誘拐軟禁サスペンス3️⃣
ようやく1人になった俺は、ヨシミのことを考えていた。
きっとあいつなら黙ってあの胸に顔を埋めさせるんだろうな…
… 考えるだけで体が熱ってくる。あの子に触れるなんて想像しただけで…
パパ? 警察の人が呼んでるわ。早くいらして。
何というタイミングの悪さ。
溜まったものを残して俺はリビングへと向かった。
なんですか?息子は見つかったんですか?みつけもしないのによく呼べますね。
文句しか思いつかない。
そんな俺に対し警察は
お父さん、私たちは一生懸命努力しています。しかし、あなたの協力なしには息子さんはみつけられない。今一度、ゆっくり私たちとお話ししましょう。
。。。(面倒だな) はぁ、わかりました。
ジリリリリ。突如、電話のベルが鳴り響いた。警察に促され、受話器を取った。
はい。 山下です。
受話器の向こうから紳士風の声で優しく語りかけてきた。
こんばんは。 もう、お気づきだと思いますが、わたくしはお宅のおぼっちゃまと今一緒に居させていただいております。とても可愛いおぼっちゃまですので、お返したくはないのですが、1億円をお支払いいただければ、おぼっちゃまをすぐにでも送り届けます。ご検討ください。
そう言って、電話は切れた。
なんとも不思議な身代金要求の電話だ。
…暫くして、我に帰った俺は、
一億円?!そんな大金うちにはないぞ!ローンだってまだ40年も残ってるんだ! どうすればいいんだ!
そう怒鳴りながら、妻を見ると、少し震えているようだ。
どうした? 一億って大金にビビったのか? 無理もないよな。そんな大金…
違うの! わたしあの声の人知ってるわ。
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