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マルジェラが語る"マルタン・マルジェラ"の話
公開初日に仕事終わりに観に行ってきたよー。
ベタにTabiブーツ履いて笑
初めて聞く、マルタン・マルジェラ本人の肉声。落ち着いた語り口から滲み出る穏やかで真面目そうな人柄。
作品から思ってたアバンギャルドで攻撃的なイメージと違ってた。
几帳面そうな繊細な手先の動きと、もじゃもじゃの腕毛。
初めて語るマルジェラ本人の生い立ち。
家が理髪店で、おばあちゃんに教えてもらって初めて作ったというバービーの服がもう既にマルジェラ〜!
子供の頃に作っていたというスクラップブックがめちゃくちゃ完成度高くて、そのまま商品化できそうだった。
本人は人じゃなくて作品を見て知ってほしいと言ってはいたけど、私は絵でも映像でもなんでも、どんな人がどんなことを考えて作ったのか知りたい人間なので、こういう子供のころのエピソードはとっても興味深かった。
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デビュー当時のコレクションから、ショーの演出も含めて昔っぽさがなくて全然古くないんだよな〜。
既存のセクシーという単純な一言で片付けない、新しい女性の魅力を打ち出したっていうのが大きい。
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表に出ないということ。
作品について語らない。
見た人が感じてくれればいい。
ディレクターという立ち位置じゃなくて、自分で手を動かして創りたいって言ってて、完全に芸術家だなーと。
ファッション界では特に、デザイナーっていう立ち位置がキャラクター化されてブランドビジネスに吸収されがち。
今は服作れなくても知識がなくても、自分のブランドです!なんて簡単に言えちゃう時代だからね。
それも戦略としてはアリなのかもだけど、純粋にもの作りがしたい人には足枷になっちゃう。本当に才能がある人を潰しかねない。
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自分を追い詰めていた
新しい発見のために無理をしていた
あれやってみよう!これやってみたらどう?っいう純粋な気持ちと探究心が彼を生かしていたんだろうな。
今は穏やかに生活できてるみたいで良かったよ。マックイーンの映画みたいに悲しい気持ちにはならなくて。
同じ監督のドリスのドキュメンタリーもなんだか後味良くて、観た後にルンルンでお花買って帰った記憶がある笑
同じマルジェラを題材にした映画でも、「We Margiela」の本人不在の寂しさとは全然違った内容で、純粋にファッションの高揚感を思い出させてくれて終始ワクワクした気持ちにさせてくれる映画。
貴重な初期のコレクション映像が見られたという点だけでも得した気分になった。
早速表紙をビョっと擦って汚してしまった真っ白なパンフレットは、まだちゃんと読んでないので時間のあるときにゆっくり噛み締めようと思う。
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全て語れた?
「いや。」
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