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冬のご馳走「鰤」と「カリフラワー」
今月は冬が旬の素材をふんだんに使った二皿、「鰤」「カリフラワー」のご紹介です。
ー鰤ー
冬の旬である鰤をメインにした今回の一皿のご紹介です。
シェフは酢豚のような料理構成(甘み、酸味、塩味)を楽しんでいただきたいという思いで、一皿の味のバランスを構築しました。
メインの鰤の表面は軽く炙り、温かく仕上げてました。
料理に加えた「米飴」とは、麦と米を使用し、伝統的な製法で作られたもので、今回は石川県の横井商店さんのものを使用しております。キャラメルが焦げたような、麦芽の程よい苦味が感じられる独特の味わいが特徴です。
酢として使用したのは、「ペドロヒメネスビネガー」というスペインで使われているビネガーで、熟成26年以上経過された芳醇な香りととろみが特徴的で、料理全体に個性豊かな風味をプラスします。
鰤に添えられている湯葉は幻と言われるほど希少価値の高い、奈良県在来品種である大和大鉄砲大豆から作られた豆乳を使用しています。大豆の甘みと旨みがしっかりと感じられ、料理にコクをプラスします。
美しい黄色のソースは、淡路島で無農薬栽培されたマイヤーレモンを奈良県産蜂蜜とコンフィチュールにし、ピューレ状に仕上げたものです。また、同じ柑橘類で冬が旬のゆずのシャーベットを添えることで、鰤と合わせて口にした際に、脂の旨みを感じながらもさっぱりと爽やかな味も楽しむことができます。
今回は淡路島産のマイヤーレモンを使用したこともあり、淡路島をイメージした形で盛り付けをされているそうです。どこを食べても味のバランスを取れるように料理されていますので、それぞれをお好みで組み合わせながら楽しむことができます。
季節の素材をふんだんに使用した一皿のご紹介でした。
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カリフラワー
こちらも冬が旬で、より甘みが増したカリフラワーをメインにした一皿のご紹介です。
紫、オレンジ、白と鮮やかな色が美しいお花のようなものは、酢漬けにして色を変えたカリフラワーです。生のもの、ピクルス、焼いたものを一皿にまとめ、カリフラワーをさまざまなコントラストで楽しめる工夫がされています。
料理全体に酸味を加えアクセントを出すため、今回は冬の旬である奈良県産のみかんを皮ごとガスバーナーで焦がした後、ミキサーでピューレ状にしたものを加えました。
カリフラワーの下部分には、カリフラワーをエスプーマという調理法で泡状にしたものを合わせ、全体を見たときに1つの大きなカリフラワーに見えるようなイメージで作り上げました。また、ホタテの出汁とお米を合わせ、薄く揚げて作った煎餅を添えることで、サクサクとした食感が料理全体にアクセントを与えます。
「エストラゴンオイル」というハーブ調の甘い香りが特徴的なオイルがかかったクリームスープをかけることで一皿が完成します。ホタテの甘みがしっかり感じられるこのスープは、オイルを加えることでホタテ独特の生臭さを軽減し、コクを足すことによって、より複雑な味わいを演出します。
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今回もシェフの独創的な工夫で料理された、目で見ても楽しめる旬の二皿をご紹介しました。
来月の更新もぜひ楽しみにお待ちください。
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