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USBメモリー紛失問題の裏側にある「悪しき慣行」

いつも読んで頂きありがとうございます。
Amuletの迫頭です。

今日のお話は最近大きな話題を呼んだ、尼崎市のUSB紛失問題です。
この問題について、私自身以前から思うところがあり、今回取り上げることにしました。

この問題は個人情報満載のUSBを持ったまま飲みに行って、泥酔し路上で寝てカバンを無くす。
その後の会見では堅牢性をアピールするためにPWの桁数言っちゃう。
この2案件は別人ですが、なかなかのやらかしっぷりですよね。

この問題でよくあがってきた企業名がBIPROGY(ビプロジー)。
日本ユニシスって名前なら皆さんもよくご存知ではないでしょうか。名前を変えて心機一転をするはずが、みなさんに認知されるきっかけがこれとは、、私はこの一件で知りましたw

さて、一連の報道を見ていて私が一番気になったのは、問題を起こした張本人の所属先です。
尼崎市から委託されたBIPROGYの下請けの下請け。元請けを含めた業者が無断で再委託を繰り返していたことが、報道でも大きく取りあげられていました。
今回の報道では、そもそも再委託は許可を取ればOK。しかし、出てきた事実は無許可の再委託でした。

実際、IT業界にいる方であればこの話を聞いても「ふーん」って感じだと思うんです。

そもそも現場で作業をされているITエンジニアさん。いわゆるSESと呼ばれる形態では、きっと今回のような商流なんてザラだと思います。

しかし、今回のような問題が起こると疑問が生まれるわけです。
「え?おたくの社員さんじゃないの?え?個人事業主なん?」
みたいなことが起こります。大体、世の現場ではこんな感じですw

私がIT業界に入ったのは約20年前。その時からこの形態は基本的に変わっていないんです。
今回のような問題は以前にも当然ありました。問題が起こっては気を引き締めて、そしてまた、緩んでいく。

Yahoo!ニュースでも商流について取り上げられていました。
世論はこれをおかしいと捉えている。それなのに、今でも変わらずこの商慣行は続いているわけです。

今回、最初の報道がなされるまでにタイムラグがあり、「遅すぎない?」というコメントがありました。

そらそうでしょw

個人事業主 → A社 → アイフロント → BIPROGY → 尼崎市役所

これだけ間にかんでる会社があれば、そりゃ半日くらい余裕でかかるってもんです。

AIだ、DXだと叫ぶIT業界もこんなもん、、って、なんか滑稽ですよねw

ひと昔前、労働局が二重派遣を大量摘発したことがありました。
摘発された会社は、2ヶ月の営業停止処分を受けるなど、なかなかのインパクトがあったのではと思います。
その後の対策として、発注元は協力会社の社員であることを証明してもらうために、保険証の提出をお願いするようになりました。

しかし、その時も結局あの手この手でそれをかわそうとする会社があるわけです。まさに、いたちごっこなんですよね。根本的な解決にはいたっていない。

今回のようにデータを持ち出すというのは当然論外です。
ただ、そもそも元請のBIPROGYが末端まで商流を把握できていないこと、無許可で再委託を繰り返していたこと自体が問題です。
商流の間に入っていた会社も、自社HPで謝罪文を公開していました。
中間マージンをもらっていただけだとは思いますが、高い代償を払うことになりましたね。

これを契機に、業界の悪しき商慣行が改善されることを切に願います。

また来週お目にかかりたく思います。

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