DAY.1 夜の山に呼ばれた女
※ZaPASSのコーチ養成講座「Advance」での出来事を3つの記事に分けて綴っています。(以下参照)
期待と不安のせめぎあい
当日集合場所に赴き、まず感じたのは不安、そして期待。参加者のほとんどがはじめましてということもあり、人見知りを存分に発揮しました。
一方で、この合宿を終えたころには新たな自分に会えるかもしれないと、どこかワクワクした気持ちも感じていました。
しかし、それは思ったよりも険しい道でした。
感情を押しのけてくる思考
プログラムが始まってからもなかなか解けない緊張に加え、積極的に意見や質問を出すほかのメンバーに気を使っているのか、私は自分が発言することに躊躇しました。
ZaPASSの講座では、感じたままに意見や感情を場に出すこと、そしてその場にいる皆でそれを味わう姿勢を、とても大事にしています。このプログラムにおいても、その機会はあらゆるところに散りばめられていました。
自然に身を置きながら、その時感じたことをみんなでシェアします。
「いま、ここ」に在る自分を意識しながら、みんなと感情を共有する。
しかしその時も、"それっぽいこと"を言おうとすぐに思考が作動してしまいます。
感情を湧いたままにただ出す、という、簡単なことがなかなかできないまま、一日の終わりを迎えようとしていました。
愛すべき分身たち
人の心に潜み、その本心や願いに向き合うことを邪魔する「モンスター」をとらえること、それはまさに、このプログラムの核心でした。
その日を通して、私は自分のなかのモンスターの存在に気づきます。
発言するたびに「的確に、簡潔に」と指示してくる正解さんや、「頑張りすぎず、ホドホドにね」とささやく消極さん、「意見の対立は避けよう」とアドバイスする調和さんなど種類は様々ですが、その根底には人からの印象を気にしてしまう、決して強くはない自分がいました。
自分が合宿中に書いていたメモには、たくさんのモンスターがいました。
これらのモンスターは、賢い子であれと期待を寄せられたり、環境の変化に適応したり、排他的な場でうまく立ち回ったりした過去の私が、自分を守るために生み出した、愛すべき分身だったのです。
いつもやらないことをやってみる
そして、次の瞬間こうも思いました。
「それらの呼びかけに背いたら、何が起こるんだろう?」
ちょうどその時、1日目最後のワークの案内がありました。深夜に差し掛かる可能性もあるため参加は選択制で、不参加を責められることもない。消極さんあたりがいつも通り引き止めに来ています。
しかし、自分のパターンを破り、これまで選択しなかったことをやってみたい。それは、自分への挑戦でもありました。
私は、そのワークに参加することを決めました。
山に呼ばれた女
夜のワークは、言ってしまえば”山に登る”、というシンプルな内容でした。
頼りになるのは自分の五感だけ・・
そして、山の麓に到着したとき、私は喜びに湧き立っている自分を感じました。
それは、なにか巨大な生物に呼ばれているような、魅惑の旅路に誘われているような感覚で、そこにはなんとも形容しがたい高揚感がありました。
そして次の瞬間、こう思いました。
「いま、感情が湧いている。」
その時道先案内人のタケさんに、こう言われたのを覚えています。
「べべさんから、大きく跳ねるようなエネルギーを感じます。」
どうやら、外にも漏れていたようです・・
そうやって喜びを誰かに共有できたこともまた、嬉しい体験でした。
私の在りたい姿
そこからは、驚くほどリラックスしながら、ゆったりと山時間を過ごしました。
木々を照らす月明かり、暗闇から聞こえる音、脇を通り抜けていく風、それを全身で感じながら、まるで山と自分が一体化しているような・・
あの時見た光景はきっと、これからも忘れることはないだろうと思います。
「自分に正直でいたい。」
私の在りたい姿を、認めた瞬間でした。
→DAY.2に続きます
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