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計量士受験関係 体験記?

計量士は一般計量士、環境計量士(濃度)、環境計量士(騒音・振動)の3種類があり、受験者数としては環境計量士(濃度)が約3000人、一般計量士と環境計量士(騒音・振動)が約1000人とまあまあマイナーな資格です
私が一般計量士の試験を受験するにあたって過去に受験した人のブログやらも漁りましたが流石にこの受験者数なだけあって少ないので記事を追加しようと思います。
試験内容については環境計量士と午後部分が被るので参考にはなるかもしれません


計量士試験について

計量士については基本的に経済産業省のページにありますが、選択肢式(5択)で合格基準は午前午後それぞれで約6割という試験です。

流れとしては
7月後半に収入印紙なる希少な紙を郵便局で買って貼り付けて申込、
11月後半に受験票という名のコピー用紙に印刷されただけのものが届くので
12月初旬にそれをもって受験
受験翌日13時半くらいに解答発表
1月中旬に合格発表
2月中旬に合格証発送という流れです。
2023年分から昔より合格発表と合格証発送が早くなったみたいです。

この試験は他の国家試験ではあまり見ない(全くないわけじゃない)形式で、
① 受験料の支払が収入印紙
② 受験票に顔写真不要(申込時に貼った顔写真で当日確認)
③ 午前2科目の合計点、午後2科目の合計点で合否判定するので1科目爆死可能
④ まともな教科書が存在しない
⑤ (特に午前の)合格基準が可変
⑥ 途中退室時に問題を持ち出せない
あたりでしょうか。ある程度国家試験を受けてきましたがレアだなという感想です

④は文字通り過去問解説はあっても教科書みたいなものはない(=見たことない問題や概念がよく出てくる)
⑤は午前の合格基準が50問中25問~30問で毎年変わること
⑥は試験開始後30分から試験終了10分前の退室時に試験問題を持ち出せないので、最終科目であっても試験問題を持ち帰りたいならば試験終了を待つ必要があるという話です。

勉強方法について

上で書きましたがまともに教科書がないので、過去問を解く以外の選択肢がありません。
過去問自体はこちらに平成21年(2009年)の分から記載されていますが、解説はないので必然的に本を買うところから始まると思います。
といってもその本もオーム社の三好本コロナ社の日本計量振興協会本しか実質的に存在しません
前者は過去7回分、後者は過去3回分の過去問解説が記載されています。
ただ、前者は2019年分までですし、後者は去年の令和4年分までの記載があります。似た問題でも解き方が異なっていたり説明がわかりやすかったりと違いがあるので両方買ってもいいとは思います。高いけど
私がnoteで過去問簡易解説を書いたのでそちらを見てもいいかもしれませんが、解説に間違いがあっても保証はありません

試験内容について

計量士の試験科目は4つで、一般計量士は
① 計量に関する基礎知識(一基)
② 計量器概論及び質量の計算(計質)
③ 計量関係法規(法規)
④ 計量管理概論(管理)
となっており、③④は環境計量士と共通の科目です。
一般計量士を取れば環境計量士を受ける際には午後の③④は免除になります。
逆に科目合格という概念はないので午後だけ受かって午前は落ちたのなら来年は午前午後両方受ける必要があります。

① 計量に関する基礎知識

計量に使うという建前ですが使わないでしょというような数学と物理がメインの科目です。
どんな問題が見たい人はこちらをどうぞ
高校時代に文系だった人は厳しいと思います
数学の範囲は方程式、微分積分、対数、ベクトル、確率、集合、行列、確率、複素数平面(一部)あたりで、問題は教科書レベルで難しくはないですが、特に今の教育課程では存在しない行列は他の本やyoutubeなどでも構いませんので勉強しておいた方がよいでしょう。
物理は力学、波、電磁気が主です。
力学はモノを投げたときにどうなるか(速度, 位置, エネルギーなど)や圧力関係が多く、波は干渉やドップラー効果などの音、光の屈折が多く、電磁気は回路やコンデンサあたりが多いという印象です。
その他数問ですが原子関係(放射線, 半減期など)や、低難易度の流体力学が含まれます。

高校時代に学んだ記憶があればそんなにやることはありません。
私は高校時代から電磁気が嫌いだったので今でも解けませんし、当日も解けてません。

② 計量器概論及び質量の計算(計質)

名前の通り計量器に関係する内容が幅広く出題される科目です。
問題はこちらをどうぞ
計量器にあまりなじみのない人だと聞いたことのない話がかなり多く、ある程度触れてきた人でも、その計量器の内部構造の話をされてもわからないといったことはよくあると思います。
私の感覚ですが、結構出題に偏りがあるので、拡張不確かさや時定数、重力加速度関係や器差、非自動はかりの公差あたりはきちんと解けるようになっておきましょう。

とはいえやはり難しいので①で稼いでおくといいと思います

③ 計量関係法規(法規)

計量法及びその関連法規に関する科目です
問題はこちらをどうぞ
実用的とは決して思えないカスみたいな問題が多いです
「この内容は誰の管轄なのか」「この申請では何を記載するのか」あたりを覚えるような科目ですが試験のための試験だなあという感じ。
頻繁に出るものというのはやはりあるのでそこはちゃんと抑えること。
管轄については画像で、途中で出てくる検定あたりはこちらの経産省資料が非常にわかりやすいので確認しておいてください。
リンク先が滅びていたので差替(20241126)

④ 計量管理概論(管理)

計量器に留まらず計量関係全般に関する科目です。
問題はこちらをどうぞ
②よりも簡単目な問題が多く、勉強しなくても一般常識で解けるみたいな問題も多く出ています。

2023年の一般常識で解ける問題例 答えは1

とはいえ、勉強しないと解けない問題も多くあることと、午前と違って合格基準が③の法令と合わせて6割ぴったり(50問中30問)なことが多いので過去問で勉強しておきましょう。







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