アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺
by 輪津 直美
最近、最後まで見ないドラマや映画が多い。だから、ここにも書けないでいた。このままでは一生書けないかもしれないので、途中までしか見ていないものについても書いてみようと思う。
で、このドラマだが、ヴェルサーチには興味がないので彼が殺されたということもすっかり忘れていた。でも、続き物のドラマになるほどの物語が隠されているのなら見てみようか、と思ったのだ。
オープニングの7分は、「アルビノーニのアダージョ」の旋律が盛り上がると共に、映像も段々と緊張感を増して盛り上がっていき、タイトルロールが流れる直前で第1のクライマックスを迎える、というものであったが、私はそこで「もういいや」と思ってしまった。
音楽と映像が一緒に盛り上がっていき、共にクライマックス迎える、という演出手法は非常に多く見られるものであるが、このドラマにおいては成功していると思えない。カット割りやカメラワークは凡庸で盛り上がりに欠け、完全に音楽に負けている。それに、暗殺者役の若者が全く魅力的でない。監督に、コーエン兄弟の「ミラーズ・クロッシング」と「ベニスに死す」を100回見ろと言いたい。
このシリーズはエミー賞を取ったらしいので、全部見たら面白いのかもしれないが、私は堪え性がないので冒頭の5分が面白くなければもう見たくないのだ。
若い頃は、面白くなくても、なんでも見てやろう!と言う気持ちが強かったし、何より暇だったので耐えられたのだが、今はつまらないドラマや映画で時間を浪費したくない。かといって最初だけ面白い尻切れとんぼも困るのだが。