『補助金』と『助成金』の違いは本当にあるのか?
こんにちは!補助金コンサルタントの田中です。今日は、多くの方から質問を受ける『補助金』と『助成金』の違いについて、初心者の皆さんにも分かりやすく解説していきます。
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はじめに
「うちの会社でも補助金や助成金が使えるかもしれない。でも、補助金と助成金って何が違うんだろう?」
このように考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。補助金と助成金は、どちらも国や地方自治体から支給される返済不要のお金です。しかし、その特徴や申請方法には大きな違いがあります。
本記事では、補助金と助成金の違いについて、わかりやすく解説していきます。これらの制度を正しく理解することで、自社にとって最適な資金調達方法を見つけることができるでしょう。
補助金とは
まずは補助金について説明しましょう。補助金は主に経済産業省が管轄する制度で、新規事業の立ち上げや研究開発、設備投資などを支援するために交付されます。
「補助金って、どんな時に使えるの?」
例えば、以下のような場合に補助金を活用できる可能性があります。
新商品の開発
生産設備の導入
販路拡大のための展示会出展
ITシステムの導入
海外進出
補助金の特徴として、以下の点が挙げられます。
1. 競争的な審査がある
補助金は、申請さえすれば必ず受給できるわけではありません。多くの場合、書類審査や面接審査があり、審査を通過した事業者のみが交付を受けられます。
「じゃあ、申請しても無駄になることもあるってこと?」
そうですね。補助金の採択率は案件によって異なりますが、10%〜30%程度のケースも珍しくありません。つまり、申請しても採択されない可能性の方が高いのです。
2. 公募期間が限定的
補助金の多くは、年に1回か2回程度の公募期間が設けられます。この期間は通常1ヶ月程度と短いため、常に最新の情報をチェックしておく必要があります。
「公募期間を逃したら、次はいつになるの?」
次の公募まで半年以上待たなければならないケースも多いです。ですので、事前に情報収集をして、準備を整えておくことが重要です。
3. 支給額が比較的大きい
補助金は、数百万円から数千万円規模の支給額が設定されているものも少なくありません。大規模な事業や設備投資を行う際には、大きな助けとなるでしょう。
4. 事後精算が基本
補助金は原則として、事業完了後に精算払いとなります。つまり、一旦は自己資金で事業を実施し、後から補助金が支給される仕組みです。
「え? じゃあ、最初にお金がないと使えないってこと?」
その通りです。補助金を活用する際は、事業実施に必要な資金を事前に確保しておく必要があります。これは、補助金を利用する上で大きな注意点の一つです。
助成金とは
次に、助成金について説明しましょう。助成金は主に厚生労働省が管轄する制度で、雇用の促進や労働環境の改善、従業員の能力開発などを支援するために交付されます。
「助成金は、どんな時に使えるの?」
例えば、以下のような場合に助成金を活用できる可能性があります。
新たに従業員を雇用する
従業員の職業訓練を実施する
従業員の働き方改革を推進する
育児・介護と仕事の両立を支援する
従業員の健康管理を強化する
助成金の特徴として、以下の点が挙げられます。
1. 要件を満たせば原則支給
助成金は、定められた要件を満たしていれば、原則として支給されます。補助金のような競争的な審査はありません。
「じゃあ、要件さえ満たせば確実にもらえるってこと?」
基本的にはそうです。ただし、予算に限りがあるため、予算枠を超えた場合は支給されないこともあります。早めの申請を心がけましょう。
2. 通年で申請可能
多くの助成金は、年間を通じて申請を受け付けています。補助金のように限られた公募期間を気にする必要がありません。
「いつでも申請できるなんて、使いやすそうだね」
そうですね。ただし、制度が突然変更されたり、予算がなくなったりすることもあるので、申請を検討している場合は早めに行動することをおすすめします。
3. 支給額は比較的小さい
助成金の支給額は、数十万円から数百万円程度のものが多いです。補助金と比べると小規模ですが、雇用や労働環境の改善には十分な金額といえるでしょう。
4. 事前に支給されるケースもある
助成金の中には、事業開始前に一部が支給されるものもあります。これは、資金繰りの面で大きなメリットとなります。
「それは助かるね。でも、全額もらえるわけじゃないんだ」
その通りです。残りの金額は、事業完了後に精算払いとなるケースがほとんどです。
補助金と助成金の主な違い
ここまで補助金と助成金について説明してきましたが、ここで改めて両者の違いをまとめてみましょう。
管轄省庁
補助金 主に経済産業省
助成金 主に厚生労働省
支援の目的
補助金 事業の発展や新規事業の立ち上げ
助成金 雇用の促進や労働環境の改善
審査方法
補助金 競争的な審査あり
助成金 要件を満たせば原則支給
申請期間
補助金 限定的な公募期間
助成金 通年で申請可能なものが多い
支給額
補助金 比較的大きい(数百万円〜数千万円)
助成金 比較的小さい(数十万円〜数百万円)
支給のタイミング
補助金 事後精算が基本
助成金 事前支給のケースもあり
「なるほど。補助金と助成金って、こんなに違うんだね」
そうですね。どちらも魅力的な制度ですが、自社の状況や目的によって使い分けることが大切です。
補助金・助成金を活用する際の注意点
補助金や助成金を活用する際は、以下の点に注意しましょう。
1. 申請書類の作成は慎重に
補助金も助成金も、申請書類の作成が重要です。特に補助金の場合、審査に通過するかどうかは申請書の出来栄えに大きく左右されます。
「申請書って、どうやって書けばいいの?」
専門的な知識や経験が必要なため、初めて申請する場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。中小企業診断士や行政書士、社会保険労務士などに相談するとよいでしょう。
2. 事業計画は現実的に
補助金や助成金を申請する際は、実現可能な事業計画を立てることが重要です。過大な目標を掲げて、結果的に達成できないというケースは避けましょう。
「でも、大きな目標の方が採択されやすいんじゃない?」
確かにそう思われがちですが、実は逆です。審査員は、計画の実現可能性も重視します。現実的で具体的な計画を立てることが、採択への近道となります。
3. 資金繰りに注意
補助金も助成金も、基本的に事後精算です。そのため、事業実施に必要な資金を事前に確保しておく必要があります。
「資金がないと、補助金も助成金も使えないってこと?」
そうですね。ただ、銀行融資と組み合わせて活用する方法もあります。例えば、補助金の交付決定通知書を銀行に提示することで、融資を受けやすくなるケースもあります。
4. 使途は厳格に管理
補助金や助成金は、申請時の計画に沿って使用する必要があります。目的外の使用は不正受給とみなされ、返還を求められる可能性があります。
「怖いね。でも、ちょっとくらいなら大丈夫でしょ?」
いいえ、絶対にNGです。補助金や助成金の不正受給は、刑事罰の対象にもなりかねません。使途については、細心の注意を払いましょう。
5. 書類は適切に保管
補助金や助成金を受給した後も、関連書類は適切に保管しておく必要があります。多くの場合、5年間の保管が義務付けられています。
「なぜ、そんなに長く保管しなきゃいけないの?」
事後的な調査や監査が行われる可能性があるからです。書類が提出できないと、補助金や助成金の返還を求められることもあります。
まとめ
補助金と助成金は、中小企業にとって非常に有用な制度です。しかし、その特徴や申請方法には大きな違いがあります。自社の状況や目的に合わせて、適切な制度を選択することが重要です。
「補助金と助成金の違いがよくわかったよ。でも、実際に申請するのは難しそうだな...」
確かに、初めて申請する場合は戸惑うことも多いでしょう。しかし、適切に活用すれば、事業の成長や雇用環境の改善に大きく貢献します。
難しく感じる場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。補助金コンサルタントや中小企業診断士、社会保険労務士などの専門家は、申請書類の作成から事業計画の立案まで、幅広くサポートしてくれます。
補助金や助成金を上手に活用して、自社の成長につなげていきましょう。
「よし、うちの会社でも挑戦してみよう!」と思った方は、ぜひお問合せしてください!