さめ
1.かわったサメ
サメが好きだ。
パラオではサメばかり撮っていた。
かっこいいサメも好きだし、エイリアンに近しいサメも好きだ。
サメそのものがなんとなく変なのも、好きだ。
サメ肌。
言葉通り、サメの体表はざらざらしている。
実はこのうろこ、歯と同じ成分でできているというから驚きである。そりゃあ山葵も削れよう。
肝油。一世代前の文を読んでいると時たま出会う謎の物体。
あれはじつはサメやエイの肝臓の油分からできている。
水と油は分離する。油が浮いてくる。油の比重が軽いからだ。
サメが水中で浮いていられるのは、この油が詰まった肝臓のおかげらしい。
普通の魚は進化の過程で浮き袋を得たのだが、サメは「別にこれで困ってないし」と進化をやめたらしく、ある種のサメでは体重の25%が肝臓という。脂肪肝オブ脂肪肝。
ほんとにいいんだろうか。
サメは、古代デヴォン期に起源を持つ。
新生代になって現代とそっくりの形のサメが世界中に広まって各地に適応したので、いろいろな形・性質をもつサメが誕生した。
ゴジラのモチーフになったと言われるラブカなんか、夜中に出会ったら間違いなく地球外生命体である。
マグロ同様、泳ぎ続けないと溺れてしまうサメもいれば、海底でじっとしているサメもいる。
ただ、静止するとどのサメも一様に沈むという一文を読んだ時はなぜが胸がきゅんとしてしまった。
また、硬骨魚類ほど上手にひれを使えないためブレーキがかけられないらしいし、サメの語源は「小目(さめ)」だというし、もうこれはきっと恋か同胞愛に違いない。
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