#67 「本当にありがとうございます」を素直に受け取れないときは、きっと疲れている
本当にありがとうございます。
ほんっとうにありがとうございます。
あおさんがいてくれて助かりました。
そんな言葉を何度ももらったのに、それじゃまたとお互い踵を返した瞬間から私の一人反省会が始まる。
わかってる、悪いクセだ。もうずいぶんポジティブになったと思っていたのに、やっぱり簡単にはこの性格は変わらない。
性格を変えるというよりは、この反省会はどうやっても始まるものと認識して、いかに上手にボイコットできるかを考えた方が建設的かもしれない。
ありがとうございましたと言う相手の言葉に嘘がないことはわかっているのに、それ以上何を求めるんだろう?
「ああは言ったけど、私のいないところで『あの人ってさ…』と陰口を叩くに違いない…」
これだ。私の本心は。
陰口を叩かれるほど悪いこともしていないし、性格にくせがあると言っても表に出ているのはせいぜい十人並みのどうでもいいものだ。
自意識過剰というのはナルシスト的なものを指してを言うのだと思っていたけれど、「あの人は私の悪口を言うに違いない」という気持ちも自意識過剰のひとつなのだと、随分と後になってから知った。
仕方がない。こうなったときはしばらく使い物にならないと割り切ろう。
ミーティングの後。大勢が集まる会場から帰って来た後。定期的に会うのとは違う人と立ち話をした後。
死ぬまでこんなんじゃ、寿命よりも先に心身がだめになってしまう。生きる屍にはなりたくない。でもこういう人間はつらいつらいと言いながら案外長々と生き続けるのだ。なんと面倒な存在であることか。
元気がないと、しょうもないことばかり考える。なんでこんな性格なのか。どうしてそんな些細なことで落ち込むのか。朝、久々に見たperfumeのPVでぼろ泣きしたので、とりあえず疲れていることははっきりとわかる。幸いなのは、疲れているのを認識できていることだ。
世の中、疑わなくても済むようなことばかりだったらなあ。それじゃ生きていけないよと諭されるのは重々承知しているのだけど、絵空事とわかっているので今だけは弱音を吐かせてほしい。
嘘偽りのない感謝の気持ちを、気持ち良く受け取って終わりに出来るくらいの余裕が欲しい。
私だけの話だと勝手に決めつけて一人で憂鬱な気持ちになっていたけど、一人反省会って割と良く聞く単語だ。
私だけじゃない。「本当にありがとうございます」を素直に受け取れないときは、きっとみんなへとへとに疲れてるんだ。先週ちょっと働き過ぎたんじゃないですか。休むタイミング逃してるんじゃないですか。ねえ、多分、そういうことですよね。
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