ユーロダンス・クラシックのススメ
かつて90年代後半から2000年あたりの洋楽に、ユーロダンスというジャンルがありました。
黎明期の電子音楽やテクノがストイックになりがちだったのに対しておバカなナンバーが多く、日本ではほとんど評価されませんでしたが、一部はbeatmaniaやDDRといったゲームを通じて日本でもヒットしました。
そうした曲の特徴は、当時としても過激なコミカル、パリピ、哀愁だったわけですが、今となってはアナログ時代のTikTokってこんなだったのか程度でしかありません。
むしろ、チープな電子音楽があの手この手でヒットを重ねてEDMというジャンルを築き上げるに至ったのかを知る、歴史的に貴重な資料と言えます。
単に売れたものでいうとAquaとかSmile.dkもあるんですが、私が知る限りで、ある程度真面目に意味がありそうなのがこの辺りです。
Real McCoy
私のイチオシです。当時の定番だったHI-NRGサウンドでドイツらしいマニアックさとレトロフューチャー感に味があります。Run Awayとか。
Ace of Base
北欧というとABBA、Björk、Enyaのイメージが強いかもしれませんが、普通のポップスもあったのです。ダンス感は弱めなので普通に聴けます。
Blümchen
ドイツの安室奈美恵ことBlümchen。理解不能かもしれませんが、ハッピーハードコアという当時でもマイナーだったジャンルが大ヒットしたという歴史的な意味があります。カバーですがNur geträumtなんか最高です。
Solid Base
こちらも北欧。Sunny Holidayなんかは非常にこなれたタイムレス感があります。かと思えばThis Is How We Do Itなんか子供みたいでほっこり。
Vengaboys
オーストリアのポップでバカなグループですが今聴いてもいけるクオリティでPVも楽しげです。
Scooter
もっとハードコアなやつでいうとScooterです。Hyper Hyperなど。よくわかんないけどクセになる感じ。The Prodigyもありました。
他に、今でもよくかかるナンバーはたくさんあって、サンプリングやカバーもされてますね。むしろ今になって評価されているのではないでしょうか。
Fragma - Toca Me
DJ Sammy - Heaven
Alice Deejay - Better Off Alone
Eiffel 65 - Blue (Da Ba Dee)
今となっては90sのエネルギーが感じられる曲の数々で、当時有能なプロデューサーが計算し尽くしたおバカさでヒットを飛ばしたことが今の音楽につながっているわけですね。