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オススメの本紹介vol.4

前書き

自分が読んでて良かった部分を抽出して紹介しています。


デザインの質を高めるためのコミュニケーションのあり方

ゴールがはっきりしていないとデザインが迷子になり、出来上がった成果物の質が発注段階、制作段階でのコミュニケーションによって大きく変わってしまう。デザインの発注におけるコミュニケーションのプロセスの重要性とコミュニケーションのコツを発注者、受注者側の視点を交えながらまとめた本です。導入である第一章では、デザインの目的とその目的に繋がる前提となる背景や文脈を共有することの重要性が書かれています。市場、業界、社会背景、トレンドも含め、前提となる構造を考え、何をどうしたくてなぜ作るのか前提と目的の前後関係を文脈でつなぎ、目指す共通のゴールを共通認識するコミュニケーションをしないといけない。そのたまにはオープンなコミュニケーション(互いに必要な情報をさらけ出すこと)で情報を共有して受注者であるデザイナーの提案の広がりを持たせ、デザインの質を担保させることが必要である。なぜなら、デザインの解像度を上げるのは情報量だからです。発注者サイドも受注者サイドの両方の視点でこの本は書かれていて発注におけるコミュニケーションのプロセスを見直すきっかけになると感じました。

具体と抽象にはグラデーションがある

抽象度の高さ、具体度の高さにはグラデーションがあります。抽象的だったものを抽象度に応じて相手が処理できる範囲に切り分け、細分化した状態で指示を行うことで各役割の人に効率よく振り分けられて円滑なチームワークを発揮することが書かれています。ディレクションで役に立つ考え方だと思い、とても勉強になりました。

独自性とは何か?

独自性とは他と被らない特性(強みや売りなど)です。自社の独自性や立ち位置を知るためにポジションニングマップを使います。自社の独自性を言語化して共有してすることは、自社の独自性を活かしたデザインに昇華するのに大きな役割を果たします。ポジショニングマップで客観的な視点で見ることで目指すべき目的が見えてくるのでデザイン制作の情報を共有するときに役立つのでもっと上手く活用したいと感じました。

デザイナーを構成する要素とは

デザイナーを構成する要素は、発想力、造形力、判断力、情報力、コミュニケーション力の5つの要素で構成されていると書かれていて面白いと感じました。集めた情報やアイデアを組みあわせて新しいものを作る発想力、与えられた抽象的なイメージを高い精度でビジュアル化する造形力、デザインに必要な要素を取捨選択する判断力、デザインに必要な集めた情報をまとめたり、展開して提案の幅を広げる情報力、適切な情報共有、情報交換でデザインに必要なプロセスを円滑に回すコミュニケーション力で構成されている。発注者側も制作者側もデザイナーの能力を客観的に見るための軸として便利だと感じました。

デザインの評価の軸ははっきりさせよう

発注者側は、デザインを趣味嗜好で選んでしまう傾向があるので明確な判断基準を決めておく必要がある。デザインが複数案あった時、背景にある意図や狙いがなんなのかによって評価が変わってくる。イメージ訴求なのかメリット訴求なのか目的によって押すべきポイントが変わってくるので根本の目的に立ち返って評価の軸を固めていく。そのためには発注者は、制作者側にその表現に至った考えを細かく聞くことが大事。目的に立ち返り、ユーザーにどのような態度変容を促したいのかどんなアクションにつながるのかユーザーとの関係を点と線でつなぐコミュニケーションの形を考えることがデザインの質を高める。デザインの評価は時間を置くと変わっていく。時間を置いてある程度、寝かした状態でデザインを見ることでファーストインプレッションの状態では気づかなかった思わぬ改善点や新しい切り口の提案につながることもあるので一晩寝かせてデザインを評価することも大事。デザイナーとしてクライアントの判断の軸を示して本音を引き出すのも必要だなと読んでいて感じました。

総合評価

オススメ度 ★★★★☆
お役立ち度 ★★★★★
お買い得度 ★★★★★

オススメ度
実践的な内容で分かりやすいのでオススメ。発注する側の人も受注を受ける側の人もデザインを言語化して伝えるコミュニケーションのポイントやプロセスが詰まっているので読んで損はない一冊。

お役立ち度
発注におけるコミュニケーションの基礎となる考え方やプロセスが学べて良かったです。

お買い得度
中身の充実度を考えると高くない買い物だと思います。

終わりに


noteで紹介することで本を読むきっかけを作れたらと思い、記事を制作しております。まだまだ未熟ですが面白いと思ってもらえる記事を制作できるように日々邁進していきます。

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