サッカー日本代表おもひでポロポロ
私はドーハの悲劇を目撃してから、サッカー日本代表の熱烈ファンになった。
先日若干18歳という若さで銀河一のクラブ、レアル・マドリードのトップチームデビュー(強化試合だが)を果たした久保建英くんを見て日本サッカーも遂にここまで来たかと感慨にふけってしまったついでに、自分の中の日本代表への思い出をまとめてみることにした。
1993年ドーハの悲劇はサッカーにさほど興味を持ってなかった当時の私でさえも唖然とさせるには充分な衝撃だった。
疲労困憊のカズが必死に伸ばした足をすり抜けて上がったクロス。
高い打点のヘッドからゆっくりとゴールへ吸い込まれていきキーパー松永は見送った。
全てがスローモーションに見え、走馬灯を見ているかのような錯覚に駆られた、あの夢を打ち砕く同点ゴール。
ラモスと中山が崩れ落ちるシーンを何度か夢に見た。
それから4年もの月日が流れた、、、
1997年ジョホールバル
岡野が外しまくって日本中の8割5分の人間があれは俺にも決めれる!!なにをやってるんだ!!この猿人類がぁぁ!!!
と頭皮から血が出るほど掻き毟り発狂し日本中がコンフュ状態の中。
最後の最後にその岡野がW杯を決めた瞬間、土砂降りの雨の中に飛び出し一升瓶の焼酎を頭から被って知らない人と抱き合い雨と芋焼酎でグショグショの発狂絶頂狂喜乱舞。
後に川平慈英が揉みくちゃで大泣きしてた映像を初めて観た時、喜びで放心状態の人間の目とはかくなるものやと勉強になった。
ジェロニモのアパッチの雄叫びに勝る程、人生において1番雄叫びをあげた、1997年ジョホールバル。
1998年フランスW杯
W杯という舞台の大きさ、世界に触れた日本サッカーの大航海時代の幕開け。
カズと北沢の選外に衝撃を受ける。
岡ちゃん何でやねん!どこ見とんねん!メガネの度数ナンボや!?牛乳瓶の底くり抜いとんちゃうんかい!?とつっこむ私がいた。
が、この事件があったからこそカズは2019年現在も未だに現役なのであろう。ドラマである。
日本スポーツ界一の人間ドラマである。
会見のカズのコメント。魂は置いてきた。と。何故そんな事が言える!?未だに泣けてくる。歴史の中に名言ありである。
そして本番。アルゼンチンのバティ、クロアチアのシュケルなど、世界の名プレイヤーのクオリティに粉砕された僅かな自信。
城へのぶっかけ卵事件に日本サッカー熱の炎を見た。
骨折しながらも泥臭くこじ開けた中山のW杯初ゴールを両まなこに焼き付けた1998年フランスW杯。
2002年日韓W杯
規律と闘争心を植え付け、戦える集団を育て上げたトルシエ。
鼻が折れてフェイスガードをしてもイケメンはイケメンなんだよ。
ツネ様がフェイスガードの奥から凛とした目でそう言っていた。
白いフェイスガードをマジックで黒く塗ってたらしい。なんだよそのエピソード。母性をくすぐられた女子は多かったであろうな。チクショー!イケメンめ!
いやいや本番である。鈴木が必死に伸ばした足にボールが触れ、転がっていったあの数秒、日本全土が揺れたような気さえしたベルギー戦。
稲本が左足で蹴り込んだ歴史的な初勝利のロシア戦。人生が変わる瞬間って一瞬なんだと気付かされた。
グループリーグ突破からが本番だと思い知らされたトルコ戦。
フローラン ダバディ氏の涙に貰い泣きしたサッカー狂騒絶頂2002年日韓W杯。
2006年ドイツW杯
中田、中村、稲本、小野という黄金の中盤を擁し、満を持して就任したジーコ。
W杯に辿り着くまでの道なりは平坦ではなかったものの、これまでとはひと味もふた味も違う強さを世界に知らしめ、サッカー人気を不動のものとしていったゴールデンエイジの集大成。
直前の強化試合でドイツDFをキリキリ舞いさせた高原の2ゴールにベスト8の夢を見、オーストラリア戦でケーヒルに無惨に打ち砕かれた。
ブラジル戦は玉田の先制ゴールに微かな希望を見るも、本気のブラジルにズタズタにしてやられ、ピッチに大の字で天を見上げる中田と共に涙に打ちひしがれた2006年ドイツW杯。
2010年南アフリカW杯
日本らしいサッカーを模索し始めた日本サッカー界。オシムの金言に学び、着実に地力をつけてきたかに思えた。
が、病に倒れ、プロジェクト一旦は頓挫した。
更にゴールデンエイジが打ちのめされ、サッカー人気に少しの陰りが見えていた。
そんな中、期待されていなかった谷間の世代に突如として出現したニュータイプ本田。
時に自己中にも思えるそのキャラの裏には自分自身にプレッシャーをかける後出し実現作戦というこれまでの日本人像を破壊する戦略であった。
中澤と闘莉王の闘争心がゴールに鍵をかけ、有言後出し実行の持ってる男、本田圭佑の脅威のFKに全身が震えたベルギー戦。
ベスト8に最も近づきPK戦で朽ち果てたパラグアイ戦。
ボロボロの駒野を慰めるボロボロの松井の涙に涙腺大決壊の2010年南アフリカW杯。
2014年ブラジルW杯
本田、香川、長友、岡崎と世界のビッグクラブで活躍するビッグ4。
ザッケローニという日本代表監督の中で最も愛されたキャラクターに率いられ、ビッグマウスに後から現実を合わせる有言後出し実行の新人類達が日本に夢を見せてくれた。
香川のセンセーショナルな活躍と長友の嘘のようなインテルでの活躍に夢は膨らんでいった。
本番。
コートジボワール戦、本田の先制ゴールに六本木のスポーツバーは狂喜乱舞するも、ドログバの王者の覇気と圧巻プレーに撃沈させられる。
退場者を出したギリシャに勝てず、ハメスに余裕のループを決められた瞬間、世界がまた遠のいたと感じた2014年ブラジルW杯。
2018年ロシアW杯
直前の強化試合でのゴタゴタ。チーム内破茶滅茶。
W杯本番2カ月前の監督交代劇に日本中の8割5分は予選敗退を予想。
出場をイタリア代表と変われなどと言う輩も出てくるほどの圧倒的な不人気な日本代表。
W杯連続出場の中で恐らく最も期待されていなかったであろう。
しかしながら我が地元の英雄、半端ない漢がやってのけた。大迫勇也である。
私は彼が選手権で決勝を戦った試合を観に行った。あの頃から半端なかった。
鹿児島の応援団も半端なかった。頼んでもないのに無料の芋焼酎のお湯割が回ってくるのである。ほら!呑まんね!呑まんねー!
呑まんとまくっど(負けるぞ)
地元を出て10年以上経っている。少しの郷愁に駆られた。名言とは魂の叫びに宿るものだと感心したのを思い出した。半端ないって!
そしてコロンビアからもぎ取ったのである。
決勝ゴールを。
物議を生んだポーランド戦を経て日本サッカー史に燦然と輝くであろうベルギー戦。
原口の先制ゴールに思わずひっくり返り。
乾のスーパーミドルに近所迷惑顧みずシャウトした矢先のアンラッキーゴール。
嫌な予感がした。
そして魔の14秒。全てが冗談のようで、固まって暫く動けなかった。終わったのか、、、?終わってしまったのだと腰を上げるまで何分掛かったであろうか。
昌子源が芝を叩いて悔しがる姿を見て我に返った。
そして何度も頷きながら涙を流しながら拍手を送っていた。
さらば本田。さらば長谷部。
日本のキャプテンよ。貴方は最高だ。
そして、新たな船を漕ぐ。