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どうでもいいシャロースイングの疑問?

(2021年11月更新)

皆さんこんにちは!

今回は先日ふと目にしたゴルフ記事から「シャロースイングと飛球法則」についてお話ししたいと思います。

2021年4月ごろの渋野日向子プロのYahoo !ニュースのとある記事だったのですが、我が家では現役ゴルフコーチの主人と元ゴルフコーチの私で夫婦喧嘩になるくらいの熱い議論になってしまいました。(誰のことで言い合いしてるん)

結論とかはないんですけど(ないんか)、ゴルフオタクインストラクターがどのようにゴルフスイングを考えているのか?っていう点ではおもしろいかもしれません。期待せずにお読みください。笑



渋子ちゃんの予選落ち

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渋子ちゃんこと渋野日向子プロ、2021年4月頭にアメリカ、ミッションヒルズCCで行われたUSLPGAのANAインスピレーションに出場しましたが、残念ながら予選落ちしちゃいましたね。

このコロナ禍で海外の試合に出場するのはアスリートにとって負担が大きく皆さんの想像以上に大変だと思います。PCR検査や入国後の自主隔離だけでなく、全ての私生活にいつも以上の注意を払わなければいけないので、試合する前に神経すり減りそうですよね。海外の試合に参戦している全てのアスリートにはタフに頑張って欲しいですね!!

で、まずその渋子ちゃんに関する記事を読みました。
【これね】

ほ〜ほ〜的な。
ここで記事を主人に翻訳してあげました。

アメリカ人の彼は「記者の書き方に好意を待てない。渋子はタイガーウッズじゃないんだから、たった1回の予選落ちなのに、ほっとけばいいだろ?好きにさせてやればいいのに」と言ってました。内容じゃなくてそっちが気になるのね。笑

わたしは記事で渋野日向子プロのスイング改造に対してのコメントが気になりました。何か腑に落ちなかったんですよね。

そんなこんなで皆さんにも1度考えてみて欲しいです。



ではその記事を見ていこう

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渋子ちゃんのスイング改造について書かれている部分が以下の通り。

渋野はこのオフからスイングを改造中だが、その成果が出ていない。肩よりグリップが上がらないようにトップの位置を低くし、縦振りから横振りにスイングを変更しているが、弊害も大きそうだ。プロゴルファーの沼沢聖一氏はこう言う。
「左へのミスを防ぐ目的があるのでしょうが、クラブヘッドがシャロー、つまり寝た状態で入ってくることでスピン量は減ります。そのうえ前下がりやラフなどライの悪いところでは非常に打ちづらくなってしまうスイングです。硬いグリーンでボールがオーバーするのもスピン量が足りないため。アプローチにダフリのミスが多いのも、まだスイングが固まっていないことと、シャロースイングからくるものだと思います」
新しいスイングは、オフに何度か練習を共にした石川遼(29)のアドバイスがあったとされる。米男子ツアーでは主流になっているスイングだが、この経緯は異例だという。

ということでした。



わたしの抱く疑問

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わたしの中で何か引っかかっていた「そういうものなのか?」という部分は、プロのコメント冒頭の【左へのミスを防ぐ目的でシャローに寝かせているのでしょう】の部分です。

まず記事もあるように、最近渋子ちゃんはスイングを少し変えたようで、ややシャットフェイスで(元々なのかな?)+非常にフラットなスイングプレーンに下ろしてきていますよね。

ですが!

ここで一度皆さんが言うシャローに寝かせるスイング/シャロースイングってのはどういうことか考えてみませんか?

・【スイングプレーン】がシャローなスイングなのか?
 スイングプレーン全体がシャローなのか?
 ライ角から考えてフラットになったらシャローなの?
 P4〜P5で寝かせるシャロー?
 P6〜P7で寝かせるシャロー?
 P4〜P5でスイングプレーンに乗せるシャロー?
 それともシャフトを実際に倒して寝かせるシャロー?
 
・【入射角】がシャローなスイングのことなのか?
 どのくらいからがシャローなの?度数は?基準値は?

・【両方】ともシャローなスイングのことなのか?
 もう漠然とし過ぎててどんなスイングのことなのか分からなくて泣くw

この機会にシャローの定義をはっきりさせて欲しいな〜と思います。

スイングプレーンがシャローだと入射角も「比較的」シャローになり易いと思いますが、必ずしもそうではないはずです。

シャローなプレーンで下ろしても、インパクト前に尺屈を強めたら入射角はスティープになりますよね。逆にスティープで下ろしてきてもインパクト前に体を右に倒し掬うように打てば入射角をシャローにすることができます。

もちろんスイングプレーンと入射角は強い相関関係(Correlation)にあると思いますが、個人的には絶対的なものではないと思っています。

そしてこの記事のシャロースイングが「プレーンがシャローになる→結果入射角もシャローになる」タイプのスイングのことを話しているのなら【左へのミスを防ぐ目的でシャローにしているんだろう】という考え方は自分とは少し違います。



なぜそう感じたのか?

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例えば、飛球法則から考えるとアイアンでは入射角がシャローになればなる程、最下点はより飛球線後方側(ボール手前方向)に動くのでクラブパス(軌道)はより左に向きます

(これはスイングディレクションとローポイントが同じ、入射角がシャローなスイングとそうでないスイングを比べた場合です。)

渋子ちゃんはドローヒッターでややシャットフェイスですよね。しかも上半身を少し右に傾けながらスイングするのでスイングディレクションは結構右に向き易いタイプのスイングをしていると思います。

そして一般的に左ミスが起こる原因はインパクトの打点の位置と、インパクトのクラブパスに対するフェイスの向き(F2P)が原因です。(体の動きの影響も少しありますが圧倒的な原因はこれ)

と考えると…もし渋子の左ミスがF2Pからくるものなら…
(クラブパスに対するフェイスの向きが閉じ過ぎているのなら)

入射角がシャローになればクラブパスはより左に向くので
クラブフェイスの向きを以前のスイングのまま維持できるのであれば
理論的にF2Pの数値が少なくなり、クラブパスとフェイスの向きはより近くなるので左への曲がり幅は小さくなるはずです。

…あれ?
記事のプロのコメント通りじゃないですか?と思ったあなたは鋭いです。


では、このことにより→どういうことが考えられるのか?
考えていきましょう。



さらに傾向を加味して考える

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ここからは率直に個人的な意見をお話ししますね。
全然論理的ではないです。笑

まず一般的にシャットフェイスタイプのドローヒッターがクラブパスの向きをよりニュートラルに変えると左ミスが増える傾向があるものだと私は考えています。
ソースとかはありません!経験上そういうものだと思ってます!
(ただの個人的感想。笑)

と言うのも、わたしが以前書いた【ドローに関する記事】を読むとわかると思いますが、ドローヒッターがクラブパスをよりニュートラルにするということは、オーバードローさせないためにフェイス向きをより慎重にコントロールしなければならないからです。

(左ミスというのは自分が思ってるよりも左に曲がる球のことであり、つまりオーバードローという程で話しています。)

例えば、今までクラブパスが+4でフェイスを0〜4未満になるようにしてドローを打っていたゴルファーが、クラブパスをよりニュートラルに+2でドローを打とうとした場合、フェイス向きを0〜2未満でインパクトさせることになります。
(オーバードローさせない条件で打点が真ん中だったときね。ギア効果の話は置いておいて)
 
パス+4 フェイス0〜+4未満
パス+2 フェイス0〜+2未満

(これよりフェイスが閉じると出玉はターゲットラインより左になります。)

そして、もしここで彼女がシャローなプレーンからの→シャローな入射角のスイングに変化させたにも関わらず、P6あたりから体の運び方を以前のスイングと同じようにおこなっていた場合、クラブヘッドはかなりプレーンの下から(Underneath the planeに)入りやすくなるので左へのミスは増し増しになる可能性が大です。

Underneath the planeは、中〜上級者に見られるスイングエラーで、クラブヘッドがプレーンの下から入るので、クラブパスのインサイドアウトが強くなり、クラブヘッドが手元に対し遅れ、フェイスも開くので、ゴルファーはそれを調整しようとフェイスを大きく返したり、手元をあげることでヘッドを間に合わそうとたりします。

そんなこんなで、元々渋子ちゃんがどれくらい左に行くミスを懸念していたのかは知らないですが、左ミスを軽減したいからシャローなスイングを取り入れるってのはむしろより左に行くのではないだろうかと個人的に思ったんですよね。

皆さんはどう思いますか?


なぜ夫婦で言い合いになったかと言うと…

私は元の記事の主張は理論上間違ってないとけどリアルじゃないし、やっぱリアルに考えたら左ミスが増えるんじゃないかな〜?と思っていたら…

主人「これはもう完全に左に行くシャローのやつやねん」と。
私「そうやけど、ケースバイケースやな」
主人「それより左ミスを無くすなら左手の掌屈は少なくするべき」
私「掌屈はロフトを立てるけどいつするかのタイミングやん?フェイスを閉じる直接的な動きは左の回外だしそれもタイミングやん?そもそも上半身のチルトが変わらなかったら結局スイングディレクションは右だし結果打球は左いくじゃろ??」と。

で、うんたらかんたら言うて、あーでもねー、こーでもねーって話ていました。
最後はなぜか怒られて終わり、私の減らず口がいけなかったのかなと少し反省してます笑



ここでシャロースイングの注意点

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参考にした記事にもあったように、シャローなスイングだとスピン量は比較的少なくなる傾向にあると思います。

ヘッドスピードの速くないゴルファーの場合(ドライバーでHS40前後くらい)、ウェッジ・ショートアイアンなど短いクラブはシャローな入射角だとスピンはかかり過ぎないので飛距離は当然伸びますよね。

ですが!

グリーンで止まらないほどスピン量が減るとは思いません。普通に考えて、クラブの特性的にウェッジならグリーンで止まるくらいのスピン量は出るはずです。

ですが!

ロングアイアンなど長いクラブの場合、あまりに入射角がシャローだと、HSの遅いゴルファーの場合、球が上がりきらないことによる飛距離のロスやグリーンでボールが止まらないという問題は出てくると思います。(スタティックロフトとダイナミックロフトにもよるけどね)

皆さんには、自分のポテンシャルを最大限生かすためにも、自分のスキルレベル相応のデータを出せるスイングを目指すのがいいのではないかな?とお伝えしたいです!

シャローでもスティープでも自分が打ちたい球を打ててるんならいいと思います。流行りだからやる、やった方がいいと言われたからやるのではなく、自分のどんな動きがどんなデータに繋がっているのか把握してください。その上で、目的を達成するための手段になるならやればいいですよね。目的なく見た目重視だとか流行ってるからとかでスイングを変えるのはあまりよくないな〜と個人的に思います。

この記事を読んでるオタクのみなさんはこれを機会に飛球法則とその活用方法について学んでみてください。そうすれば表面上だけじゃなくて、しっかり「何故そういう意見があるのか?」ちゃんと理解できると思います。

なんでもそうだけど、自分から学ぼうという姿勢が大事だし、受け身になって情報を鵜呑みにせず疑う、で思考を止めないこと。ゴルファーとして、学ぶ人間として、自分で自分を教育してあげてください。これ大事です!




おわりに

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今回は飛球法則の勉強は大事だよ〜っていうことで締めくくりたいと思います。

みんな自分を教育してあげよう!

Self Learning
Self Education

大事だよね!





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