
倫理規定FAQの日本語訳
元々のページはこちら
パッとみて自分がわかりやすいように一部意訳しています
ICF Code of Ethicsの 4: Ethical Standards(倫理基準)の順番にFAQは並んでいるようです。
ICF JAPANの倫理基準該当ページはこちら
https://icfjapan.com/icf-code-of-ethics
スタンダード1
ICFプロフェッショナルコーチとして、
初回または事前に、コーチングのクライアントとスポンサーに対し、コーチングとは何であり得られうる価値は何か、守秘義務とは何で何が制限されるか、金銭的な取り決めやコーチング契約のその他の条件について説明し、その理解を確実にします。
Q: クライアントがよく、コーチングにはどのくらいの期間がかかるのか?と聞いてきます。私は平均の期間を伝えるべきでしょうか。
A:「私のクライアントの多くはX回、もしくはXヶ月のコーチングを受けますよ。ただ、期間はそれぞれのゴールや新しいスキルの実現力によって変わりますね。」という風に伝えられます。
スタンダード2
サービスを開始する前に、クライアントとスポンサーを含むすべての関係者の役割、責任、権利に関する合意/契約を作成します。
Q:クライアントと何度かセッションをするうちに、クライアントが予約を直前にキャンセルするようになってきました。
私は料金をクライアントに請求すべきだと考えていますが、契約の中にはそれに当たる項目がありませんでした。
セッションを欠席した分の請求書を送ってもいいですか?
A:セッションのキャンセルについて契約書内に記載していないのだとしたら、元々の契約をしっかり守るためにキャンセル分の料金の請求は行えません。しかし、契約書の巻き直しに取り組むことはできます。
Q:クライアントがコーチングを始めたとき、私はコーチング料金を一定の金額に設定していて、スポンサーがその料金を払ってくれていました。
クライアントが3ヶ月の休職をしているときに私はコーチング料金を値上げしました。
復帰したクライアントとセッションをするとしたら、スポンサーに値上げした料金を請求するのが筋だと私は思っていますがどうでしょうか。
A:元々の契約期間によります。契約書の契約期間中であれば、元々クライアントやスポンサーと交わしている契約を守るべきなので値上げした料金を請求することはできません。
新しい契約を結ぶために交渉を始めることはできます。
Q:9歳のクライアントとも契約を結ばないといけないのでしょうか。
A: 現地の法律にもよりますが、未成年者の場合、契約書には依頼者だけでなくスポンサーも含める必要があります。(保護者も一緒に契約書にサインしてもらった方が良さそうというニュアンス)
Q: 自分の会社でコーチをする場合でも、「クライアントとスポンサーを含むすべての関係者の役割、責任、権利に関する合意/契約を作成しておくこと」は必要ですか?
A: はい、特にこのケースでは、クライアントとスポンサーの両方に契約書を明確にすることが重要です。
Q: 報酬を支払わないテストのクライアントとも契約を交わさないといけませんか?
A: はい、契約には料金だけ記載されているわけではないからです。
プロのコーチング関係であるためには、責任と期待が明確に定義されていなければなりません。
ちなみに、多くの司法管轄区域の法律で合意が有効とみなされるためには、サービスを受ける側からサービスを提供する側へ、名目上の金額が送金されなければなりません(例えば、アメリカでは1米ドル、ヨーロッパでは1ユーロ)。
(日本だと何円なんでしょう。調べ方が悪くて出てきませんでしたが、100円くらいな雰囲気ですね。ご存知の方がいたら教えてください。)
スタンダード3
合意されたとおりに、すべての関係者との間で最も厳しいレベルの守秘義務を維持します。
私は、個人データおよび通信に関連するすべてに適用される法律を認識し、それらに従うことに同意します。
Q: 研究プロジェクト(またはジャーナル記事、メディアイベント)のためのインタビューで、インタビュアーが私に、どの国、どの州で、何人の女性管理職の方にコーチングしたことがあるか?そしてフォローアップのために連絡先を教えてもらえるか?と尋ねてきました。この情報を教えてもいいですか?
A:どの国、どの州に何人いるか、などの本人を特定できない情報は伝えることができます。
これは匿名性の原則を満たすものです。
クライアントの許可なく連絡先情報を教えることはできませんが、許可があれば良いです。
クライアントおよび/またはそのスポンサー、あるいは元クライアントおよび/またはそのスポンサーに連絡し、許可を得る必要があります。
(どっちも関係あるならどっちも、というニュアンス)
Q: 同僚が、私がどの情報技術企業を顧客にしたことがあるか尋ねてきました。教えてもいいですか?また、私のウェブサイトに企業の名前を載せてもいいですか?
(顧客である企業の名前を他者に伝えていいのか?という質問)
A:これはとても複雑な問題です。
守秘義務に加え、著作権侵害という法的な意味合いもあるかもしれません。クライアントとスポンサー両方との契約で、社名を表に出してもよいかどうかを明記する必要があります。
クライアントやスポンサーの契約書に、この問題に関する文言が含まれているかもしれないことに注意して再度読み直すと良さそうです。
クライアントとの良好な関係を維持するためのベストプラクティスは、契約書に明記されていなかった場合には、クライアントおよび/またはスポンサーの名前および/またはロゴの使用許可を求めることです。
(つまり、契約書に書いてないなら確認してみなさいってことですね)
Q:顧客の予約時間が書いてある私のカレンダーを、自分の机や受付に置いておいても良いでしょうか?
A: いいえ、通りすがりの人が誰でも見れる場所にクライアントの名前を書くことはやめましょう。
Q: 以前いたクライアントを、見込み客の紹介に使うことはできますか?
A: はい。ただし、クライアントまたはスポンサーから具体的な許可を得ている場合に限ります。見込み客に(特定の)人物の連絡先を伝えてください。
Q: クライアントが、小売業で管理職に就いている人を知っているかどうか、その分野の就職活動を進めるために連絡を取りたいと言ってきました。連絡先が知りたいそうです。私の元顧客の何人かは彼にぴったりです。彼らの名前と連絡先を教えてもいいですか?
A:元クライアントの許可がなければ無理です。
Q: 守秘義務を解除する際の許可は口頭でよいのでしょうか、それとも書面でなければならないのでしょうか?
A: 文章にした方がより確実で、反論の余地がなくなります。
Q: 私はジェーンのコーチをしています。彼女の同僚のアリスが、私に彼女のコーチになってほしいと依頼してきました。私がすでにジェーンのコーチングをしていることをアリスに知らせる必要はありますか?
A: その必要はありません。
ジェーンの同意がない限り、あなたはジェーンのコーチングをしていることを口外することはできません。
ただし、守秘義務に抵触する可能性があることに留意すること。
潜在的な利益相反は各当事者との間で明確にされるべきである。
スタンダード4
すべてのコーチングのやりとりの中で、関係するすべての関係者間で情報が交換される方法について、明確に理解を得ます。
Q: 人事部は、私の6名分のクライアントのコーチング・サービス料を支払っており、スポンサーとして契約書に署名しています。
経理部門が、次年度の予算予測を立てるために、私が何回ミーティングを行う予定であるかという情報を必要としています。経理部にこの情報を渡してもいいですか?
A: コーチが経理にその情報を渡すのではなく、経理はスポンサーである人事部からその情報を入手するのが推奨される方法である。
Q: また、経理が私の顧客の所属部署を知りたがっています。この情報を経理に伝えてもいいですか。
A: コーチが経理にその情報を渡すのではなく、経理はスポンサーである人事部からその情報を入手するのが推奨される方法である。
(同じ回答)
Q: 顧客名も要求されました。この情報を経理に伝えてもいいですか?
A: これも人事部に聞いてと伝えるのが推奨される方法。ただ、それが難しい場合には、クライアントとスポンサーの許可を得てから経理に情報を伝えると良いです。
Q: 外部企業から360度評価が返ってきました。
私は、このデータを使ってマネジャーチームの指導をすることになりました。
最初のステップは、チームの各メンバーとチーム全体の能力開発計画を立案することです。人事が、社内の生産性調査のため、それぞれのコーチングの目標を知りたがっています。クライアントと作成した目標を人事部と共有してもよいでしょうか?
A: 一番理想なのは、契約する際にこのことを契約書に明記しておくことです。ただ、書かれていなかった場合には、クライアントとスポンサーの許可を得れば提供することは可能です。
Q: 12歳の少年のコーチングをしているのですが、彼の父親から様子を聞かれました。一般的なことは話してもいいでしょうか。
A: クライアントが同意した場合、あるいは父親・コーチ・クライアントの3人が署名した契約書にすでに同意している場合に限って話しても良いです。
Q: 新しいクライアントのスーパーバイザー(管理者)が、コーチングの効果についてクライアントに知られたくないそうです。
私はスーパーバイザーの予算から給料をもらっています。コーチングの効果についてクライアントに隠しておいてもよいでしょうか?
A: これは利益相反を引き起こします。
コーチングされるとはどんなことなのかを明らかにして同意をしないままで、どうやって誰かをコーチングできるでしょうか。
契約書・同意書に記載して3人がサインしてあることだけが認められます。
Q: スポンサーと共有していない個人的な成果があるビジネス・クライアントをコーチしてもよいですか?
A: 個人的な成果のためのコーチングは、プロフェッショナルなコーチングでは不可欠な部分です。
契約書や合意書に記載されていることによって、どんな情報をスポンサーに共有できるかが決まります。
スタンダード5
情報が秘密にされない条件(例えば、違法行為、有効な裁判所命令または召喚状に基づいて求められた場合、または本人や他の人に危害が及ぶリスクが明らかにある、あるいはありそうな場合、等)について、クライアントとスポンサーまたは利害関係者の理解を確実にします。上記の状況のいずれかが当てはまると合理的に確信が得られた場合、適切な当局に通知せざるを得ないことがあります。
Q: 3人組のコーチング学生がコーチングの練習をした後、グループ全体で経験を分かち合います。コーチングを学んでいる学生の一人が、小グループで共有した個人的な情報について、他の学生に許可を得ずに話してしまいました。これは単なるトレーニングであり、実際のクライアントとのコーチングではないので、許されることなのでしょうか?
(わぁ、これ、うっかりやっちゃいそうですね・・!)
A: 機密保持に関する基本ルールが事前に明確化されていない限り、許可されない。基本ルールは、いつ、なぜ、どのように機密情報を共有できるかを明確にしておく必要がある。基本ルールには、守秘義務や匿名性についても明記する必要がある。
Q: 私と同じくコーチ達のトレーニングをしている同僚に、生徒の健康状態についてコーチング中に気になることがあったことを話しました。すると同僚は直接その生徒のところに行き、手助けができるかどうか尋ねました。これは守秘義務違反でしょうか?
A: これは、そのコーチトレーニング施設の機密保持ポリシーによります。機密保持ポリシーは教員や学生と共有しておく必要があります。トレーニングの目的のため、同僚間で情報を共有しておくことが認められる場合もあります。
(確かに、最近あの子のコーチング力はどのくらい上がっているね、みたいな話も教員同士でされた方がスクール全体で生徒を見てくれている感じになって良さそう)
スタンダード6
社内コーチ/組織内コーチとして活動する際は、コーチングの合意から継続的な対話を継続する中で、コーチングのクライアントおよびスポンサーとの利益相反または潜在的な利益相反を制御します。 これには、組織内での役割、責任、関係性、社内記録、社内機密、およびその他の報告義務への対応が含まれる必要があります。
Q: 関係者間で誤解が生じないようにするにはどうすればよいですか?
A: あなたの組織でどのような決定がなされるにせよ、透明性を確保するために、すべての関係者が契約書に目を通し、すべての人間関係の流れを把握していることを確認してください。
(人間同士の力関係というニュアンスを含む)