装いの力‐異性装の日本史
松濤美術館にて開催中のこちら
会社近くの道端の掲示板(!)で見かけて気になっていた展示。
余談ですけど、
何回見ても”装いのカー(かー)”って読めるんだけどwなんで伸ばし棒入れた?入れるならなんで漢字にした?っていう疑問を握りしめながら初訪問の松濤美術館へ。
展示内容としては、前半が江戸時代ぐらいまでの日本の歴史的なものをみっちり見せてくれて、後半で明治〜近代のカルチャーをざっと紹介する感じ。
もともと和物は正直あんまり興味が無かったんだけど、日本における異性装の歴史といえばやはり歌舞伎とかは外せないし、なんてったってヤマトタケルから始まってんだから!!
明治時代、異性装は法令違反で捕まってたとか初耳。厳ィ〜!!
そんな時代に戸籍制度が始まったのよ、それをまだ引きずってる日本って…明治時代なんて150年前だし、選択制夫婦別姓ぐらいそろそろいい加減どうにかしてくれよって話だよね?
時代止まりすぎだぜ日本!
…話逸れたけども。
そんでもってセーラー服は異性装。
そうじゃんね、元々男性の軍服なんだし
そう思うと、服装の男女の差って刷り込みでしかないんだよねぇ。。
高畑華宵の描く性別を超越した美しい人物画や、リボンの騎士、ベルサイユのばらに見られる異性装のヒロインの強さと美しさ。
橘小夢の描いた「澤村田之助」も美しかった。
この人物を私は知らなかったんだけど、歌舞伎の女形で病気で四肢切断、34歳で死去、、でもその儚さのせいなのか、妖艶すぎて、、
タカラヅカとかもそうだけど、異性装の人たちって不思議な魅力があって惹かれるのよね。
私的には「薔薇門」のレコードが見られたのが胸アツでした。
(このあたり寺山修司界隈のサブカル音楽にハマってたハタチぐらいのときipodに入れてずっと聴いてた。どんなんw)
あと「薔薇の葬列」のインタビュー映像も、なんか今見てもオシャレ感があって良かった!
近代では森村泰昌。
女装のポートレート作品が有名ね。これらは中学生ぐらいのときに新日曜美術館で見てまあまあな衝撃を受けた記憶。まとめていくつも見られたのが面白かった。
そしてダムタイプの映像とDIAMONDS ARE FOREVERのインスタレーションによるドラァグクイーンのコーナー!
展示の最後の奥の小部屋に作られた小宇宙。ギラギラしててぶっ飛んでて、ロケットに乗ってしゅっぱーつ!みたいなのめちゃハッピーで思わず笑みが。やりすぎの美学!
そんなこんなで長ーい日本の歴史をまるっと辿って、なんだか短い旅のようだった。
(読むところが多くてまあまあ疲れたw)
きらびやかで美しくて、現実と非現実が混ざり合ったなんとも不思議な世界に迷い込んだような。
異性装は古くは身を守り生き抜くことの術でもあったし、ただ単純に趣味としての側面もあったり。
男らしさ、女らしさ、、らしさって、普通って、何?
"らしさ"に縛られることを苦痛に感じている人もいる一方で、あえて"らしさ"を表現することによって魅力を増す人もいて。
人の数だけ性があるって、ほんとにそうだよなぁ〜…ってことを考えさせる面白い展示だった!勝手な刷り込みによって考えることを停止しているその他大勢にはなりたくないよなぁと。
お客さんもオシャレな人が多くて(女装家さんかなと思わしき方もいたり)、さすが多様性の街、渋谷!この場所で開催される意味もあるなと思ったよ。
会期は10月30日までで、会期中は作品の入れ替えもあるみたい。
たくさんの人に見てもらいたい展示でした!