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寺山修司展の話
世田谷文学館で開催中の寺山修司展に行ってきた!
京王線沿線って滅多に来ないんだけど、独特の空気感がある。
落ち着いた住宅街。
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木漏れ日が気持ちいい。
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サブカル好きな兄の影響で、寺山作品をひと通り読み漁り、田園に死す(映画版)を観て衝撃を受け、iPodに入れたJ.A.シーザーやカルメン・マキ、果ては薔薇門を聴きながら学校へ通っていた私。
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10代後半の多感な時期に寺山作品に触れて育ったので、何もかもがたまらん〜!
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わりとこじんまりとしたエリアの展示だったのでサラッと流して見ている人が多い中、自筆の原稿や手紙、ハガキなどの展示、一つ一つ読んでたらめちゃ面白かった!
寺山の独特な丸っこさと角張りがある字、なんか良いよなぁ。
自他共に認める手紙魔だったという寺山。
山手メディカルセンターに入院していたとき、いろんな人に増えすぎたグッピィをもらってほしいことをめっちゃ頼んでるの笑った。
天井桟敷の共同住宅でのエピソードも面白かった〜
・全国から家出してきた少年少女が集っていたため駅からマンションまでは「家出通り」と呼ばれていた
・寺山は大の風呂嫌いで風呂に入ると一日寿命が縮むと言っていた
・せむし男の演出に使う100匹のネズミを蛍光ピンクに塗って即死!
・美輪さん(まだ丸山明宏)「毛皮のマリー」のために28万のジバンシイのドレスを自腹で買って登場。もうこのときから演者写真の中でひときわ異彩を放ってる!
・留守電は1日14件しか録音できないのに14件全て横尾忠則の歌で埋まってしまった
とか。
・浅利慶太に
「寺山くんは異常で不思議な青年だ」と言われる
(血は立ったまま眠っているって劇団四季で演ったんだね!)
・新宿の街をそのまま舞台にした演劇→今の新宿の街と地図を照らし合わせながら見るといろいろ面白い。
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撮影OKなのはここのバナーのエリアのみ。
特に好きなのは、
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
ほどかれて少女の髪にむすばれし葬儀の花の花ことばかな
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寺山修司の言葉の選び方って、なんとも言えず切ない気持ちになってとても好き。
・劇場があって演劇が始まるのではない。
劇が演じられると、劇場になるのである。
・不幸な物語のあとには、必ず幸福な物語が出番を待っています。
・この世で一番遠い場所は自分の心である
・わたしは、「思い出されるような奴」よりも、「忘れられない奴」になるべきだと思います。
・見ることはなによりも質問である
その回答は世界である
・さよならだけが人生だ
・さよならだけが人生なら、また来る春は何だろう。
言葉が、時代を超えてずっと瑞々しいからすごい。
じっくり堪能できて楽しかった!
何の事前情報もなくたまたま上演してたのを観れたムットーニコレクション(からくり人形作家)が中原中也のサーカスだったのがこれまた良かった。
幾時代かがありまして、で始まった瞬間これはッ!ってなった。教科書に載ってたよね、覚えてるもんだな。観客がイワシになってるの。
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん。
家に帰って本棚を見返してみたら、実家から持って来てた寺山修司はこの3冊だった。
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また読み返したい。
お土産コーナーに「家出のするめ」っていうするめが売ってたから買えばよかったと今更すこし後悔している。
そして
このあとサウナへ!長くなったのでその話は次回~。
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