Joy for Struggle(小ネタ)について書いてみます。
ヒプノシスマイクの楽曲
「Joy for Struggle」
作詞 ポチョムキン
作曲・編曲 ポチョムキン , MZO
の小ネタについて気付いたので書いてみます。
既出でしたら誠に申し訳ないです……。
解説っぽいもの。
6人全員が、自分と直接対決する相手の名前を(何かしらのやり方で)呼んでいます。
個別にリリックを書き出してみますね。
まずは1組目。
【零】よ!3兄弟 調子はどない?
【三郎】しゃしゃりでんな チンケな詐欺師
零はその関係性から敢えて〈3兄弟〉とまとめて3人呼んでいるのかもしれません。
この曲における大切な要素である父VS息子という構図の演出なのか?
それに、何だかんだで彼ら3人みんな気にかけているという気持ちの表れ……とか。
それに対して三郎は直接名前を呼ぶのではなく〈詐欺師〉と呼ぶ事で、「お前なんて父として認めない」と言いたいのかな……。
確かに詐欺師というのは公式設定だし。
次に2組目。
【盧笙】二郎は二郎で足らん知能
【二郎】てか名前 なんだったけーな?
二郎は変化球で盧笙を名指し(?)している様です。
この辺はちょっとした遊び心を加えてバリエーションを出しているのかな、と。
もしかすると二郎の勉強はちょっと苦手という設定により本当に思い出せないのかもしれません(笑)。
そもそも躑躅森 盧笙という漢字が読めなかった可能性もあるか……?
また「緊張気味かい?」と続ける事により、盧笙のあがり症であるという設定のイタイ所をついてきます。
盧笙はコンプレックスを見抜かれてしまった……という事かも。
次、3組目。
【簓】一郎、血の繋がりだけが絆やない
【一郎】浮ついた言葉 刺さらねえ
ここがまた秀逸で……一郎は「刺さらねえ」と、韻を利用してさりげなく簓(ささら)の名前を呼んでいます。
三郎のリリック「チンケな詐欺師」と違い「チンドン屋」という表現を拾わなかったのは、簓はチンドン屋ではなくコメディアン(芸人)であるという公式設定から判断しました。
零は公式設定がまんま詐欺師なので……(笑)。
しかし……最近の若い子にチンドン屋ってわかるのかな……。
チンドン屋とはチンドン太鼓という楽器を演奏しながら、お店の宣伝をして歩くという仕事をする人達の事です。
江戸時代風の衣装である事が多いようです。
騒がしいだけのピエロみたいで滑稽な奴らって意味合いのdisなのかな?
ちなみにチンドン屋さんは芸人の一種という事になるようです。
韻で返すという一郎のスマートさ、そして遊び心がラッパーらしいと言えるのではないでしょうか?
また、作詞家の秀逸な技術を感じます。
……この様に色々な工夫を凝らして、6人全員がこれから直接disる相手を何らかの形で名指しする様な体になってるのかな、なんて。
ラップらしい遊び心を感じるし、全体を通してのコミカルなやり取りのリリックが特に好きな1曲です。
父VS息子という重くなりがちな設定にも関わらず、〈全て笑いに変えてしまう〉というオオサカらしいバトルスタイルに仕上がってますね。
ちなみに……一郎が「刺さらねえ」と簓をdisっているのを聴き、今日初めて気が付きました……。
今まで何度も聴いてたのに!