【1年で株価4倍】PKSHAはAI SaaSでパラダイムシフトをもたらすのか
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2024年、日経平均が連日の「史上最高値」を更新するなかで、グロース株は2021年以降の低迷から脱する気配がない。
そのような市況において、唯一 、好調な株価をつけている新興セクターが「AI関連ソフトウェア」企業群だ。
関連各社の株価は、2024年に入り急ピッチで上昇。足元ではやや落ち着きを見せているものの、40,000円超えに沸いた日経平均株価を超えるペースで高値を競ってきた。
この中でもひと際目立ったパフォーマンスをあげているのが「未来のソフトウエアを形にする」をミッションとし、研究開発・ソリューションとAI SaaSの両輪で成長を遂げているPKSHA Technologyだ。
2024年3月末時点の同社のPSR(時価総額/売上高)は10.9倍と上場SaaS企業平均の5.9倍を大きく上回っている。
急ピッチで上昇する株価は「AIバブル」か、それとも、正当な評価か。
代表取締役社長の上野山氏は「AIがエンデベットされたソフトウェアの評価は既存のSaaS指標だけで測れるものではなく、今後あらゆる業務に広がりを見せる」とAIの広大なポテンシャルを見据えている。
PKSHAが提唱する「未来のソフトウェア」は私たちの業務にパラダイムシフトをもたらすのか。
Next SaaS Media 「Primary」では、上野山氏への単独インタビューを通じ、AI時代のソフトウェアのあり方を探っていく。
PKSHAプロダクトの強さは「循環」によって生み出される
この数年、ChatGPTやStable Diffusionなど個人でも利用可能な生成AIが注目を集める中で、企業の業務システムにおいても、AIが着実に浸透し始めている。
FAQ、チャットボット、OCR、議事録作成などの領域においては、AIを搭載したSaaSプロダクトによって飛躍的な業務改善が見られ、成長市場が誕生した。
このようななか、PKSHA Technology(以下:PKSHA)は、「顧客接点」「社内接点」といったコミュニケーション領域を中心に研究開発・ソリューションやSaaS型のソフトウェアを提供し、売り上げは139億円、ARRベースでは60億円を越える規模に達している。
PKSHAは東京大学松尾研究室出身の上野山氏を中心とする先端情報技術の研究を行う技術者・研究者が2012年に設立したスタートアップだ。
創業からIPOに至るまでは、研究開発、ソリューション事業で拡大、その後、独自のアルゴリズムやソフトウェアをSaaSに進化させ、グロースを加速させてきた。
PKSHAの強みは、この「研究開発」「ソリューション」「SaaS」の3レイヤーにおいて、データや製品開発のフィードバックがループすることで、高付加価値をつくるサイクルが生み出されている点にある。
優れたアルゴリズムの創出が、エンタープライズへのソリューション提供を可能にし、そこで生まれたモデルをSaaSとして展開。さらにプロダクトから得られたデータがソリューションや、研究開発に活用され、より精度が向上する。
このようなプロセスを経て生み出されたカスタマーサポート業務向けの「PKSHA AI Suite for Contact Center」は、「チャットボット」「ボイスボット」「FAQナレッジ管理」といったカテゴリーで市場シェアの首位*を獲得するなど、AIの社会実装を進めてきた。
ここからは、実際に上野山氏に話を聞いていく 。
*富士キメラ総研「顧客接点・CX変革ソリューション市場分析 2023年版」調べ
AIを企業に届ける主体は誰が担うのか
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