「2021秋コラボ 写真家智心:写真と詩と珈琲と」
写真家智心に、私の行きつけの美容室を借りて、展示会をしようと伝えた。
彼女からの返事は、「めちゃくちゃ嬉しい。」だったから、私は心のなかでガッツポーズをした。
このとき、実は、もう一人の登場人物がいて、その人物が、「写真詩集」を提案してくれた。
脚本家志望のその人物が、彼女の写真に詩を書く。
当初はそんなことを予定していたが、残念ながら、脚本家志望の人物は多忙により、参加することは叶わず。
どうするのかな?と思っていたところ、彼女から言われたのは、「くるるの詩を使わせてほしい。」だった。
2021年9月初め、彼女から写真詩集のデータが送られてきた。
もちろん、くるるの詩を使うことにはなんの異議もなく、むしろ、なんと光栄なことかと思っていた。
そして、実際に写真詩集のデータを見たときの驚きったら!
写真と詩の組み合わせ方があまりにもマッチしていて…。
素敵すぎる…。
驚きのあまり、私はこんな詩を書いていたのか?と不思議に感じるくらいだった。
珈琲の味や香りの表現方法は、人それぞれ、自由にしてくださったらいい。
いつも、私はそう思っている。
表現方法は言葉だけでなく、写真、音楽、絵、いろいろあるだろう。
ちなみに、珈琲くるるのInstagramでは、月の珈琲で表現した思いに合わせた写真を撮り、珈琲豆の説明をしている。
つまり、すでに、写真と詩を組み合わせているのだ。
でも、彼女の写真詩集データを見たとき、鳥肌が立った。
全くの別物だ。
くぅっ、この詩にこの写真を組合わせるのか!と、何度、うなったことか。
11月の珈琲は、写真詩集から感じたことを焙煎しようと考えていたけれど、正直なところ、不安もあった。
写真詩集にしっくりとくる珈琲豆を焙煎できるだろうか?
私はそんな技を持っているだろうか?
でも、実際に写真詩集を見たら、彼女の思い出が詰まった写真なのに自分の思い出が重なり、過去の自分が見えて…。
思いがあふれて、大洪水。
焙煎できる。
そんな確信を持ち、11月の珈琲に選んだのは、グアテマラとブラジルの豆だった。
Guatemala:鍵をさがす
本棚にならぶ背表紙は色あせていた
凹凸をなぞる人差し指が
一冊の写真詩集をとらえる
なにげなく開いた頁は
何度も何度も見たお気に入りの頁
そこには扉の鍵をさがす私がいた
鍵穴にぴったりとはまる酸味
Brazil:夢をおよぐ
手のなかにある珈琲から
しろくて透明な湯気がたつ
テーブルの上に置いた写真詩集に
みつけたデジャブ
ここにいるのは私だったのか
うつつから夢へとおよぎだす
広がるコクが境界線をなくしていく
今回のコラボがあったから作ることのできた11月の珈琲。
自分が書いた詩のことも忘れてしまう私だが、この珈琲のことは忘れないと思う。
>>写真展のお知らせ
「写真と詩と珈琲と 第一章」
2021/11/23(火・祝) 11:00〜17:00
SiNOViLiCA
東京都渋谷区代官山町3-6(1階)
珈琲の香りが漂う空間で、写真家智心の写真をお楽しみください。
>>写真詩集「めぐる」(珈琲バッグ(月の珈琲3種各1包)付き) 販売中
月の珈琲の詩が写真家智心の写真と合わさり、一冊の写真詩集となりました。
写真家智心。
彼女が撮る写真は、今を切り取っているはずなのに、過去にいるような、そして、未来を見ているような感覚を、見るヒトに与えます。
ー 写真と詩と珈琲と 第一章 ー
時は流れ
季節は移ろい
そして巡る
日常にある
些細だけれど
美しい変化
ハル、ナツ、アキ、フユ
時はながれ、うつろい、かわり、そして、季節がめぐる。
そのなかで生きる私たちの日常を切り取ってみると、たくさんの思いが詰まっていたことに気がつきます。
思いも季節とおなじように、めぐり、かわり、うつろい、そして、ながれていく。
珈琲くるるの月の珈琲とともに、ひとりの女性が過ごした一年をお届けいたします。