日本人が自分で決めなければならないこと
昨日、ちょっときっかけがあって思い出したのですが、
私は以前「植物の茎から繊維を取り出して糸を作る」というのにすごく凝ったことがあります。
確か、4年前くらいのことです。そのころ体のいたるところに発疹ができる「アトピー」と言われる症状に悩まされていた私が、
体と環境に優しい衣服を求めているうちに、たどり着いたことでした。
そこらへんに生えている雑草である苧麻(ちょま)や葛(くず)を採ってきて試行錯誤していたのですが、独学でやることの限界を感じて、そういうことを教えてくれる講座をさがして受けに行きました。
たまたまそれが大麻から糸を作る講座でした。
それが「日本の麻」との出会いになり、そこで私は日本では麻の栽培許可を取るのがとても大変なことや、危ない薬物であるといったイメージが奇妙なやり方でなすりつけられていることを知りました。
そして、麻が日本においてたいへん重要な植物であることも。麻で作った糸はとても丈夫です。日本の生活にはもちろん、神事にも欠かせません。
そして「麻は人を癒す力がある」これは私の独論なのですが。
冒頭のお写真は、大麻の繊維を柔らかくしたものです。これを自分が作りたい糸の細さに裂く過程は、両腕をいっぱいに広げて行います。
力が必要な部分もあります。まるで繊維と格闘しているような作業で、気が付くと部屋中繊維くずがちらかっていて、自分自身が繊維にまみれてしまいます。
これをしていていつも
「まるでおまじないのような作業。大麻の繊維は神通力でもあるのではないか」と思うのです。
大麻の繊維を触るのはいつも夜の就寝前にしています。夜寝る前だと疲れていて考えるのが面倒になっているので、頭が空っぽで手だけ動かして済ませるからです。
翌朝目が覚めるととても体調がよくなっていて、麻のやわらかい繊維のかすかな香りが体中に漂っている感じが残っていて、
何しろ、とても心地がいいのです。
この作業を繰り返しているうちに、何をやっても駄目だったアトピーが、いつの間にか治っていたのでした。
もちろん「麻でアトピーが治る」なんて一概に言えません。手絞りのニンジンジュースも併用していたので、そちらの可能性もあります。
植物の大半は、何かしら人体に影響を与えます。麻には何かしらの薬効があると言ってもいいと思います。
ですが、人体はその人の体質や個性、考え方、そしてそのときの状況によって大きく違うものですから、何が良いかは言い切れません。
ある晩、寝る前の大麻の糸績みの作業をし終わって、片付けて布団を敷いているときにふと、こんなことが頭に浮かびました。
日本人は、大麻に関することは自分たちで考えて決めなければならない
戦後にGHQによって制定された大麻取締法のことです。日本人にとって神通力のある大切な大麻のことだからこそ、他国から強制されるのではなく自分たちで決めなければなりません。
自分のことは、自分が一番よく知っているのですから。
お写真は、自分で作り出した麻糸です。これがけっこうな分量手元にあります。
4年たった今は、材料や麻糸に手を触れることもなくなりましたが、
「断捨離を」と言われている今の時代でも、これだけは捨てられません。
なぜだか寝室にしている和室のまくらもとのテーブルに、大事に置いたままです。
いつでもまた、作業を始められるように。