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私たちのパーパスが出来るまで
こんにちは、ファーストアカウンティング note編集チーム・Daiです。
最近、企業の存在意義をあらわすコトバで「パーパス」が注目されています。パーパスの定義は様々あるかもしれませんが、ビジョンやミッションのさらに上位概念に位置付けられることが多いようです。
そして、私たちファーストアカウンティングにもパーパスがあります。
制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。
このnoteでは、私たちのパーパスをどのようにして決めたのか?パーパスがどのように浸透していったのか?パーパスがあることでどのような効果があったのか?…について、お伝えしていきます。
「パーパスをつくりたいんだけど、どうすればいいだろう?」と思われている方にとって、お役に立てる内容になっていると思います。
なぜ私たちにパーパスが必要だったのか?
パーパスを決める前から、私たちにはミッション・バリューがありました。
ミッション
世界に通用するAIの力によって経理DX、正確で早い会計、および戦略経理を実現し、お客様の幸せと社会の発展に貢献します。
バリュー
Can Do Attitude | TeamWork | Passion | Move fast | Trust
ミッション・バリューがあるなかで、なぜパーパスが必要だったのでしょうか?それは「なぜファーストアカウンティングが存在するのか?」「なぜ私たちがこの会社で働いているのか?」という存在意義を明確にすることで、私たちのなかでの一体感を醸成し、私たちの原動力とすることで、より強い組織を作りたいと思ったからです。
ミッションはどの方向に事業を進めていくかのWhere・Whatであり、バリューは日々どのように行動するべきかのHowにあたるものです。パーパスは存在意義・アイデンティティなのでWhyにあたり、3つのコトバにはそれぞれ異なる役割があります。
パーパスの決め方
パーパスは、書籍「FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法」を参考に、以下のプロセスで導きました。
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1.ワークショップ1回目(貢献と影響を抽出し、下書きをつくる)
1回目のワークショップには、CEOが指名した「バリューを体現している」メンバー14名が参加しました。
1-1.この組織で働くことに最も誇りを感じた具体的なストーリーを語ろう
参加者を3つの班に分け、誇りを感じたストーリーを語っていただきました。
自分自身が誇りに感じたストーリー
お客様が弊社と関わりを持ったことで、起きた変化に関するストーリー
など、様々なストーリーが出てきました。そして班のなかで印象的だったストーリー・2〜3つを、全体に共有します。
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1-2. 各ストーリーにおいて、他者の人生に与えた具体的な貢献・影響は何だろう
先ほど共有したストーリーの中から連想される「貢献」と「影響」を抽出します。
「貢献」については動詞で
「影響」については10〜20文字ほどの文章で
思いつく限り書き出してもらいます。そしてどのようなコトバが抽出できたか、全員に共有してもらいます。
貢献(動詞)の一例
「変える」「与える」「導く」「楽しむ」など
影響の一例
「業務を変革できた」「働く時間が豊かになった」「会社で褒められた」など
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1-3. WHYステートメントを下書きする
WHYステートメントとは「私たちの存在意義」のこと、つまり今回導き出したい「パーパス」にあたります。1回目のワークショップのゴールであるWHYステートメントを下書きします。
WHYステートメントの書き方は、先ほど1-2で抽出した「貢献」と「影響」を、次のテンプレートに当てはめることで導きます。
○○(貢献)することで、○○(影響)になる
なお、1-1・1-2では3グループに分かれていましたが、1-3では2グループにチーム分けを再編しています。これは各グループで抽出した「貢献」「影響」やその背景を持ち寄って、WHYステートメントを考えてもらうためです。
ちなみに、ここで「下書き」という表現を使っていますが、導き出したWHYステートメントが本当に私たちの存在意義を示しているか、少し時間をおいてから再度確認するので「下書き」としています。
2グループからそれぞれ1つのWHYステートメントを導き出してもらう予定でしたが、なかなか絞り切れなかったようで、合計6案のWHYステートメントができました。
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2. 有志による分科会(WHYステートメントを磨き上げる)
1回目のワークショップからおよそ1ヶ月後、有志5名があつまって、6案のWHYステートメントを1つに磨き上げていきます。以下の観点で収束をさせていきました。
シンプルで明解であること
実行可能であること
他社にもたらす効果に焦点がおかれていること
自分に共鳴する肯定的な言葉で表現されていること
そして冒頭で紹介した「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。」が誕生しました。
3. ワークショップ2回目(WHYステートメントを浸透させるアイディアを出す)
2回目のワークショップはWHYステートメントをどのようにして組織・チームに浸透させていくのか?のアイディア出しをしていきます。
なお2回目の参加者は、1回目に参加したメンバーから7名と役職者を中心に新たに参加する8名の、計15名で実施しました。
3-1. 前回どのようなストーリーが出てきたかを共有する
今回はじめて参加するメンバーに向けて、1回目のワークショップで出てきたストーリー(1-1)を共有しました。
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3-2. WHYステートメントを自分のものとする手助けをする
ここで有志で導いたWHYステートメント「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。」を、みなさんに発表しました。
そして、このWHYステートメントを私たちのものに引き寄せるために、チームに分かれて「WHYステートメントに関するストーリー」を改めて見つけ、共有していきました。
「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。」に関係したストーリーを話してください。
・この組織で働くことが大好きな理由についての具体的なストーリー
・このチームの一員であることを誇りに感じた時のストーリー
ここでは、自身のストーリーよりも、ワークショップに参加していないメンバーのストーリーがたくさん共有されていたのが印象的でした。
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3-3. WHYステートメントを浸透させるアイディアを出す
最後に、WHYステートメントをどのように組織に浸透させればいいか、アイディア出しをしました。そしてアイディアを共有してもらい、参加者に投票をしてもらいました。
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パーパスをみんなのモノにする取り組み
どんなに優れたパーパスが導き出せたとしても、ワークショップに参加していたのは一部のメンバーであり、参加していないメンバーとの温度差があることは否めません。パーパスを作って終わりにするのではなく、組織に浸透させるために、3-3で得票数の多かったアイディアを中心に、いくつかの施策を実施しました。(このあと、詳しく紹介します。)
全社会議でWHYステートメントに関するストーリーを見つける
さきほど述べた温度差をできるだけなくしたいと思い、2回目のワークショップで実施した3-1・3-2を、全社員向けに実施しました。CEOから「なぜパーパスなのか?」という話と、パーパスをどのように導いたのかを共有しました。そしてチームに分かれ、パーパスに関するストーリーを話し合ってもらい、みなさんに共有してもらいました。
制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。
ファーストアカウンティングの一員であることを誇りに感じたストーリーをみなさんで共有し、それがパーパスとどのように関連するかを話し合ってください。
みんなのストーリーをまとめてムービーにする
パーパスに関するストーリーをみなさんに話していただき、ムービーにまとめました。
このムービーは、主に採用活動で使われていて、採用候補者さまが「ファーストアカウンティングってどんな会社だろう?」という不安に対して、高い解像度でカルチャーを伝えられていると感じます。
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プレゼン資料の最終ページにパーパススライドを挿入する
パーパスが書かれたスライドを、プレゼン資料の最終ページにしました。社内資料はもちろん、営業資料や決算資料などの社外資料にもパーパスが登場します。
CEO・森からは「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。が私たちのパーパスです」というフレーズが、締めの挨拶になっています。
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パーパスの効果
私たち従業員にとっては、スライド資料などで常に目にするので、今では当たり前の存在になっています。
採用候補者さまにとっても、前述の通りファーストアカウンティングのカルチャーが垣間見えるので、カルチャーフィットの精度を上げるという観点でも貢献できていると感じています。
またお客様との商談の席で「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。っていいね、ぐっと来ました!」と言われることもあるとか。
「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える。」というパーパスは、私たちにとってなくてはならないものに進化しました。
「パーパスを策定したいな」「パーパスってどうやって決めたらいいんだろう」と思われている方にとって、このnoteが参考になれば幸いです。