ヘンリー八世

浅い知識ながら、感想書いてみる。  



クランマーの出番は初めに主要キャストが全員出てくるところと2幕の最後30分くらい?1時間まではいかないような…?まず思ったのはキービジュアル見て想像してた印象と全く違っていてびっくりした。だってさ〜離婚できない世の中なのに王の離婚成立させる(事前情報それだけ)なんてやり手だしさぞかし賢くて頭のきれる人なのかな〜写真も凛々しい感じだしさ〜とか思うじゃん。でも違った!素直で純粋で善良な男だった。  


1つ目のシーンは、王「最近お前への苦情がきているが、その嫌疑はすぐには晴れないだろう。時間をかけて裁判するから(?)しばらくロンドン塔(監獄?)へ行け」『ありがとうございます。徹底的に吟味してください(私の籾殻と穀粒を分けてくれたらそれ以上に嬉しいことはないらしい)』「なんて男だ!泣きつくかと思ったぞ!裁判(尋問?)がんばれ!敵は強い。いざというときはこの指輪を出せ」という感じで王の指輪をもらう。シェイクスピアとかその頃の時代背景よく知らないし台詞も難しいから理解できてないところもあるけど大体は合ってる…と思う。  

王になにか言われるたびに大声で「はいっ!」って返事するし、動きが無駄に機敏だし、王と手繋いで歩くし、王の手ぶんぶん振るし、奇声発して暴れまわるし、そういう笑い要素があった。基本的にシリアスだから和んだな〜。シェイクスピアはお堅いイメージだったけどそういうのもありなんだね。大地くんのあんなに大きな声を聞いたの初めてだと思う。ずっと王に萎縮してビクビクしてたり、指輪もらっただけで泣いてるの見てたら王は絶対的な存在なんだって改めて思った。ウルジーの思うがままにされてたりキャサリン王妃にも結構ズバズバ言われてたし、1幕ではそこまで怖いと思ってなかった気がするんだよな〜。それがこのへんからわたしは本格的に王が怖くてこっち見ないでって思ってた。お芝居なのはわかってても怒鳴られるの(次のシーン)怖くないのかな。わたしはだったら目も合わせたくない。そのくらい阿部さんの王は怖かった。怖いし、かっこよかった。  


次は裁判。なんだけどお家に入れてもらえなくて、外でずっと祈ってた。ここで客降りで最前とステージの間に庶民役の人たちが並ぶんだけど、大人数が一斉に入ってくるから椅子がガタガタ揺れて初め地震かと思うくらいびっくりした。クランマーは売春婦からほっぺにちゅーされてうあああ〜って可哀想だったよ(笑)それから、無事にお家に入れてもらえてからがすごくてわたしは3シーンの中でここがいちばん好き!  

台詞量がすごい。私は悪いことはしてませんって主張してるんだけど、あんなに普段耳なじみのない言葉たちを覚えられて言ってて次なんだっけってならないのすごいなぁって思った。役者さんとしては当たり前のことかもしれないから素人視点ですごいって言っても褒め言葉にならないのかもしれないですけど、やっぱりすごいなぁって思う。それとウィンチェスター司教に怒ってるのもすごかった。(バンッ)何がおかしいのですか!って。ちょうどあなたが!って責めるところも元々大声なのにさらに声張り上げててなんかもうすごかった。生の迫力を感じた。さっきのシーンだとクランマーは弱そうでとても大司教には見えないんだけど、ここでは大司教発揮してた。そりゃあれくらいのこと言える強い人じゃないと大司教になんてなれないよね。でも王の前では自分を誇示するようなことなんてしないもんね、善良な男だもんね。(ここで思い浮かぶウルジーの顔)ほんとに偉い人なの?すごい人なの?ってイメージから一転、かっこよかったな〜。  

でも結局ロンドン塔だって言われて「慈悲の道は他にないのか」って指輪出して王が来て和解しました〜。クロムウェルが擁護してたのは、クロムウェルは良い人ってことなんかな〜。ウルジーに言われたことを守ってるのかな。わからんな〜。  


最後のあれが洗礼式なのか?姫の名前「エリザベス」と美徳の全てが姫だ〜とか葡萄の木陰がどうとか(平和な世の中の情景かな)この国は豊かになることでしょうみたいなことを言ってた。わたしは初めて見たときこの言葉を聞いて涙が出た。なんでだろう。みんなキラキラで幸せで色々あったけどよかったねって思ったのかもしれない。ここで旗振るのも楽しかったな。  

それで終わりじゃなくて、最後にウルジーとキャサリン王妃とバッキンガム公爵が立ってるの!死んでしまった3人が!これ背筋がぞわってなるのー!わたしは安易によかった〜って思ってたけど、ああそっか後継ぎが生まれたわけじゃないんだしはい平和とはならんのか…それであれか…とか帰り道に考えてたらすごいなぁ(n回目)って思った。  



あとすごいって思ったところ  

・バッキンガム公爵が処刑されるところ、悲しくて悔しくて泣いた。あと最後のところ上手のとき公爵見てたらなんともいえない表情しててそれが忘れられない。少し微笑んでるというか、なんだろうな〜。ここからはわたしの完全な妄想だけど!バッキンガム公爵は無罪で殺されてウルジーのことは憎んでても王のことは憎んでないのかなって。国のことを想ってた人だから国が幸せなのを微笑んで見ていて、だけどその幸せが続かないのもわかっていて。だからあんな顔してたのかな〜とか。まあ妄想だし、こう考えてると思い浮かぶ顔が実際に見たものと違う気もしてくるのでもはやわからないですけど、そう考えると処刑されたこと、より泣けるよね。  

・キャサリン王妃も可哀想なお人だった。王のため国のためにウルジーと対峙してたのに、肝心の王は若い女に乗り換えてさ…。でも王は王で後継ぎをつくらないといけないとか色んな思いがあるのかな…。まあだとしてもひどいことしたことに変わりはないけどな!  

・ヘンリー王はめちゃくちゃなことしてるのに、見てるときはそんなこと思わないのすごいよね。王の威厳があるからだよね。顔も背丈も声もそれにもうオーラからして威圧感がすごいもん。めちゃくちゃなことされてもそれが正しいことのような気がしてきちゃうもん。本当に怖くてもう他の役やってる姿が思い浮かばないくらいだけれど、ドラゴン桜は絶対に見ますね。  

・ウルジーは本当に憎らしくて早く失脚してくれと思ってたのに、投げ飛ばされて服脱がされてるの見てたら可哀想でしかたなかった。さいごは改心したってことだよね?まあいくら改心したって公爵と王妃にしたこと考えたら許せないけど、救われるといいなとは思った。  


ついでにわからなかったところも  

・クランマーって何者?どこかから戻ってきたみたいなことだったと思うけど、どこでなにしてた人?王に離婚について助言できるくらいだしある程度の地位にいたのかな?  

・アンブリンはあんなに頑なに王妃になんてなりませんって言ってたのに気づいたら結婚してたのはなぜ?  

・クロムウェルはお手紙わざと入れたの?それとも間違えたの?あの描写があったのは裏切ったということなんかなって思ったけど、上司兼恋人のウルジーがぼろぼろになってあんなに嘆いておきながら裏切ってたら怖い。ウィンチェスター司教に「あなたに私の半分でも良心があったら〜」みたいな良い人発言してたくせに、あれでいてしたたかだったら怖いよね。でももともとウルジーと悪いことしてたしなぁ…ウルジーと共に改心したのかな…クロムウェルがいちばん謎。   



最後に。突然に終わってしまったことが本当に悲しくて演者さんやスタッフの方々の気持ちを考えるとくるしい。見たくても見られなかった人がたくさんいるのもわかってる。でもそういうことを配慮せずに自分本意なことを言わせてもらうと、わたしにとっては大地くんの初舞台を見られたことはすごく良い思い出。忘れられない大切な思い出!悲しいだけじゃない。  

大地くんも言っていたように、ドラマや映画では自然体だけど舞台のお芝居は違くて。役とかに関わらず映像と舞台でこんなに違うんだな〜って思った。大きな足音立てるのとかもびっくりした。わたしは大地くんの繊細なお芝居がいちばん好きだったけど、舞台のお芝居も同じくらい好きになりました。あとはカテコも印象に残っていて。気張ってる顔から笑顔に変わってくのを見てたら涙出た。精神力消費しながらもお芝居してるのかっこよすぎるじゃん!そもそもシェイクスピア出たのやばくない?すごくない?かっこいいがすぎるな。  



また舞台で演じてる姿見られるといいな〜。素敵なものを見せてくれてありがとうございました。おつかれさまでした。



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