援したくて、してほしかったのだ。

私が自分自身を信じるレベルでしか
人も信じられないし信じてもらえない。

まず気持ちを受け取れないのだ。

いつもどこか寂しいと孤独を感じていたのは
私が私を信じていなかったからだ。

人を応援したいのなら
まずは私が私を一番応援してあげないといけない。

今、私は誰よりも自分を応援しているし信じている。

私だけが絶対的な味方だし
信じてあげたいし
素直に心の声をきいて寄り添ってあげたい。
そして愛してあげたい。

これからは人からどう思われるかではなく
人がどうしたいのかではなく
私がどう思うのか、どうしていきたいかを大切に生きていきたい。

私は今後セルフラブ活動をしていきたいと思っている。

今の私の夢は、もうメイクアップアーティストではない。
コーチでもない。

自分のことが好きになれた瞬間の感動を届けること。

自分のことを好きになりたい。
やりたいことがわからない。
目標がない。
変わりたい。

悩みも背景も人それぞれだと思う。

私にあなたの答えをみつけてあげることはできないけれど
一緒に探すことはできる。

あなた自身をあなたが一番応援してあげて
味方でいられるよう対話ができるよう
あなたをもっと好きでいられるように
そのお手伝いが少しでもできたらいいなと心から思っている。

もちろん私はあなたを応援している。

この記事を読んでくれている
あなたの孤独や寂しい気持ちが少しでも減り
とりあえず今日は寝て明日また考えようって思ってくれたら嬉しい。




#コーチング
#本態性振戦
#セルフラブ


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