僕らは明日を咲う 第3話 黒と白
群像劇。誰もがその世界の主人公。何気ない日常。それが一つの物語となる。短編物語。
第三話登場人物
田中京佳
黒に染まってしまうと何をしたって、白にはなれないよ。表面だけ白を塗り重ねても、中身は黒のまま。本当に白になりたいなら、全てを変える必要がある。
私は、あなたが本当に白になって欲しいと思うから言ってるんだけど。気にしないで。
善意は押し付けるものではないから、あなたが本当の白になるかはあなたが決めること。
今日、クラスメイトに言われたことだ。
私の名前は、田中京佳(たなかきょうか)。高校二年生。今じゃ優等生と言われる私だが、中学時代はそれなりのやんちゃをしていた。
それをクラスメイトに話したら、さっきのことを言われた。
なんであんなこと言われなくちゃいけないの。私だって、過去のことは後悔してるし、優等生って言われるようになるまで相当頑張ったのに!
……。
分かってる。過去は変えられない。私がしたことも無かったことにはならない。
家でのモヤモヤを外で暴れることで解消していた。優等生になった今でも、親とは必要最低限の会話しかしていない。
私は中学時代ずっと悩んでいた。私は何のために生まれてきたのか。ずっと考えていた。
やっと分かったよ。
私は生きるために生まれてきたんだ。
だから、この人生全力で生きるよ。それは、ずっと前に進み続けるとかではなくて。
最期の時、楽しかった。そう思える人生にしたい。
最初から、生きる意味なんて考えなくてよかったんだね。
この後、親とこれまでとこれからについて話そう。
第三話 終
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