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自由に生きていくことは、

生きていく上で、仕事をする理由を、
一体どれだけの人が見つけているのだろう。

私は昔、お芝居を習っていた。お芝居は、私という個人から切り離されて、まったく別の人格になれる唯一の瞬間だった。
その時間だけは、私は誰でもない、私になれたのだ。
そこには何者にも縛られない自由があり、
何者も寄せ付けない世界が広がっていた。

けれど、仕事をするようになったとき、私は自由な生き方を捨てた。
演者をしていたころ、お金はなかった。けれど、私はとても自由だった。
毎日自由に写真を撮り、自由に語学を学び、より感性を高めたくて美術館に足を運び、海を眺めに行っていた。
自分だけの時間を、有意義に過ごしていた。

けれど、実際に会社員として働き始めて、自由な時間はことごとく消え、そこには対価としてお金だけが残った。
金銭的に満たされても、心は満たされなかった。

日本という社会は、働き方に対する考えを、改めようと努力しない。
集団組織の中で、働くことに疲れて心を殺されている労働者が何人いるだろう。数えきれないくらいのストレスと、日々戦い続けなければならないのは、何故だろう。
どうしてもっと柔軟な働き方の提案が出来ないのだろう。

それは、今、私が働いている組織でも同じで、幾度となく改善を訴えても、上層部の意識は何も変わらなかった。

私は、人々はもっと自由に働くべきだと、常々思っている。

「100人いたら、100通りの働き方がある」

サイボウズ株式会社の言葉である。
この言葉を、もっと広めていくにはどうしたらいいだろう。
結婚、出産、子育て、介護、
それぞれのライフステージにあわせた働き方をもっと広めていきたい。
その考えを、価値観を、特別ではなく「普通」のものにしていきたい。

誰にもやりたいことがあるように、叶えたいことがあるように、
挑戦していきたいことがあるように、その背中を押せるような働き方を私も作っていきたい。

少しでも、人々の暮らしがより良いものになる、そんな仕事をしていきたい。


彼方

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