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10年前のわたしへ。の話

メールボックスの容量がいっぱいだ。
ストレージ管理をしろという通知がずっと消えない。

容量を増やすための課金は絶対にしたくない民なので、不要なメールを削除することにした。

面白くて取ってあった芸能人に成りすました迷惑メール(旧ジャニーズやLDH系の人のなりすまし一時期流行ったことない?)、当時少しだけお付き合いめいた関係にあった人をこっぴどく振ったメールや(改めて読み返すとまじでかわいそうだったw)、あとはメルマガであふれた受信メールをあらかた消去しても、まだまだ空かないストレージ。
更に送信メールボックスを遡って見てみた。

そこには、がむしゃらに働いていた2014年の私がいた。

当時は出張の際に、提出する日報を帰りの新幹線の中でメールで打ち込んでいた。その日の行動と商談内容と所感などをまとめた文章。

朝5時に起きて、6時台の新幹線に乗って東京へ。
もろもろの仕事をこなして、
夜は23時台の新幹線に乗って帰ってくる。
駅から車で家まで帰る。
家に着く頃、だいたい日付は変わっていた。

そんな生活を何年か続けて、東京に転勤。
無我夢中で働いて、生活を続けて。

コロナが蔓延し始める少し前。
社内での人間関係の拗れも相まって、私は主に精神的に最悪の状況に陥っていた。
そして会社から逃げるように退職したけど、その直前のメールは悲痛な叫びとも取れる独り言のような文章だった。

完全に病んでたなぁ。

ワシらの時代は大変だったんじゃ!と苦労自慢をするような老害になりたいわけじゃない。
ただ、あの頃の自分を振り返って哀れに思う。

あの時必死で頑張っていた自分を抱きしめてあげたい。
あなたは何にも悪くない。
そんなに頑張らないで。
自分を犠牲にする必要なんてないよ。

大丈夫だから。あなたの未来はちゃんと明るいよ。

当時は目の前のことでいっぱいいっぱいで、未来のことなんて考えることは無かった。(別に今も先のことは考えていないけど。)
でもあのときは想像もできなかった未来を今生きている。
年齢を重ねて自分のこともわかってきて、少しずつ生きやすくなってきた。
周りに助けを求めることもできるようになったし、わがままも言えるようになった。(言い過ぎないように気をつけようと思うぐらい)

怨念のようなメールをどさっと消してゴミ箱も中も空っぽにしたら、少しだけストレージに余裕ができて通知も消えた。
なんだか心も軽くなった。

これからもっともっと生きやすくなるように、自分の心の声にちゃんと耳を傾けてあげたい。


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