初めから化物になることを予定されて生まれてきたのか、環境が彼をあのように歪ませてしまったか、今では分る由も無い。どこまで時間を遡ればこの結末を回避できたのだろう。予想しうる分岐点は星の数ほどあれ、然しそのどれもが醜い運命の糸に絡めとられて結局はここへ帰結するのだった。
『おろち』

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