変分原理 3 - 橋の建設費の実際
前回からの続き。今回は実際の建設費を調べてみましょう。
陸道の建設費
トンネルや橋を除いた陸道のみの建設費を見つけるのは難しかったです。
以下に一般道の建設費が掲載されていました。これらは橋もトンネルも含んでいます。
内閣府 沖縄総合事務局 道路雑学コーナー[国道をつくる03]
国道8号見附バイパス(新潟県)約17億円/ km
国道17号熊谷バイパス(埼玉県)約24億円 / km
国道176号宮津バイパス(京都府)約20億円 / km
国道435号桃木バイパス(山口県)約9億円 / km
ちなみに、高速道路は以下によると50億 / km だそうです。これもトンネルや橋も含んでいます。
これらを総合すると、一般道の陸路は20億 / km ぐらいでしょうか。
橋の建設費
では、橋の建設費を見てみましょう。
瀬戸大橋(1988年)
6400億 / 13.1 km = 489 億 / km
以下は多摩川に架かる一般道の橋です。
丸子橋(2000年)
142億 / 0.4 km = 355億 / km多摩川スカイブリッジ(2022年)
264億 / 0.67 km = 392億 / km等々力大橋(建設中)
98億 / 0.4 km = 245億 / km
これらを見ると橋の建設費は 350億 / km ぐらいでしょうか。瀬戸大橋は別格ですね。
また、等々力大橋はかなり安く見えます。多摩川の中洲の形状の変化による施工方法の変更や用地取得の難航で2025年開通予定から2030年度に後ろ倒しになりました。98億円で造れるのかな?(用地取得費用は別に確保してあるようですが)
ちなみに、上記の道路や橋の完成時代は80年代から建設中と幅があるので本来であれば物価の上昇を考慮しないといけないと思うのですが、長いデフレのお陰で無視しても大勢には影響しないと考えました。
橋の建設費は陸の10~20倍
350億 / 20億 = 17.5 ということで10倍から20倍の間というのが結論です。
前回の計算結果の傾向とも一致しています。
これぐらい費用がかかるならやはり直角に架けたくなりますね。
ですが、必ずしも直角に架かっていない橋もあります。
次回はそれを取り上げて理由を考えてみたいと思います。
橋の建設費の参考
全日本建設技術協会 丸子橋架替事業(pdf)
川崎市 等々力大橋(仮称)橋りょう整備事業の 工事施行協定の変更