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愛について教えてください

極彩色の愛を見るといつも私は圧倒されて自分がちっぽけな存在に思える。私も絵の具を全部ごちゃ混ぜにしたみたいなカラフルな愛で誰かを包み込みたいと常日頃思っているのに、恋愛とはなかなかこうも上手くいかないもんかねというぐらい上手くいかないものだ。

スーパーのお惣菜を一人で食べる。一人で食べてもめちゃくちゃ美味しい万代やラ・ムーのお惣菜。でも私はスーパーのお惣菜を誰かと分け合うようなささやかな幸せの日々を切望している。一人でたくさん食べて腹を満たす事はできても、大好きな人と分け合って食べて心を満たすことには辿り着かないのだから。「こっちの方が大きいよ、こっちあげるよ。」大きい方を大切な人に譲れる優しさが、私にはまだあるのだろうか。

今日見た朝焼けは本当に綺麗だった。太陽の薄橙と空の水色のグラデーションがどこまでも広がっていて、この景色を見ている私はなんて幸せなんだろうなと思った。朝焼けの写真をパシャリと撮って大好きな人に「これ見て!」と送りつけたい。夏目漱石がI love youを「月が綺麗ですね。」と訳したと言われているのは、きっと美しい自然の景色を共有したいと思う瞬間こそ、愛が溢れ出す契機だからかもしれない。

愛や恋について誰よりも考えている。誰よりも考えているけれど、私は愛や恋について一番遠いところで毎日マッチングアプリを眺めているんだろう。あ、誰かとマッチしたみたいだ。

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