「10月の珈琲 Congo:影をわたる」
それは、不思議な体験だった。
いく度か、まばたきをくりかえしてみる。
うーん。
この道の先、ずっとずっと向こうにあるのは未来なのだと思う。
太陽の光が道の両脇に続く松の木を照らしていた。
そのせいで、すこし傾斜のあるこの坂道には松の木の影が連なっている。
影光影光…。
ふと、後ろを振り返りたくなった。
立ち止まり、体ごと、ゆっくりと後ろを振り返る。
私の後ろにあった坂道の始まりは、濃くなった松の木の影に隠れていた。
光影光影…。
無限に続く光と影をゆっくりと渡ってみる。
どちらに進んでいたのか、どこから来たのか、そして、どこにいたのかがわからなくなってきた。
一直線に進んでいたはずが、時間の感覚が次第に消え、時が混じり合うことによって、丸い球体の中に浮かんでいる気分になる。
あぁ、この道を歩く人は、時を超えてしまうのかもしれない。
きっと、タイムトラベラーになってしまうのだ。
Congo:影をわたる
すこし傾斜のある坂道だった
地面を覆うのは松の木の影
交差する光と影をわたったなら
過去と未来を行き来できそうだ
この道をゆくヒトは
きっと、タイムトラベラー
秋の太陽は、心にすき間を与えてくれる気がします。
それは、夏の太陽とも、秋の太陽とも、冬の太陽とも違う秋の太陽がもたらすもの。
そのすき間を自由に行き来する時間と思考は、まるで、タイムトラベルのようです。
そんな時を越えていく様子を丸く広がるコクをもつコンゴの豆がまとめてくれる気がしました。
https://coffeekururu.stores.jp/items/6152d79fc1209646f7385f69