倍数判別法 まとめと実用編
ここで判別法をまとめておきます。
まとめ
2:偶数
3:各位の数の合計が3の倍数
4:下2桁が4の倍数
5:下1桁が0, 5
6:偶数かつ3の倍数
8:下3桁が8の倍数
9:各位の数の合計が9の倍数
11:一つ飛びの位の数の合計の差が11の倍数、1の位から2桁ずつ区切った数の合計が11の倍数
12:3の倍数かつ4の倍数
7や13の判別法は?
7や13の判別法も作ることはできるのですが、有用性が高いものはないようです。
算数や数学の問題においてはこれらの判別法がないわけじゃないです。メタ読みをしてしまいます。
なんらかの約数があるように見える数字であるにもかかわらず、簡単に約数が見つからないとき7, 13, 17, 19あたりの素数で割れちゃいます。(たまに裏をかかれて割れないときあるけど)
帳簿の桁間違いと9の倍数
帳簿上の間違いを見つけるワザ。
もはや手入力することも少ないでしょうから実用的ではないですが、今でも簿記の試験では役に立つかもしれません。
例えば500円のところを5000円と記入した場合、差異は4500円です。
正しい金額を$${a}$$とすると間違った金額は$${10a}$$差異は
$${10a - a = 9a}$$
となってかならず9の倍数になります。差異がわかっている時はそれを9で割ることで正しい金額が求まります。
500円のところを50円と記入した場合、差異は450円です。
正しい金額を$${a}$$とすると間違った金額は$${0.1a}$$差異は
$${a - 0.1a = 0.9a}$$
この時は差異を0.9で割ることで正しい金額が求まります。
つまり、差異が9の倍数の場合、桁間違いを疑い、差異を9や0.9で割った数字を探すことでどこを間違えたか探す手がかりにできます。
人の指の本数が10本である、9の倍数の判別法の有用性、桁間違いしがち、9の倍数の判別法の実用性とつながるのは改めて興味深いです。
消費税と11の倍数
消費税が10%になって5年経ちました。税率が上がっていいことはないですが、わずかにあるとしたら11の倍数の判別法が輝くことです。
$${本体価格\times 1.1 = 税込価格}$$
ですので、税込価格は11の倍数になっていることが多いです。
税込みか税別か不明な場合のとき、正体不明な数字が何らかの価格である可能性などの判断材料として11の倍数判定法は有用です。
また、価格が11で二回割り切れる時、消費税が2重にかかっていることを疑ってみてもバチは当たりません。
今シリーズはここまでにします。またなにか思い出したら書き足します。
良き数字とのお付き合いを!