スヌード
1.スヌード
防寒が下手だ。
厚着が苦手で、天気予報を見る習慣がなく、家は昼間だけ日当たりがいい。
間違えることしかしない。
今日なんかはかなり辛い。寒い。寒すぎる。そして風が強すぎる。
そんなとき、わたしの相棒になるのがロングスヌードだ。
普通のスヌードは頭から「すぽっ」とかぶる短いものだが、わたしがここ数年愛用しているスヌードは長い。
首からぶら下げると腰あたりまで輪っかがくる。それをくるっとするだけで二重巻きにできて、耳あたりまでガードできる。
しかも首が苦しくない。
荷物にならないし、すぐ巻けるし、風で飛ばないし、さいこうだ。
もっぱらジーナシスのものを愛用しているのだが、ここ最近は新しい型が出ない。大事に保管してクリーニングしながら騙し騙し使っている。
今はもう10歳になる姪っ子がまだ小学校に上がる前、わたしの黒いスヌードのことを「あやちゃん」と呼んでいた。
もはやわたし=スヌード=わたし。
冬の間中、黒くてモハモハしたものに覆われている叔母の本体は、スヌードに見えていたのかもしれない。
(もはもは)
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