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「11月 Brazil:夢をおよぐ」
鼻の先がつめたい。
それを確認してから、布団のなかでうごめき、靴下を履いた。
まずは、湯を沸かそう。
そう思い、台所に立った。
シュンシュンッ。
やかんの口から蒸気が飛び出る。
珈琲豆を挽くと、台所は珈琲の香りに包まれた。
Brazil:夢をおよぐ
手のなかにある珈琲から
しろくて透明な湯気がたつ
テーブルの上に置いた写真詩集に
みつけたデジャブ
ここにいるのは私だったのか
うつつから夢へとおよぎだす
手のなかにすっぽりとおさまった小さな珈琲カップに注いだ珈琲からはしろくて透明な湯気が立っている。
珈琲を飲みながら、昨夜、テーブルの上に置きっぱなしにした写真詩集をぱらぱらとめくった。
あっ…。
この風景、見覚えがある。
写真詩集にある風景は、いつか、私が見たものだった。
ここにいるのは私?
珈琲の香りで目を覚ましたはずなのに、デジャブがうつつと夢の境界線をなくしていく。
そして、私はまた、夢へとおよぎだしたのだ。
何年も生きていると、時折、誰かの思い出が自分の思い出と重なるときがあります。
それは、とても不思議なデジャブで、自分という存在がとても曖昧になるのです。
そんなうつつと夢の境界線がなくなっていく感覚をコクが広がるブラジルの豆で表現しました。
>>写真展のお知らせ
「写真と詩と珈琲と 第一章」
2021/11/23(火・祝) 11:00〜17:00
SiNOViLiCA
東京都渋谷区代官山町3-6(1階)
珈琲の香りが漂う空間で、写真家智心の写真をお楽しみください。
>>写真詩集「めぐる」(珈琲バッグ(月の珈琲3種各1包)付き) 予約受付中
月の珈琲の詩が写真家智心の写真と合わさり、一冊の写真詩集となりました。
写真家智心。
彼女が撮る写真は、今を切り取っているはずなのに、過去にいるような、そして、未来を見ているような感覚を、見るヒトに与えます。
ー 写真と詩と珈琲と 第一章 ー
時は流れ
季節は移ろい
そして巡る
日常にある
些細だけれど
美しい変化
ハル、ナツ、アキ、フユ
時はながれ、うつろい、かわり、そして、季節がめぐる。
そのなかで生きる私たちの日常を切り取ってみると、たくさんの思いが詰まっていたことに気がつきます。
思いも季節とおなじように、めぐり、かわり、うつろい、そして、ながれていく。
珈琲くるるの月の珈琲とともに、ひとりの女性が過ごした一年をお届けいたします。