水曜日のアリスの出張店舗デザイン
こんばんは。
デザイン学生の春休みブログです。
今日は、岩手に出張していた「水曜日のアリス」の店舗内ディスプレイで・アクセサリーコーナーについて書きたいと思います。
並んだアクセサリーだけでなく、その周り全てがアリスの世界観をよく表現してありました。
首の飛んだトランプ兵の描かれたディスプレイ台やアンティーク調のアクセサリースタンドが印象的ですね。
私が特に面白いと思ったのは、クリップで台紙を挟んだ耳飾りのディスプレイ方法です。
一般的なディスプレイでは、挟んである台紙のクリップ部分に小さな丸穴が空いています。
どちらもスタンドの突出した部分に引っ掛けやすくするためですね。
このクリップには2つの利点があると考えます。
1つ目は、アンティーク感を演出できること。
2つ目は、少量生産向きなことです。
1つ目のアンティーク感を演出できることに関しては、クリップの形状がオシャレなのはもちろんのこと、アリスの時代感に合ったディスプレイ方法であることが大きなポイントだと思います。
というのも、一般的な穴開き台紙には若干の「現代感」が漂っているのです。
「台紙に切込を入れずに丸く穴を開ける」という技に、なんとなく技術の進歩を感じてしまいませんか? アリスの世界観に合わない気がしますよね。
つまり、商品や店舗の雰囲気だけでなく、こんな些細な飾り方一つにもこだわってアンティークな雰囲気を統一しているんですね! 素晴らしい!!
そして、2つ目の少量生産向きであるという点についてですが、穴開けのコストを下げることができるのです。
「何言ってんの? クリップにもコストかかるじゃん」と思ったあなた! このクリップ、使いまわせるんです。
耳飾りをレジに持っていくと、クリップは外され、台紙のみがお客様の手元に渡ります。
外されたクリップは、商品補充の際に新たな耳飾りの台紙を挟み、アクセサリーコーナーに並びます。
こうすることで穴開けのコストもかからない上に、丸くて小さな切れ端も出ない。企業の懐に優しい上にエコですね!
そんなわけで、この台紙のクリップどめは、アリスの世界観を守りつつ、コスト削減と環境にやさしいディスプレイ方法となっているんですね!
いや〜、勉強になります!
小さな違和感を無くすことがデザインの役割です。
みなさん、素敵な休日を満喫した後に「もしここがこうじゃなかったら……」と考えてみると、目からウロコの発見があるかもしれませんよ!!
ぜひ、デザインに思いを馳せてみてくださいね!