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知らねえ街、大阪!
「なんでやねん」が、テレビの中の言葉じゃないことを知った。
大阪という街は、何も知らない私をゆっくりと飲み込んでいく。
東京に配属されるとばかり思っていた、大学4年生の自分。
スーモの縮尺がぎゅーんと大きくなる。大阪、大阪? 私がですか?
居住移転の自由って憲法にあったような〜、と思いながら、新幹線に乗り込んだ日を思い出す。初めての仕事、知らねえ街で知らねえ人と過ごすことが、あまりにも怖くて毎日泣いていた。
Instagramには、東京に住む同級生の「東京は楽しい」に溢れていて、眩しかった。
中学生くらいから大学2年生くらいまで、東京旅行に行った帰りは、決まって新幹線のホームで泣いていた。
在来線に乗る人々が羨ましかった。東京は、この人たちのものだから。
私も東京が欲しかった。狭い東京の6畳でも、自分のものにしたかった。東京に憧れるなんて田舎者全開? うん、当たってる!
狭い狭い大阪の7畳が、自分のものになった。スーモで見ていた東京を自分のものにする代金より、1万円くらい安く済んだ。
大阪の空は、ちゃんと丸かった。たくさんビルが立っているのに、空が広かった。東京の空は四角いけど、大阪の空はいつもふわふわと形を変えていて飽きない。
御堂筋はなんで一方通行なの?大阪駅と梅田と西梅田と東梅田は何が違うの?
ルクア…いち、い、、なんて読むの?ドンキの観覧車って乗れるの?堀江って東京で言うとどこ?なんばってひらがな、口の中に転がしたい。
大阪に夢中になっていった。
もう、大阪で死んでもいいかなー、なんて思って、さ。
東京が全てだと思っていた、中学生の私よ。絶対東京に行くと誓っていた、高校生の私よ。
あまり、足掻くな。そのままでいろ。なぜなら、大阪に来る未来が変わったら、ちょっと困るから。