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【Tableau Tips】Tips Battle by Tableau Public Ambassadorsで紹介した地図Tips(+α)

2024年12月6日に開催されたJapan Tableau User Group(JTUG)総会の1コーナー『Tips Battle by Tableau Public Ambassadors』の中で披露したTipsを紹介します!

当日は2分間でお伝えしなければいけなかった関係上、説明を省いた点もありますので、その点も補足できればと思っています。


Tips1.マップレイヤーの名前を変更する

ver2020.4になって実装されたマップレイヤーですが、ビュー内のレイヤー管理で操作の有効/無効(ビュー内のマークを触れるかどうか)や表示/非表示を選択できます。
このレイヤー管理は、Tableau Server/Cloud、Tableau Publicにパブリッシュしても使用可能です。

レイヤーの分だけ表示が増える

デフォルトであれば、フィールド名がそのまま表示されてしまいます。
また、レイヤーをどんどん重ねていくと、同じような名前のレイヤーができてしまい、どのマークを表示しているのがどのレイヤーか分かりづらくなってしまいます。

実は、このレイヤー名は変更が可能です。

マークシェルフ内のレイヤー名を右クリックする、もしくはダブルクリックすることで名前の編集ができるようになります。

レイヤー名を変更すると、レイヤー管理内の表記も合わせて変更される

Tips Battleでは紹介できなかった追加情報

レイヤー管理の表示/非表示は「地図のオプション」から変更可能です。

地図上で右クリックすると「地図のオプション」を変更でき、「レイヤーコントロールの表示」のチェックを外すとレイヤー管理が使用できなくなる

「レイヤーコントロールの表示」にチェックを入れた状態でTableau Server/Cloud、Tableau Publicにパブリッシュすると、Webブラウザ上でもレイヤー管理を使ってレイヤーの表示状態やロック状態の変更ができます。

チェックボックスのチェックを外すとレイヤーが非表示となり、南京錠のアイコンをクリックすると選択が無効になる

Tips2.APAC地域の地図を表示するため、他言語のSample Superstoreをダウンロードする

※このTipsはTableau Desktop(Professional Edition)のみで実行できます。Tableau Desktop Public Editionでは実行できません。

通常、日本語でTableau Desktopをダウンロードすると、日本語版と英語版のSample Superstoreのデータが付いてきます。

Tableau Desktopをインストールした際に作成される「マイ Tableau リポジトリ」内にデータがインストールされる

大半の方が日本とアメリカのサンプルデータばかりで作成されていると思うので、たまには違う地域のデータを使って分析してみたいと思います。

具体的には、他地域のSample Superstoreデータのダウンロード方法をご紹介します。

ダウンロード方法はいたってシンプルで、以下の手順を踏むことで「マイ Tableau リポジトリ」内にデータが自動でダウンロードされます。

  1. Tableau Desktopを起動し、ヘルプ > 言語の選択 からデータをダウンロードしたい言語(地域)を選択

  2. Tableau Desktopを再起動

  3. もう一度ヘルプから言語を日本語に戻してTableau Desktopを再起動(この際、Tableau Desktopの表示が1で設定した言語になっているので注意)

上から日本語、ドイツ語、英語(イギリス)、英語(アメリカ)、スペイン語、フランス語(カナダ)、フランス語(フランス)、イタリア語、ポルトガル語、スウェーデン語、タイ語、中国語(簡体字・中国)、中国語(繁体字・台湾)、韓国語

マイ Tableau リポジトリを確認してみると、選択した言語に対応するフォルダが作成されていることが分かります。

マイ Tableau リポジトリ\データ ソース\<バージョン名> の配下にフォルダが作成される

試しに、繁體中文(台湾で使用される繁体字の中国語)を選択した際にダウンロードできた台湾版Sample Superstore(範例 - 超級市場)を読み込んでみます。

「州/省」を表示してみた

日本を含むアジア・太平洋地域のデータが格納されていることが分かります。

Tips Battleでは紹介できなかった追加情報

Ver2024.3現在、上記の方法で入手できるSample Superstoreは以下の通りです。

筆者調べ

Tips3.世界の陸地を背景として使用する

※このTipsはTableau Desktop(Professional Edition)のみで実行できます。Tableau Desktop Public Editionでは実行できません。

"日本"という計算フィールドを作成して、日本地図の背景にするテクニックはよく知られるTableau Tipsの一つかなと思います。

"日本" とだけ記載した計算フィールドを作成し、地理的役割で「国/地域」を選択する

このテクニックを世界地図にも応用して、世界の陸地を好きな色の背景色で塗るTipsを紹介したいと思います。

世界の陸地をマークとして表示させるには、世界の国名一覧が必要となるのですが、これはTableauの内部データから入手可能です。

具体的には、以下のフォルダに格納されているデータが国一覧です。

※デフォルト設定でインストールした場合
C:\Program Files\Tableau\Tableau <バージョン名>\Local\data\Country.tds

Dドライブにインストールしている場合

Country.tdsをTableau Desktopに読み込みます。

ドラッグアンドドロップでtdsファイルを読み込むことができる。
Tableau Desktop Public Editionはtdsファイルをデータソースとして取り扱うことができない

そのうえで、必要なデータに絞ったうえで国名を表示させたいと思います。
すべての言語の国名が出てきてしまうので、一旦Localeをフィルターに設定してレコードを「ja_JP」に絞り込みます。

7,000行近くあるデータのため、あらかじめ日本語のデータに絞る

この状態で Country (Name)フィールドを行シェルフに入れると、国名一覧が表示できました。

計251個の国・地域が表示された

この状態で地図を表示するだけでOKかと思ってしまいますが、実はこのデータソースを使って直接地図を表示しようとするとエラーが発生してしまいます。

マークタイプで「マップ」を選択する、計算フィールドを作成する等の操作をするとエラーが発生する

このエラーを回避するため、クリップボードを活用して国一覧データソースを作成します。

マウス操作でも代替可能だが、キーボードショートカットを使ったほうが圧倒的にスピードが速い

そして、新しく作成されたデータソースの Country (Name) をマップ形式で表示することで、すべての国を表示することができました。

新規レイヤーとして Country (Name) を追加して、マークの形式をマップにする

あとは色や枠線、バックグラウンドマップを調整すれば、独自の色の世界地図を作成することができます。

バックグラウンドマップレイヤーの「ベース」のチェックを外すと、ワークシートの網掛け色が見えるようになる

Tips Battleでは紹介できなかった追加情報

Country.tdsが格納されていたフォルダですが、Tableauでジオコーディング(地名や住所から緯度経度などの座標値を算出する手法)処理をする際に使用されるデータだと推測されます。

データの実体はGeocodingData.hyperで、各tdsファイルはこのhyperファイルを参照している

また、地図の背景色を全面で表示するためには、地図のバックグラウンドマップの設定変更をする必要があります。
具体的には、バックグラウンドマップレイヤーの「ベース」のチェックを外すことになります。この際、レイヤーのすべてのチェックを外すと、ビュー左下のクレジットが非表示となります。

たとえMapbox側に依存する表示が何もなくても、チェックが一つでも入っているとクレジット表記が付く

最後に

Tips Battleという形式のイベントに初めて参加しました。いかに制限時間内に情報を詰め込めるか、という構成検討と操作練習が思ったより大変でした…

ただ、他のAmbassadorの皆さんのTipsの中にも、私の知らないものがあり、こちらもとても勉強になるイベントでした。

企画・運営に携わっていただいた皆さま、本当にありがとうございました!


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