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【キングオブコント2024・感想・個人的採点】希望の船で、いざ行かん!

 キングオブコント2024がラブレターズの優勝で幕を閉じました。大好きなコンビの優勝はとてもうれしかった。ただ、正直なところ、ラブレターズの優勝は予想外だった。
 それにしても過去4回の決勝、また予選で苦汁をなめてきたラブレターズが優勝したのは、とてもかっこよかった。


ここからは、個人的採点と感想です。

1st ステージ

1.ロングコートダディ『花屋』(93)

 トップバッターでびっくり。ただ、僕は彼らをファイナルに行くと予想していましたので、トップでも大丈夫だろうという安心感をもって見た。
 会話形式のコントだったが、兎さんのキャラもハマって、トップながらに盛り上がったのが印象的。それだけで終わらず、「まだマイナスです」へと持って行ったのが堂前さんのセンスだと感じた。

2.ダンビラムーチョ『四発太鼓』(95)

 めちゃくちゃ面白かった。秋山さんは好きやろなーと思いながら見てたけど、やっぱり。僕もああいうばかばかしいネタ大好きです。
 四発太鼓を最初に3発叩いてしまうくだりはもちろん大爆笑してしまったが、本筋とはあまり関係のない影絵の部分がすごくおもしろかった。
 それに対するフニャオさんの「いらないなあ~」というフニャフニャしたツッコミも最高によかった。

3.シティホテル3号室『テレビショッピング』(93)

 よくある展開でこのままいってしまうのかと思いきや、まんまと裏切られた。やはり、あれくらいの裏切りがないと決勝に上がれないか。レベルが高いからなあ。亮太さんが通販番組の社長顔すぎて、コントに没入できた。
 ただ、コントの構成が綺麗すぎる、シンプルに感じてしまった。山内さんの「全部に理由があって、完璧すぎた」というコメントにも納得。
 完璧すぎるが故に、物足りなさを感じてしまった。

4.や団『休憩時間』(96)

 自分的には、最初の爆発を感じたトリオ。僕は2022の大会でや団を知っただけですが、今年のや団は「集大成」を感じられる出来だった。
 3年目であり、高水準の評価を受けているだけあって、安心の裏打ち。キャラの作り込み、展開の多さ、力業で笑ってしまった。や団の本気を感じられる熱いコントだったと思う。
 個人的には、昨年披露した『演技指導』のコントの方が好みである。灰皿の回転を生放送で披露したあの緊張感・ライブ感は忘れられない。

5.コットン『おままごと』(97)

 めちゃくちゃ面白かった。コットンのことは特段すき・面白いという印象はなかったが、このネタはすごく好き。最高評価。
 子どもの人形劇がドラマのようで、傍観者が引き込まれるというのはいたってシンプルで、ありきたりな設定である。
 ただ、”子ども”と”傍観者”の絡みが少なく、人形劇におじさんが突っ込むという構図がとても面白かった。
 ≪まだ人形劇続けるんだ…≫というワクワク感があって一番引き込まれたコントでした。”絡みの少なさ”から審査員からの評価があまりよくなかったのも理解できる。
 しかし、わかりやすく、おもしろく、オチが盛り上がるという点で、すごく丁寧な構成だったと思う。

6.ニッポンの社長『野球部』(95)

 最大瞬間風速。ここもめちゃくちゃ面白かったし、今大会で一番笑った。そして、一番好み。
 毎年期待を裏切らないニッポンの社長が大好きだ。バイオレンス×天丼というこれぞニッポンの社長というコント。
 同じことの繰り返しで何が来るかわかっていても笑ってしまう一撃の破壊力。声が小さい野球部員をケツ(敬称略)が演じるだけでも面白いのに。BGMが大きすぎて、ケツの声が聞こえないというメタな笑いも大好き。
 オチもバカバカしくてわかりやすい。
 そして、僕が一番好きだったのは、ホームランの『キラーン☆彡』というSE。ほんとにバカバカしい。

7.ファイヤーサンダー『毒舌散歩』(96)

 来ました。優勝候補。『毒舌散歩』という題名だけはずっと知っていて、すごく楽しみだったが、こういう切り口のネタだったとは。
 やっぱり、このコンビは作り込みと構成が巧くて丁寧。
 最初の裏切りだけで1本コントを作るのではなく、どんでん返しの展開もあったのが、今までのファイヤーサンダーよりもレベルアップしてる感があった。
 納得の1位通過。

8.cacao『野球部』(94)

 すごく楽しみにしていたトリオ。なぜか最初、僕が緊張してしまいました。2人しかいない野球部で、部屋練。そのせいでプレーが小さくなってしまうという展開を予想していたが、大きく上回る展開ですごくおもしろかった。
 やってることはシンプルだけど、3人のノリやテンポについていけたらめちゃくちゃ笑ってしまうネタだと感じた。実際すごくおもしろかった。「ワチャワチャ感」がすごく楽しかった。
 友達との遊びの延長って感じがして、すごくジャルジャルを感じた。会場とも噛み合っていたと思う。

9.隣人『チンパンジーとおじいさん』(91)

 おもしろー!でもこの順位になってしまうのもわかる。ずっと一本調子だったからかなあ。1発1発がもっと受けてもいいのになーと感じたり。
 「今すぐ、出ていく、感じですか?」はすごくおもしろかった。また、白浜まで乗り継ぎ2回とかもよかった。そういった小ボケ的なものをたくさん見たかった。
 あと、少し切なかった。音声読み上げの無機質さとか「いやだ」とか。

10.ラブレターズ『光』(94)

 すごく引き込まれるいいコント。お二人の人間力でしょうね。ラブレターズのコントっていやな部分とか、綺麗な部分とかがうまく魅せられていて深みがあるんですよね。
 感動要素が強いけど、しっかり笑いもとれる。ストーリー性の高いコントだったと思う。
 ただ、大笑いポイントは少なかった印象。でも、ラブレターズの熱量に裏打ちされた面白さが、今回は大会の雰囲気にはまったんだと思う。
 空回りしちゃいがちなラブレターズがしっかり評価されてうれしかった。

Final stage

1.ラブレターズ『YOUは何しに海岸へ?』(95)

 面白かったです。ただ、めちゃめちゃゴチャゴチャしてた。でもそれは、ラブレターズがわざとそうしているのでいいのですが。それを含めての空気感・哀愁を持たせられるのは、やはり人間力でしょうねえ。人間味の充満。
 僕は、ジュビロ磐田のことは何も知りません。ニュアンスで笑えたからよかったけど。
 やりたいことやってる感が単純にカッコよかった。

2.ロングコートダディ『アグリの涙』(94)

 すごく攻めたなあーと思った。わかりやすさと新しさを兼ね備えていて面白かった。でも僕は、兎さんの表情を見たかった。
 2018のチョコレートプラネットみたいに、途中から兎さんが出てくる手もあるかと思ったが、最後まで出さないというのは逆に堂前さんの美学だと思う。
 ただ、僕は1本目よりも好き。モニターの使い方も斬新だった。あくまでもモニターはあそこにあるのではなくて、お客さんに向けて。

3.ファイヤーサンダー『野球部と不良』(95)

 魅せ方が巧い。2022のニッポンの社長の一件を踏まえて、暗転明転のネタをここでチョイスしたのには、自信の表れだろう。
 しかし、1本目と比べると弱い部分もあった。1発目の裏切りは面白いが、これ以降は裏切りがなく、その肉付けに終わってしまったから。
 ファイヤーサンダーは各コントで、しっかり裏切りポイントを作ってくれるので、ほんとにハズレがない。今年は悔しい結果だったが、来年以降に絶対優勝できます。

ラブレターズ、おめでとう

 とりあえず、ラブレターズのお二人が報われて本当によかったです。

4回決勝に進出し、4回とも下位に沈んだ過去。
2011年、西岡中学校、7位に終わる。
特に2014年は一騎打ち方式で、犬の心と対決した結果、94対7という惨敗。
2016年では決勝10位。
翌年2017年から5年間、準決勝にすら上がれなかった。
2021年、審査員の入れ替え、共に戦ったロバートやかまいたちが審査員に。
2023年、7年ぶりに決勝進出するも、サルゴリラの後という出順で敗退。
そして、2024年。今年も出番順はトリ。
1点差のギリギリ滑り込みファイナル。
ファイナルステージでも、ネタへのダメ出し。
数多の苦難を乗り越えて、悲願の優勝。ラブレターズってかっこいい。
おめでとう。

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