デザイナーになって2年の振り返りと、なんでデザイナーになったんだっけのひとりごと。
この4月でデザイナーとしての3年目に入りました。
ちょうど区切りのタイミングなので、デザイナーになった頃からのことを振り返りながら、思いつくままにつらつらと書いてみようと思います。
デザイナーになるまで
過去の経歴を振り返ると、社会人になって最初の3年半は事務の仕事、マニラに引っ越して2年ほどは営業の仕事、その後セブでコンテンツ作成をしたり、タイのマッサージ学校で学んだり、お寺で瞑想修行したりして、2年ちょい前に日本に戻ってきました。
マニラで暮らし始めた5年ほど前からコーディングの勉強を趣味で始めていて、それが最初にWebに触れたきっかけ。
(そう言えば、ガラケー時代に好きなアーティストのファンサイトを作って育てたりはしていました)
デザイナーになろうと思ったタイミングは、セブでデザイナーの方と出会ってデザインの意味の誤解を解いてもらって「デザインって面白いな」と思うようになった、2年半前。
それからはコーディングと併せてWebデザインの勉強もゆるゆると始め、デザイナーの仕事って何なのかをググったり、WordPressでサイトを作ってみたり、Photoshopをいじってみたりしていました。
なんでコーディングを勉強したり、デザイナーになろうと思ったかというと、いろんな国を転々としながら同じ仕事を続けられるようになりたかったから。
「生きている間にいろんな所で暮らして、いろいろな人と関わって、いろいろな考え方や文化を知ったり、いろいろなものを見たい」という私の願望を実現するための理由です。
フィリピン暮らしも3年が経ち、飽きたので別の国に行こうと思っていたその頃、デザイナーとしてやっていくのなら日本で企業に入って経験を積んだ方がいいだろうと思いつつ、でも日本で暮らすのは窮屈で気が進まず悩んでいました。
結局、「一旦帰国してデザイナーとして就職できるか頑張ってみて、無理だったら別の国に行こう」と決めて2018年末に帰国。
久々の田舎の実家で1ヶ月間は何もせず家族とまったり過ごした後、2月に入ると自室に引きこもりガツガツ勉強していました。
(Daily CocodaやってUIの勉強したり、ポートフォリオサイト作ってみたり)
そしてTwitterやnoteでの発信を見た方から一緒にやらないかと声をかけてもらうことがちらほらと出てきて、そして手伝っていた関係の会社からうちで働かないかと誘ってもらい、そのまま4月から東京の小さなスタートアップで働くことになりました。
(この記事が思いの外反響があった)
デザイナーとしての1社目(2019年4月〜8月)
始まったばかりのシード期のスタートアップ、一人目のデザイナーとして、デザイナーとしてのキャリアがスタート。
ただただデザインを仕事として出来ることが楽しくて楽しくて、寝る時間以外はずっと仕事をしたりデザインの勉強をしたりする生活を送っていました。
ただ、帰国したばかりで周りに仕事仲間以外の知り合いもほとんどおらず業界のこともわからないまま、ネットの情報だけを頼りに仕事をしていて、「これでいいのか?」「自分はちゃんとやれてるのか?」と不安と闘う気持ちもありました。
今の自分から当時の自分に何か言うとしたら、「その働き方が正しいかどうかはわからないけれど、頑張って自分で考えてもがいた先にしか成長はないから、その頑張り方は正しいよ」かな。
5月からは、浅草にあったデザイナーの集まるバーにちょこちょこ顔を出すようになり、デザイナーの知り合いがたくさんでき、不安な気持ちを聞いてもらったベテランデザイナーさんから「みんな最初はそうだから、それでいいんだよ〜」と言ってもらい、みんなこの気持ちを乗り越えてきているんだな、と救われたりもしました。
その会社でのことは、辞めた頃に別の記事で書いたのであまり深く振り返るのはやめますが、いろいろあったものの、今思ってもあの時あの会社に入れてもらってよかったなと思います。
スタートアップ特有のカオスな状況で何でもやりながら過ごしたあの経験と、そこで困難を乗り越えるために走りながら学んだ多くのことが、今の自分の思考の型や仕事への向き合い方に繋がっているんだろうな、と。
デザイナーとしての1社目があの小さなスタートアップでなければ、きっと自分のデザイナーとしてのタイプは結構違うものになっていたんだろうなと思います。
転職活動(2019年9月)
そして辞めた後、1ヶ月の転職活動期を過ごしたわけですが、その頃の自分は、「自分に足りないデザイナーとしてのスキルはなんだろう?」と考え続けていました。
学習欲は止めどなく溢れているのに、あと何を身につければデザイナーとして一人前に近づけるのかがわからない、という焦りのような気持ち。
他のデザイナーと一緒に働いたこともないので、「ちゃんとしたデザイナー」がどんな感じなのかもよくわからず、比較対象がないため自分の得意不得意も全くわからない(というか全部に自信がない)。
でも今の自分からすると、「デザイナーとひとことで言っても人によってスタイルは全然違うし、自分がどういうデザイナーになりたいのかも見えていない時に、平均的な「デザイナー」の型にハマろうとするのはあまり意味がなさそう」という感じ。
(でもネットとかでモデルケースにしたい人を見つけたら真似してみるのはいいと思う)
自分の得意不得意に関しては、人と関わりながら働く中で、自分を客観的に見れるようになることでわかってくるものなのかなぁと思うようになりました。
私は現職でも担当事業ではずっと1人デザイナーだけれど、昨年秋から横串のデザインチームが発足して他のデザイナーの仕事の仕方が見えやすくなってきてから、ようやく少し見えるようになってきたくらい。
そういえばこのニート期に、苦手意識を持っていた「絵を描く」ということに自主制作でiPadでガッツリ取り組んでみたのですが、今思っても仕事にはほとんど活きてないとは思いつつ、やってよかったなと思います。
一度向き合ってみたら満足したというか、「あぁやっぱり苦手だな、でも嫌いじゃないな」と思ったり、「業務上必要になったらここまでのレベルは自力でやれて、それ以上は人に頼む必要があるな」という範囲が分かったり。
その後も、あまり使う頻度が多くなく苦手意識の拭えなかったイラレで毎日自主制作したりとか、美大出身の人の話を聞いて「ちゃんと基礎から勉強するの、憧れるなぁ」と思ってデッサンを始めてみたりとかしました(思い返すと私の苦手意識はことごとくグラフィックだな)。
しかし、それは今思うと、当時頭にあった「ちゃんとした一人前のデザイナー」のイメージと自分との差分であって、自分に必要なものではなかったかな、でも楽しかったし何でもやってみるものだなぁ、と思いました。
話がだいぶ逸れたけれど、まぁとにかく、まだ経験も実質半年しかないような初心者(バナー作ったりWeb作ったりはセブでもちょっとやってたが)で、前職は成り行きで入ったので、初めてのデザイナーとしての転職活動中は結構悩みました。
具体的にどこに入るかの悩みでいうと、製作会社に入って着実に「作る」スキルを磨くのか、また事業会社に入って「考える」スキルを磨くのか、という2択。
結局、ベンチャーっぽい事業会社と大企業っぽい事業会社から同じタイミングで内定をもらい、現職のベンチャーっぽい方を選びました。
結果的に製作会社ではなく事業会社にしましたが、今思うと、どちらに入っても楽しかったんじゃないかなぁと思ったりしています(どこの会社に入るかは重要だけど)。
今の会社を選んだ理由は、大企業っぽいところが苦手なので合いそうだなと思ったことと、ミッションドリブンな会社でデザイナーが働きがいがありそうだなと思ったことと、面談をしたPMと一緒に働いてみたいなと思ったことでした。
(ちなみにきっかけは、Twitterで流れてきたbosyuで連絡してみたことでした)
今の会社(2019年10月〜)
今の会社のことも割と他の記事で振り返っているので(あとここまでが思いの外長くなりすぎて疲れてきたので)、さくっと。
今の会社に入社して最初の数ヶ月は、実は結構しんどかったんですよね。
いろいろとあったんですが、頑張っても頑張っても自分がそこにいる意味が何も生み出されていない状況、自分の無力さに自己嫌悪し続けていて、2019年末の振り返りnoteでは振り返るのがつらすぎて入社してからのことには触れられなかった。
もちろん全てがつらかったわけではなく、当時一緒に仕事をしていたPMとプロダクトについて語ったり、他の事業部の人と交流したりするのはとても楽しかったのですが。
2月半ばからは、コロナ対策でフルリモートになりましたが、もともと週一くらいでリモートの作業日をとっていたので、自分自身は特に問題なく切り替わりました。
その後、2020年の春頃になると状況が大きく変わり、新規プロダクトの担当になって、新しいチームができて、リリースまで全力で(本当に全力で)駆け抜けました。
前職のスタートアップでもプロダクトを0→1で作っていましたが、この会社でプロダクトのサイトを丸ごと新しく作ったり、VIやロゴも自分が主体となり作らさせてもらえたことは、5人規模のスタートアップでの経験とはまた違う、とても大きな学びのある経験でした。
やっぱり0→1は楽しい。
フルリモートで一度も会わずに進めたプロジェクトながら、つよつよ過ぎる開発チームのお陰もあり特に問題なくリリースすることができたのですが、チームがもっと動きやすくなるためにデザイナーがもっとPMの補佐的な動きができればいいのに、と思うようになり、この頃からPM的なスキルを身に付けるために本を読んだり記事を読んだりするようになりました。
今は、PMというよりUXデザイナーとして、チームのみんなが動きやすい組織やプロダクト改善の進め方について、インプットしたり考えたりしています。
新しいプロダクトのリリース以降は、たまたまその目立つ仕事をしたことで、社内外のいろんな方から嬉しい声をもらえることがたくさんあったり、年末には会社で頑張った賞をもらったり、1年前の自己嫌悪にうなされていた年末には予期していなかった未来になったなぁという気持ちでした。
さらに秋からは、社内で事業部の枠をまたぐデザインチームが発足。
この出来事は、今振り返ると当時の自分が思っていたよりも自分によってプラスの影響が大きくて、自分のデザイナーとしての自信や、会社の中で働く上での安心感に繋がっていると感じています。
この会社に入ってからも、なんだかんだ事業部にはデザイナー1人なのである部分では1人で頑張ってる感が強かったのですが、他事業部のデザイナーとコミュニケーションが取りやすくなったり、デザインマネージャーとの1on1が始まってデザイナーならではのモヤモヤを相談しやすくなったりして、やはりデザイナー同士だと「わかる〜」とか「いやそれはおかしいだろ」なことが共感してもらえたりするわけで、仕事がやりやすくなったなと思います。
そういったいろいろな環境の変化もありながら、振り返ると入社した最初の頃は「期待されている、早く成果を出して応えなくては、、」という気持ちだった自分が、今は「信頼されているし、自分はただ為すべきことを為す」という気持ちでいられているのが、大きな成長かなと思ったりしました。
あと、会社で以前からゆるくは存在していた目標設定の制度?が本格的に始まったのですが、これも自分にとってはよかったなと思います。
最初は目標の設定の仕方が難しかったのですが、目標を決めたことにより意識が高まり自分の習慣が改善されたり、振り返る時に自分の課題を見直すことができたり、デザイナーとしての成長という意味でも日々がますます意義のあるものになっているなぁと感じます。
プロダクトのUXに責任を持つデザイナーとしての事業チームの中での役割や立ち回り方については常に考え続けているのですが、目標設定とその振り返りの中で、最近割としっくりくる課題を発見することができて、今、それに取り組み始めていたりもします。
忙しい時はなかなか振り返る余裕がなかったりしますが、未来の軌道修正のためにも、目標設定・振り返りは思っていた以上に有効だな、とやってみて思いました。
振り返ってみて
思うのは、「そういえば自分、去年くらいまでめちゃくちゃ自信なかったなー、、」ということ。
今も自信があるわけではないけれど、ある程度はたぶん自分のスキルが客観的に見えるようになってきて、組織の中での在り方にも慣れてきて、余計なことを気にせずやるべきことに集中できるようになったのかな、と。
近くに「先輩」のいない環境で一人デザイナーとしてやってきて、「チームに迷惑をかけないように、自分の足りないところを埋めて早く一人前のデザイナーにならないと」という不安な気持ちは去年くらいまであったと思いますが、最初気にしていた、「デザイナーとしてどうなるべきか」という問いはそもそも「デザイナー」になることが目的ではないのだからあまり意味はなかったな、と思います。
目の前のやるべきことのために、その時その時に必要なことをインプットしたり助けを求めたりながらこなしていく。その結果デザイナーの枠から外れていても、私はそもそも「場所に縛られず働けるようになる」ための手段としてデザイナーになろうとしてるわけだから、それさえ達成できてればいいのかなと。
既存の型を意識した方がいろいろ便利なところはあるけれど。
なんかこう、今振り返っていて思ったのは、私はいろいろと無駄に考え過ぎということですね(考えるのが好きだから仕方がないのかもですが)。
私は私の通ったルートのことしかわからないし、今でもデザイナーとしてのキャリアの最初に製作会社に入ってたらもうちょっと基礎力磨けたのかな、、グラフィックデザインの苦手意識減ってたかな、、、と思うこともありますが、きっとないものねだりなのでしょう。
まぁでも、デザイナーになる前に日本で働くかそのまま別の国に移住するかの分かれ道で日本に来たのは、ラッキーだったのかなと思います(その後コロナがこんなことになるなんて思ってなかったので)。
しかしどんな方向に進んでも、そっちに進んでよかったと思うことのできる未来を作って、楽しい人生にできればそれでいいわけで、今の自分はやっぱり今の自分でよかったなぁと思うので、引き続き楽しく生きていきたいなと思います(なんだこの日記)。
デザイナー新人時代に一区切りつけて、デザイナー3年目、しっかり着実にいい仕事をしていけるように、もっともっと頑張ります。
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