イタリア🇮🇹の風
ふと思い立ち、巻いた。
そうそれ。パスタをだ。
私は麺類が結構好きである。その中でもパスタは蕎麦の次くらいに好きだ。パスタは大まかに分けてオイルベース、トマトベース、クリームベースみたいに分けられると思う。それ以外があるならパスタの魅力はまだ尽きない、いずれ蕎麦を超えるかもしれない。が、私の認識ではこれくらいである。
私は、お店に立ち寄り、メニューを覗けど覗けどトマト以外は頼んだことがないほど赤に惹かれる人間である。対して、私の周りの人達は何かとカルボナーラが大人気で白に惹かれている印象だ。オイルベースを頼んでるやつなんて見たことがないと言って良い。つまり、赤白の二巨頭での勢力争いが起きているのだ。ここで、トマトクリームパスタが好きなどと言うようなやつが水を差すことがあるが、そんな奴は小学校の赤白帽をウルトラマンみたいにかぶっていたお調子者に他ならないので墓地に送らずに除外だ。お店の周りのお客さんのパスタを見てみると大体がトマト、カルボ、トマト、除外、除外、除外みたいな感じだ。赤白帽ウルトラマン前科持ちが過半数を占めるという選挙で無投票が過半数を占める問題と同じことが起きている。いや、そんな大層なことは起きていない。まあそんなことは無料のパンの横に置いといて、まず、第一にカルボだの、クリームだのほざく人間は了見が狭い。美味しくないわけではないがクリームクリームチーズチーズと乳製品を見つけては群がっている。乳製品の取りすぎで腹を壊せばいい。そして、今、「お前もトマトしか見えてねーだろ」と言うような意見を持った白派の人に伝えたい。トマトにはシンプルなトマトソース以外にもペスカトーレやミートソース、アマトリチャーナなど多種多様であり一種に依存しているわけではないと。
このような議論を友人と繰り広げていると、突然、フィールドが店内から森になったかのように空間を切り裂くような圧倒的な緑が目の前を横切った。ジェノベーゼだ。あまりにも鮮やかで鼻腔を劈く緑の風は我々の議論を稚児の喧嘩を眺めているようだった。彼は我々に何も告げずにあるがままに緑であり、その姿が眩しかった。