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バレエスクール探しの旅

先日、今まで通っていたバレエスクールがクローズしてしまった。
勿論、数か月前から通告があって、そのことはわかっていたのだけれど、今は別のダンスも並行して通っているし、今までのような良い先生に出会えるかどうかもわからないので、もうバレエはやらないかなと思っていた。

でも、一度たまたま市立劇場のバレエ団のオープンクラスに行ってみたら、とても楽しくて、あっさりとやっぱり続けたくなってしまった。単純。

私にとってバレエは、憧れのようなものであり、自分のコンプレックスとの戦いだ。
頭の中では、脚は高く上がり、くるくると回り、自由に軽やかに動き回れるが、実際には身体の硬さと重さにヒーヒー言っており、なかなか理想どおりにはいかない。
とはいえ、ここまで少しずつとはいえ積み上げてきたものを失うのはあっという間だ。練習を止めてしまえば。それを勿体無いと感じるようになったこともある。

新しいお教室は、先生が褒めるだけではなくて、ちゃんと修正してくれるところ、そして雰囲気の良いところがいいなあ、と考えていたが、実際にいくつかのクラスを体験レッスンで行ってみると、更に私の具体的な希望が見えてきた。

先ず一件目。
なんと徒歩5分という地の利の良さ。Royal Academy of Dance公認の教師が教えているところだけれど、ホームページに時間割の詳細などが出ていないので、個別に問い合わせすると、経験者用と未経験者用の時間の案内をもらったので、経験者クラスへ行くと、入ってくるのは黒レオタードとバレエタイツ姿のティーンエイジャーばかり。
え、これは大人クラスではなかったの…?私と友人はカラーのレオタードにスカートも履いているけど、取り敢えず先生に注意されなかったので、そのままレッスン続行。
レッスン内容としては、まあ悪くはないけれど、ティーンエイジャーの中に入るのはちょっと抵抗あり。あと、先生もちょっと高飛車っぽくて、多分子供のころから上がってきた生徒ちゃんたちが、委縮しているような部分も感じて、ちょっと保留かな、というところ。

二件目。
ここも割と近くで、歩いても20分ちょっと。
バレエとモダンジャズのレッスンが続きの時間になっていたので、両方体験レッスンを申し込んだところ、別々の週になってしまった。
モダンジャズは中級で、トレーニングも振付も結構好みだった。でも、ジャズは既にやっているから、やっぱりバレエの方がいいかな、と思いつつも、バレエは初級クラス。
そう思いながら、翌週体験レッスンに行ったところ、こちらは本当の「大人」クラスでほっと安心。
そして、初級といえども思ったより簡単すぎず、先生の感じも良く、丁寧に教えてくれるので印象が良かった。
ただ、残念なのは、レッスン時間が1時間しかないこと。願わくば90分ほしいところ。

三件目。
こちらは残念ながら、私の別のレッスンがある曜日しか空いてないとのことで断念。比較的交通の便もよく、Youtubeで見たレッスン風景もよさそうな雰囲気だったので、残念!

四件目。
こちらは、最初の二件の体験レッスンで、通えるところが見つかるかどうか怪しくなったので、更に調べて問合せしたところだったけれど、ホームページはあるものの何にも情報がない。すると、後日、もうスクールはクローズしたけれど、別の方を紹介してくれた。

五件目。
その紹介していただいた方は、もともと地元の市立バレエ団で踊っていたダンサーで、定期的にレッスンを行っているそう。そして、私がたまたまかなり前に彼のワークショップを受けたことがあり、楽しかったので、これは!と思ったところ、これまた私の別のレッスンがある曜日がレッスン日とのこと。いつか、またワークショップなど単発であれば、参加したいなあ。

六件目。
こちらは、現在大人のクラスはジャズダンスのみで、バレエはやってませんとのこと。

七件目。
先生がアジア系の方で、アジア系の方なら丁寧に(もしくは厳しく)教えてもらえそうな気がする、という勝手な印象で、体験レッスンをたのしみにしていたところ。私の名前を聞いて、すぐに日本人?と反応して、私の日本人の友達のお嬢さんがコンクールに出てね~などと話してくれた。
生徒さんたちも、恐らく二十代から五十代くらい?で、大人クラスらしい年代。
バーレッスンも簡単すぎず、先生もきちんとお見本を見せてくれるし、途中で生徒の体の間違いを直してくれるし、生徒のことをよく見てくれている感じがした。
レッスンの最中に、なんとなく、あ、私はここが良いかも!と感じたので、申し込むつもりで、一応先生に挨拶をしておいた。

レッスン後、一緒に新しいクラスを探している友人に、私はここに決めた、と伝えた。
彼女は、まだちょっと考えたい、と。
彼女は私ほどこのクラスに好印象を受けていなかったようだし、逆に私が曜日の関係で行かれないクラスの体験レッスンに行って、気に入っていたようなので、そちらに決めたら?と言ったけれど、出来れば私と一緒のクラスが良いと言う。
一緒にレッスンを受けるのが楽しいし、そうやって定期的に会わなくなってしまうと、私たちの間に距離が出来てしまうのではないかと言うのだ。

彼女の意外な言葉に驚いてしまった。
私は、一緒にレッスンを受けなかったからと言って、確かに定期的に週一で会うことはなくなってしまうかもしれないけれど、今までどおり一緒にバレエを見に行ったり、散歩に行ったり、食事に行ったり、それは変わらないよね?と伝えた。
そして、私は今日のクラスが今までで一番気に入ったけれど、彼女にとっては別のクラスの方が気に入ったとしても、好みの問題だからおかしくない。でも、私たちは大人なんだから、それはそれでいいではないか。
そんなことで、友情が失われるなんてことを信じてはいない、と言うと、彼女は、そうよね、でももう少し考えてみる、と呟いた。

自宅に帰ってきて、自分に合いそうなクラスを見つけて、テンションが上がった私は、すぐに申し込んでしまったが、後から友人のことを思い起こした。
私たちが最初に知り合ったバレエのクラスは、私は数年前にレッスンに行くのを止めていたけれど、彼女は続けていた。同時進行でもう一つ別のクラスには一緒に行っていたけれど、そこがクローズするということで、今回新しいクラスを探していたのだが、彼女は以前からのクラスにも通っているし、バレエのレッスンがゼロになってしまう私と違い、そこまで新しいクラスに通うことにこだわらないかな、と思っていたのだ。

私の選択に振り回されず、彼女自身の好きなクラスを優先してほしい、と思う自分が冷たいのか、とも少し思った。
いくら仲が良くても、感性は異なるので、どういうレッスンが好きなのか、それは人によって違うのが当たり前だ。
それでも、友達と一緒に何かをするという楽しみを彼女は優先したいのだろう。
それも、理解できなくはない。
でも、彼女が別のクラスを選択したとして、私がそれに合わせることはないと断言できる。
何故なら、私には私のレッスンに対するこだわりがあり、現時点でベストなところ以外を選択する余地がないからだ。もし、全く好みのクラスがなかったら、きっと好みのクラスが見つかるまで、教室を決めなかったと思う。

彼女がどういう選択をするかわからないが、私が言えるのは、
一緒にレッスンできたらいいね、でも、そうじゃなくても、いつでもまた会おうね、というありきたりな言葉だけだ。
その真意を理解してもらえることを、願っている。

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