「センス」が嫌いです。

現在銀座の某サロンで美容師をしてます。
幼い頃からの夢で、ずっと「将来美容師になるんだ〜」と言っていました。小学生低学年くらいの夢だったので、自分でもそこまで本気でなりたいとは思っていませんでしたが、なんとなく過ごしていくうちに、ほかに惹かれる職業もなく小学校からソフトテニスで休みがないくらいの毎日だったので、高校3年でソフトテニスを引退と共に美容専門学校に入りました。

幼い頃から美容師になると口にしていた際に大抵の人に言われたのが、「美容師は手先が器用じゃないとできないよ」「美容師はセンスがないとできないよ」この言葉が大っ嫌いだった。私はセンスがいいとも、手先が器用とも言われたことはなく、むしろ真逆でした。

ソフトテニスをしていた時もそうでした。「本当不器用だな」「お前はセンスのタイプの人間じゃないな」自分では何も思っていなかったけど、周りにたくさん言われることで、あぁ、私はセンスがなくて不器用な人間なんだとどんどん思ってしまいました。

それでも美容師になりたい夢は変わらず、私がたどり着いた答えは【だったら絶対美容師になって、センスがなくても、器用じゃなくても、誰だって美容師になれるんだって私が証明してやる】と思ったのを覚えています。

私以外の人で、センスがないと周りに言われたり、不器用だからお前に美容師は無理だと言われたりして美容師の夢を諦めてしまう人に、そんなことないよ!誰でもなれるんだよ!って勇気を与えてあげたい。そう思ってました。


美容学校に入学して思ったのは、特別華やかでキラキラした人がいるわけでもなくいたってみんな普通だったということ。もちろんみんなオシャレは好きだし、各々こだわりはあるとは思うけど、よく想像するような美容師さんとは全然違いました。もちろん手先が器用な子もたくさんいましたが、不器用な子もたくさんいました。
あぁやっぱり関係ないんだなと思いました。


美容専門学校は国家資格を取るための国家試験の勉強を主にします。国家試験は実技と筆記の2種類で、実技はカット、ワインディングorオールウェーブセッディング という2種類です。
ワインディングとはパーマを巻くための技術で、本数、使う道具、配置、角度、時間全て決まっています。決められた構成を20分以内で完成させる技術です。
オールウェーブセッティングとはローションを使ってウェーブやカールを決められた構成に形成するセットやパーマの技術です。
この二つは国家試験の3ヶ月前に発表され、それまではどちらが試験で出るかわかりません。
筆記は100問マークシートで内容は「公衆衛生」「関係法規」「皮膚」「人体」「化学」「美容理論」です。公衆衛生の中には感染症についてや消毒についても学びます。


この国家試験課題であるワインディングが1番難解で一筋縄では行きません。初めは一本巻くことすら難しく、これあと2年で国家試験受けられるのかな?と不安になる程。ですがやはりそれはみんな同じ。最初から辛うじてできる人はもちろんいますが、今現在私が無事に美容師をしているように、やれば誰だってできるようになります。一年生の頃はできなかったのに国家試験の時はできました。

その時思ったんです。あ、器用とかセンスとか関係なく、やればいいんだな。と。
やってもできないなら、できるようになるまでやればいいんだなと。
簡単なことでした。できないことをできないままにしておくからできないと思ってしまうけど、できるようになるまでやればそれはできるになる。

器用だとかセンスがあるとか言われてる人も実は影でめちゃめちゃ努力しているかもしれない。それを【センス】の一言で片付けてしまうのはどうなのか。何もしていないでできる人なんていないんじゃないかとおもいます。


そして美容師になってからもできるようになるまでやるという気持ちで6年間過ごしてきました。
今までは「センスがないね」「不器用だね」と言われ続けていたのに、最近は「センスあるね」「器用だよね」と言われることが出てきました。


冗談じゃない。
私だけは私のしてきたことを知っています。
今も昔もこれからも、変わらずにできるようになるまで、目的を達成するまでやるだけです。
「センス」じゃない「継続」です。


【センス】が嫌いです。


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