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ウォーレン・ボンドがミランにやってきたぞ!

Ciao!ドドン小西です。
24-25シーズンの冬のメルカートでミランに加入した選手は5名。

カイル・ウォーカー(マンチェスターシティ)
サンティアゴ・ヒメネス(フェイエノールト)
ジョアオ・フェリックス(チェルシー)
リッカルド・ソッティル(フィオレンティーナ)
ウォーレン・ボンド(モンツァ)

今回はモンツァでの八面六臂の活躍が認められたボンドについて紹介します。

我らがプレジデンテ・ガッリアーニさんがナンシーから発掘した逸材で「移籍させるならミランにしかさせない」と約束していたというボンド。
今シーズン、私がずっと観てきた選手でもある彼がミランにもたらすものが何かを考えてみたいと思います。

ウォーレン・ボンドとはナニモノ?

ルーツ

AC Milan official site

Warren Pierre Bondo(2003年9月15日生)
フランス・エヴリー出身
父親はコンゴ民主共和国、母親はコンゴ共和国の出身
家族のルーツからこれらの国の代表としてプレーする資格もあるが、フランスの各年代別代表チームでプレー

クラブ遍歴

ナンシー(2018–2022)
◆2018年、ナンシーのユースチームに加入
◆2019年8月にクラブ史上最年少でプロ契約締結
◆2020年11月24日、リーグ・ドゥのグルノーブル戦でプロデビューを果たしその試合で退場する
◆同年12月22日、シャンブリー戦でプロ初ゴールを記録
◆2022年6月、ナンシーの降格に伴い、契約延長を行わずクラブを退団

モンツァ(2022–2025)
◆2022年7月28日、セリエAに昇格したACモンツァと3年契約
◆同年8月30日、ASローマ戦でセリエAデビュー
◆2023年1月31日、セリエBのレッジーナにシーズン終了までのローン移籍(3試合出場のみ)
◆2024年2月18日、モンツァ復帰後のミラン戦でセリエA初ゴール(ダニエル・マルディーニのアシスト!)となる美しいミドルショットを決め、4-2の勝利に貢献

ミラン(2025–)
2025年2月3日にACミランと2029年6月30日までの契約を締結

代表経歴
フランスの各年代別代表チームでプレー(U16からU20まで)
2022年6月には、UEFA U-19欧州選手権に出場し準決勝に進出

比較してみよう!

誰と比較する?

以下の条件で選手を選定
・今シーズンのセリエAで一定時間プレー
・中盤インサイドのポジション
・ミランへの移籍の噂があった(過去在籍した)

ウォーレン・ボンド
出場試合数20試合(先発19試合)プレータイム1,618分
◆ユスフ・フォファナ(Milan)
出場試合数20試合(先発19試合)1,626分
◆サムエレ・リッチ(Torino)
出場試合数23試合(先発23試合)1,940分
◆マヌエル・ロカテッリ(Juventus)
出場試合数21試合(先発20試合)1,630分
◆モルテン・フレンドルップ(Genoa)
出場試合数22試合(先発22試合)1,933分

シュートはどう?

データはfbref.comより

◆ボンドはシュート数は少なく、枠内シュート率も低いため、攻撃面での貢献は限定的。ミドルレンジからのシュートが主体。

◆フォファナはシュート数は多いものの、枠内シュート率が低く、遠距離からのシュートが多い。チャンスと見れば積極的にミドルシュートを狙う傾向にある。

◆リッチはシュート精度が高く、枠内シュート率が33.3%と一番高い!ミドルレンジからのシュートが多いなかでの高い枠内率は見事。相手チームを直接的に脅威に陥れている。

◆ロカテッリはシュート数は少ないものの、枠内シュート率は25%と一定の精度

◆フレンドルップは平均シュート距離も21.6ヤードと他の選手より近い位置からのシュートが多く、必然的に枠内シュート率も高い。今期は2ゴールを奪っている!

シュートに関してボンドはやや物足りないようだ。
ただ、モンツァが高い位置で相手を押し込むことがなかった影響もあるだろう。とは言え、シュート精度には改善の余地あり、と言ったところか。

パスは?

データはfbref.comより

◆ボンドはシンプルで安全なパスが中心。
モンツァがボールを持てなかったことも加味してあげないと気の毒ではある。ボールロストを最小限に抑えなければならなかったチーム事情。
ビルドアップには関与するが、攻撃の最終局面にはあまり絡まない。

パス成功率: 88.9% → 高いが、横パスが多い。
プログレッシブパス: 39 → 低め。リスクを冒して縦に運ぶよりも、確実なパスを選択
アシスト: 0 / xA: 0.3 → 攻撃面での貢献はほぼ見られない。

守備的なミッドフィールダーで、安全第一のプレースタイル。縦パスや決定的なパスが少なく、攻撃面での影響力は低い。というより、守備とサポートに忙殺されていた。ミランではどうなるか??

◆フォファナは前線へのパス供給とチャンスメイクも可能。

パス成功率: 86.9% → そこそこ高い
プログレッシブパス: 126 → 積極的に縦へ展開。
アシスト: 4 / xA: 2.1 → アシスト数、xAともにトップで決定的なパスが多い。

ゴールに直結する貢献が大きく、プレーメーカーとしても機能。

◆リッチはバランス型か?安定したパスワークを提供。
リスクを避けつつ、前線へもある程度パスを供給できる。

パス成功率: 87.3% → 高水準のパス精度。
プログレッシブパス: 76 → そこそこ多く、積極的に攻撃へ関与。
アシスト: 1 / xA: 0.4 → チャンスメイクは控えめだが、バランスの取れた選手。

バランス型ミッドフィールダー。縦への展開力はあるが、フォファナほどの攻撃的な貢献度はない。むしろ攻守で光る忙しさ。

◆ロカテッリはレジスタとして機能し、チームの攻撃を司る。長短のパスを使い分け、試合をコントロールするタイプ。

パス数は圧倒的!キーパスもトップだ
パス成功率: 88.4% → 高精度のパス供給が可能。
プログレッシブパス: 163 → チームの中盤の司令塔として最も多い。
アシスト: 2 / xA: 0.9 → チャンスメイクももちろんできる。フォファナほどのゴールへの直結性はなかった。

試合をコントロールする役割を担い、パスで攻撃のリズムを作る。決定的なチャンスを作るというより、攻撃の起点となるプレーが多いようだ。

◆フレンドルップは守備的ミッドフィールダーとして安定したパスワークを提供。攻撃的な貢献は控えめ、チームのバランスを取る役割。

パス成功率: 85.0% → 他の選手に比べるとやや低い。
プログレッシブパス: 63 → そこまで多くなく、主に安全なパスが中心。
アシスト: 0 / xA: 0.3 → ゴールへの直接的な貢献はほぼ見られない。

守備的ミッドフィールダーとしての役割が強く、他の選手たちより関与しない。縦パスや決定的なパスが少なく、シンプルなプレー。

タッチはどう?

データはfbref.comより

◆ボンドは守備的ミッドフィールダー寄りで、ボールの配給よりもシンプルなプレーを重視。ミスがやや多く、ポゼッションを維持する能力は改善の余地あり。スタッツを詳しくみると

総タッチ数: 741 → 他の選手と比べると少なめ。
ディフェンシブサードでのタッチ: 179 → 自陣でのプレーが多い。
キャリー数: 511 → ボール運びの回数もやや少ない。
プログレッシブキャリー: 25 → 攻撃的なドリブルで前進する回数が少ない
ミスコントロール: 20 / ボールロスト: 30 → ボールロストが多く、プレッシャーを受けると脆い。
プログレッシブレシーブ: 21 → 自陣から敵陣でボールを受けることも多い。ビルドアップに関与する姿勢がみられる。

守備的ポジションでのプレーが多いが、ポゼッション時の安定感に欠ける。ボールロストが多いため、プレス耐性が課題に見える。

◆フォファナは中盤の底から前線への侵入が多い。ポゼッションにおいて、攻撃を組み立てる役割も果たすことができる。

総タッチ数: 1089 → 高い数値で、ボールに多く関与。
キャリー数: 666 → 自らボールを運ぶ回数はそこそこ。
プログレッシブキャリー: 29 → 攻撃的なドリブルで前進する回数も比較的多い
ミスコントロール: 19 / ボールロスト: 14 → ボールロストが少なく、プレス耐性が高い。
プログレッシブレシーブ: 20 → 自陣から敵陣でボールを受ける頻度はそこそこ。

ビルドアップに貢献、前線に絡むプレーもできる。
ボールロストが少なく、プレス耐性も高い。

◆リッチはバランス型ミッドフィールダーでポゼッション時の貢献度が高い。攻守において安定したパフォーマンスを発揮。

総タッチ数: 1083 → 高い数値。
ディフェンシブサードでのタッチ: 234 → 守備エリアでの関与が多い。
キャリー数: 666 → フォファナと同じく、自らボールを運ぶ能力も高い。
プログレッシブキャリー: 30 → 攻撃的なボール運びもこなせる
ミスコントロール: 19 / ボールロスト: 13 → ボールロストが少なく、安定したポゼッションを維持。
プログレッシブレシーブ: 26 → 自陣から敵陣でボールを受ける頻度は一番。ビルドアップも積極的に貢献する。

守備的なポジションでもプレーしつつ、攻撃にも関与できるバランス型。
ボールロストが少なく、堅実なポゼッション能力を持つ。

◆ロカテッリはやはり最高のレジスタ
タッチ数が圧倒的に多く、試合のリズムを作るプレーヤー。

総タッチ数: 1566 → 圧倒的に多く、チームの中心としてプレー。
ディフェンシブサードでのタッチ: 409 → 自陣でのプレーが特に多く、ビルドアップを担当。
キャリー数: 904 → 最も多くのキャリーを記録し、ボールを動かす役割。
プログレッシブキャリー: 20 → 攻撃的な前進よりも、ゲームメイクのためのキャリーが多い。
ミスコントロール: 9 / ボールロスト: 4 → 非常に安定しており、ミスが少ない。

ボールを多く触り、チームの中心として攻撃のリズムを作る。
ミスが少なく、ポゼッション時の安定感が非常に高い。

◆フレンドルップは守備的でポゼッション時にはシンプルなプレーを選択。攻撃的な役割は少なく、ボール奪取後のシンプルなパスを優先。

総タッチ数: 1031 → ミッドフィールダーとして標準的な数値。
キャリー数: 439 → 他の選手に比べて最も少なく、自ら運ぶよりパスを選択。
プログレッシブキャリー: 12 → 縦に持ち運ぶプレーは少なめ。
ミスコントロール: 25 / ボールロスト: 15 → ボールロストが多めで、プレッシャーにやや弱い。

守備的なポゼッションスタイルで、プレーの幅は限定的。
ボールロストがやや多く、攻撃面での貢献は少なめ。

ディフェンスは?

データはfbref.comより

◆ボンドは守備的なプレーをこなすが、インターセプトの回数が少なく、カットよりも対人守備がメイン。ボール奪取後のプレー精度に課題があり、エラーが多い。

タックル数: 35 / タックル成功数: 24 → そこそこの守備回数。
インターセプト数: 5 → かなり少なく、パスカットよりも対人守備型。
クリア数: 8 / ブロック数: 16 → 守備の緊急対応がやや少なめ。
エラー数: 4 → シュートに繋がるエラーが多く、判断ミスが課題。

守備的な役割をこなすが、パスカットが少なく、ボール奪取の安定感に欠ける。ミスが目立つ。守備の安定性を高める必要がある。

◆フォファナはボックス・トゥ・ボックス型MFで守備時のカバーリングとボール奪取のバランスが良い。タックルの回数も多く、デュエルに強い。

タックル数: 38 / タックル成功数: 26 → 安定した守備力を持つ。
インターセプト数: 13 → パスカットもそこそここなせる。
クリア数: 16 / ブロック数: 19 → 守備の補助的な動きもこなす。
エラー数: 2 → 守備時のミスが少ない。

守備も攻撃もこなせるバランス型MF。守備時のカバーが良く、パスカットやブロックがしっかりできる。

◆リッチは守備の意識が高く、インターセプトやパスカットの頻度が高い。タックルよりもポジショニングでボールを奪うタイプ

タックル数: 26 / タックル成功数: 14 → タックルは少なめ。
インターセプト数: 18 → 守備時のポジショニングが優れている。
クリア数: 31 / ブロック数: 15 → 守備対応が比較的多い。
エラー数: 2 → 守備時の安定感がある。

守備時のポジショニングが優れ、インターセプトを狙うプレースタイル。
デュエルの回数は少ないが、的確な守備ができる。

◆ロカッテリは中盤での守備とボールの配給を担当
タックルだけでなく、インターセプトやブロックも多く、安定した守備力を誇る。

タックル数: 39 / タックル成功数: 27 → タックル回数が多く、成功率も高い。
インターセプト数: 15 → 守備時のポジショニングも優秀。
クリア数: 39 / ブロック数: 37 → どの守備アクションにも積極的に関与。
エラー数: 0 → 守備時のミスが全くない。

守備力が高く、ミスが少ない非常に安定した守備者。守備の基本動作がしっかりしており、対応力が高い。

◆フレンドルップは最も守備的な選手で、タックル、インターセプト、ブロックが全て高水準。守備時に積極的に動いて相手を止めるプレースタイル。

タックル数: 76 / タックル成功数: 46 → 圧倒的な守備回数。
インターセプト数: 29 → ボール奪取能力が非常に高い。
クリア数: 38 / ブロック数: 35 → 守備アクションが非常に多い。
エラー数: 0 → 守備時のミスがない。

圧倒的な守備力を誇り、ボール奪取の回数が多い。守備範囲が広く、チームの守備を支える存在。

元も子もないこと言っちゃう

スタッツ総合評価

🥇 1位マヌエル・ロカテッリ
安定感抜群。
守備・ポゼッション・パス能力、全部高い!

🥈 2位ユスフ・フォファナ
ゴールへの直結性が最も優れ
、ボール運びも得意。

🥉 3位モルテン・フレンドルップ
守備型MF
守備面ではNo.1。ただし、攻撃面の貢献は少ない。

4位サムエレ・リッチ
万能型MFバランスの取れたプレーができるが、決定力に欠ける。

5位ウォーレン・ボンド
守備寄りMF。攻撃は貢献が少なく、ポゼッション時のミスが課題。

でも、スタッツだけで見てもダメなんだ

個人的にロカッテリが好きだからってことは置いといて、スタッツだけみると間違いなくNo.1だ。

しかし、このようにみると、フォファナの補強は成功だったことやミランが中盤を安定させる目的でフレンドルップやリッチを欲しがるのもわかる。

ではボンドがダメなのか?代替案なのか?
必ずしもそうではないだろう。

現在、最下位のモンツァは相手にボールを握られるため(敢えてそうしている面もあるが)ブロックを敷き、ミドルサードより後ろでボールを奪ってサイドから迂回するか、縦に急ぐカウンターをうつことが多い。

スルーパスを通した本数は20チーム中19位、スイッチ(長距離の展開を変えるパス)も18位、シュート創出回数は最下位だ。

今シーズン、モンツァの試合は全て見ているが、とにかく、中盤だけでなく、ピッチ全体でボールを追いかけ、味方をサポートするために走り回るボンド。ボールを奪ってもサポートがない場面も多く、ロストが多いことも、縦に着けるパスが少ないこともその辺に原因があると言えなくもない
ヒートマップをみるとミドルサードを中心にピッチの全体にまんべんなく顔を出しているのがよくわかる。
それぞれの選手の特徴がでており興味深い。

データはsofascore.comより

とはいえ、シュートやよりボールを前進させることにおいて改善の余地はあるだろう。
まだ21歳と若く、ポテンシャルは間違いない。

当面はフォファナの控え、もしくは後半途中から守備に重きたいシチュエーションで、起用されるのではないかと考えられる
理想はベナセルの穴を埋めることだ。

怪我からの復帰は間近であり、早くミランのピッチで躍動するボンドを観たい。

ながくなったので、この辺で。

Forza Milan🔥



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ドドン小西
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