「データ視覚化のデザイン」を読む[DATA Saber挑戦 #Week8]
DATA Saber BridgeプロジェクトにApprenticeとして参加しています。
週一note更新目指します。
[はじめに]データ視覚化のデザインとの出会い
昨年11月下旬に関東に旅行(遠征)した時、東京都内のホテルに宿泊したため「ただいま東京プラスクーポン」を1,000円分入手しました。
新幹線に乗る前に東京駅の周りでクーポンを使える場所を探していたところ、八重洲ブックセンターでクーポンが使えることがわかり、その時に購入したのが永田ゆかりさん著の「データ視覚化のデザイン」です。
年末年始の帰省する電車の中でこの本を読んだので、少し遅い冬休みの読書感想文を書こうかと思います。
どんな本?
データの視覚化で用いられるチャート(この本では、いわゆる「グラフ」だけでない表現形式も含めてチャートと呼んでいます)について、実例を交えながら良い点/悪い点を説明しています。
ドットマトリックスチャートなどあまり馴染みのないチャートがあったり、優れたグラフ表現があったりと、本の中の画像を見ているだけでも興味深いです。
基本的にはTableauでの可視化に関する記述が多めです。(各チャートの画像にWebリンクが掲載されており、多くのチャートがTableau Publicにアップされています。)
ただし、この本はあくまでチャートなどデザインに特化している本なので、各チャートの作成方法についての言及はありませんのでご注意ください。
その点を踏まえると、Tableau初級者向けというよりは中級者向けかもしれません。
認知的負荷とは
この本で一貫して出てくる要素が「認知的負荷」です。
そもそも認知的負荷とは、という所については、Yoshitaka Arakawaさんの「認知的負荷について」という記事に詳しく記載されています。
人間はモノを見るとき、脳のリソースを使います。複雑で理解に時間がかかるモノを見ると、使用するリソースが増えてしまいます。使用するリソースが極度に増えると、人間の脳はモノの理解が難しくなります。
認知的負荷の高いデータビジュアライゼーション
これをデータビジュアライゼーションの世界に当てはめてみます。
データビジュアライゼーションをする際に複雑なチャートを作ってしまうと、本来伝えたかったことを理解してもらえない可能性が出てきます。つまり、良いデータビジュアライゼーションはViewerに無駄なことを考えさせない、ということになります。
さらなる問題として、認知的負荷が高く理解しづらいビジュアライゼーションを作成しても、Viewerの人は理解しづらい理由を説明できないことが多いです。
例えば「線が多くてどこを見たらよいかわからない」「色数が多くてどれがどれかわからない」のような意見を、ビジュアライゼーション作成者がViewerの人から聞くことは少ないです。認知的負荷は無意識的にかかるもので、Viewerにとっては「このチャートは理解しづらいな」と思うのみのためです。
そのため、データビジュアライゼーションの作成者が認知的負荷を低く工夫を凝らす必要があります。
私の作ったVizは認知的負荷が高いのか
改めて自分が作成したVizを振り返ってみます。
私がDATA Saberに挑戦し始めて最初に作成したVizです。
青っぽい色に統一しようとしていましたが、今見てみると使っている色が多いなと感じます。
一番大きいグラフであるエリアチャートも右上にある禁漁期間のガントチャートもそれぞれ色が多く、無意識的に理解するのはやや難しいかもしれないです。
特に右上のガントチャートについては、上下(オスとメス)で色分けをしていてさらに認知的負荷が高まってしまいます。
色数を減らすと認知的負荷が低く抑えられることから、まずオスとメスの色を同じに修正するのが良さそうです。
認知的負荷の低いビジュアライゼーションを作るために
認知的負荷を低くするために気を付けるべきことについても本に記載はあります。それを見ると、色の数を減らす、スパゲッティーチャートは避けるなどDATA SaberのOrdeal2、Ordeal6などを解くにあたり学んだ内容と共通しています。
DATA Saberを目指す中で認知的負荷を低く抑えることを学ぶ、ということは、認知的負荷を低くすることが良いVizに繋がるということだと思います。
[おわりに]
このページに書いたのは、「データ視覚化のデザイン」のごく一部の内容です。詳しい内容はお買い求めの上、理解を深めていただければと思います。
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