風呂
1.風呂
風呂好きである。
真夏の盛りも真冬の最中も、基本的には浴槽に湯を張る。
夏期講習などで疲れ切ってシャワーで済ませる日が続くと、より一層疲弊する気がするのだ。
ただ、一人暮らしなので、毎日そんなに大量のお湯を張るのは少々忍びない。
よって、ミレーのオフィーリアばりの浸かり方をする。
これで疲れが本当に取れているのか甚だ疑問ではあるが、今のところ困ってはいないので平常時は毎晩オフィーリアと化している。
平気で1時間、2時間入るので、何度か「死んでない?」と確認されたこともあった。
そんな長時間にわたってなにをしているかといえば、大概本を読んでいる。
本を買ったら、一度目はちゃんと陸で読むのだが、二度目以降は浴槽の蓋をペンコペンコと広げ、タオルを敷いて、風呂場で読むことがままある。
これは!という本は、「陸用」「水用」と2冊揃えることもある。
山月記をお風呂場で朗読していて感極まり、文庫本と一緒に入浴してしまった経験があるからだ。
実家にいた頃は、ガラスの仮面を1巻から読んだり、ハリーポッターシリーズを持ち込んだりしていたので、気づいたらぬるくない?寒くない?ということもしばしばだった。
将来の夢はいくつかあるが、そのうちの一つが「追い焚き機能のある浴室で日がな一日本を読むこと」である。
ちょっと変わった夢、かもしれない。
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