愛と執念の備忘録【NCT 127 7th ANNIVERSARY FANMEETING ‘ONCE UPON A 7ULY’ チケッティング】
まさか自分が本国のイベントに参加したいと思う日が来るなんてまったく想像していなかった。
噂には聞いていたけれど自分が経験することは無いだろうと思っていた「チケッティング」。
そこは、オタクの愛と執念が渦巻く奥深き世界だった。
何も分からないまま初めてのチケッティングに挑戦し、奇跡的にチケットを取ることができた初心者オタクの三週間の記録。
はじめに
今回初めて本国イベントのチケッティングに挑戦して、幸いにもチケットを取ることができた。
しかし、これはチケッティングの極意とか必勝法を記したありがたい読み物ではなく、あくまでこの戦いの日々を自分のために残しておくただの記録である。
(ありがたい読み物については記事内でリンクを貼っておくので参考にしてください。)
でももしこの記録が、「Yes24 チケッティング」で検索してはあらゆるレポを読みまくった三週間前の私のような誰かにとって、いつか小さな光になることができていたらとても嬉しい。
記録
2023/06/16 渡韓決定&諦め①
NCT 127の本国ペンミが発表されたことをシズニ友だちからのメッセージで知る。
珍しく何の予定も入れていなかった三連休、シズ友からの「飛行機超見てるー!!!」の連絡、そろそろ解禁したいと思っていた海外旅行(私はもともと海外が大好きだ)。
もはや何の迷いも無かった。
一時間もたたないうちに私は航空券をおさえ、お宿の仮予約を済ませた。
しかし肝心なのはペンミのチケット。
グローバルFCであるACE会員先行チケッティングの後に一般チケッティングがあるとのことだったので、さっそくACE会員になろうとしたら三日前に新規入会が終了していた。(は???)
ただでさえ厳しいと聞いていた本国チケッティング+会場の激狭キャパ+先行チケッティングのスタートラインにも立てないことが判明し、いきなり出鼻をくじかれ最初から諦めモード。
でも高いけどグロパもあるかもだし!もしチケット取れなくても絶対楽しいし!翌日はウォヌ(SEVENTEEN)のセンイルだし!などと言いながらその日の午後はほぼ仕事をしていなかった。
2023/06/17-21 情報収集(&諦め②)
ダメ元とは分かりながらも挑戦してみるのが人間。
翌日からひたすら「Yes24 チケッティング」「韓国 チケッティング」などとググってはありがたい読み物を読んだ。
ありがたい読み物↓
加えて、この道10年超選手の学生時代の友人にも極意を聞いたところ
・諦めない
・VPN繋ぐ(無料お試しでチケッティング期間だけ契約する)
・練習する
ことを勧められたので、さっそくVPNを契約し、今回のチケッティングサイトであるYes24の別イベントのページを開き座席選択→支払いの流れを一生懸命予習した。
だが後から明らかになるが、この流れの熱心な予習は正直そこまで役に立たなかった。
あと、グロパはACE会員Onlyだった、ですよね!!解散!!!
2023/06/22 ACE会員先行チケッティング
一緒に渡韓予定の上述したシズ友が、奮闘の末チケッティングに成功したとのこと。やったね!
私は何もできないので、彼女が取れたんだからもういいよ早よ終わらんかなと思いながらただ指をくわえて待っていた。
2023/06/23 一般チケッティング
な~~~んもできんかった。
ありがたい読み物を参考に20:00ちょうどに万全の体制で臨んだはずが、先に600番台で繋がったMicrosoft Edgeのポップアップが許可できておらず(一番初歩的なミス)、結局後から繋がったGoogle Chromeで入ったので900番台くらいで入場。
まあでも600番台だろうが900番台だろうが誤差です。
各区画の上にカーソルを乗せると"Available Seats (数字)" の表示が出て、基本はずっと0なのだがカーソルをぐるぐるしていると、たま~~~に1になる。
それをクリックすると、確かに白い座席表の中に一席だけ紫の座席があった。
しかし、そんな空席を見つけてもすべて"Another customer is in the process of purchasing these seats." とエラーが出てしまい、10分ほどで残席ゼロ。
その後一時間くらいは突然思い出したように空席が出るも、すべて"Another …" でだめ。
途中でかなりサボりながら日付変わって一時くらいまで見ていたが、結局そこから動きはなかった。
まあそれも想定内、ここからのキャンセルを狙うしかないのは分かっていたことだ。
どのチケッティングレポを読んでも、経験談を聞いても、最終的には「諦めるな」しかなかったので、私はわりと心を強く持っていた。
良席なんて一ミリも望んじゃいない。
良席を望む誰かが手放す天井席だけを、私は最初から狙っていた。
全然関係ないけど、チケッティング中にネイリパのキャンペーンのトレカの当選連絡が来た。これはこれでやったあ。
2023/06/24-27 キャンセルパトロール
Yes24に縛られる生活の幕開け。
起きたらYes24、仕事の合間にYes24、昼休みにYes24、帰宅したらYes24、寝る前にYes24。
しかし、何度カーソルをぐるぐるさせても出てくるのは"Available Seats 0" のみ。
ぐるぐるしている間に0が1に一瞬見えたりしてしまい、何度も何度も勝手に落ち込んだ。
数日前に持っていた強い心はどんどん小さくなっていった。
「キャンセルが出る」という先人たちの言葉をまったく信じられないまま、私のルーティーンは「空席を探すこと」ではなく、「"Available Seats 0" をチェックすること」に変わりつつあった。
虚無感にさいなまれながら惰性で騙し騙しキャンセルパトロールを続ける日々の中、「諦めるな」という先人たちの言葉だけが、呪いのように私の中に刻まれていた。
2023/06/28 キャンセル無料最終日
一週間ぶりに"Available Seats 1" を見た。
チケット購入から七日間はキャンセル無料だったので動きがあるとすればこの日だと思っていたら、なぜかお昼の12時にサイトがメチャクチャ重くなり(これは今も謎)、13時ごろ立て続けに二席の空席を見つけた。
当たり前のように"Another…" が出てきたけれど、私にとってはそれすら希望だった。
しかし現実は甘くなく、結局帰宅後は六時間いつも通り"Available Seats 0" のチェックをし続けただけで、あまりにもあっけなくキャンセル無料期間は終了した。
2023/06/29 厳重パトロール&諦め③
前日のあまりのあっけなさに謎のスイッチが入ったのか、この日は我ながらだいぶおかしいカモというレベルで文字通り一日中パトロールをしていた。
愛と言えば聞こえはいいが、自分の感覚としてはこれはもはや執念だった。
最低限の日常生活を送る以外は基本的にずっと座席表をぐるぐるしていたら、一時間に一席あるかないかくらいのペースではあるが、空席が出る。
日付のタイミングなのか、監視時間の長さなのか何が主要因かは分からないが、とにかくこの日、19時間パトロールをした結果12、3席の空席を見つけた。
しかもそのうちの二つは二階席。
こんなにたくさんのキャンセルを見たのは初めてだった。
でも、全部だめだった。
何時だろうとどんな場所だろうと、空席を選択すれば必ず"Another…" が出る。
自分なりにもっとも速いスピードで反応しても、ぜったいに次の画面に移ることはなかった。
そして私は悟った。
これはもう無理だ。
ここまでサイトに終日張り付いて、できうる限り速いスピードで座席を選択してもぜったいに負けてしまう。
こんなYes24の奴隷みたいな異常行為をしている狂人が、私以外にもたくさんいることが恐ろしく、一方で謎の感動すら覚えた。
私と同じくらい、いやそれ以上の愛と執念と狂気を持った誰かの元にチケットが渡るのなら、それはそれで喜ばしいことだと画面の向こうの"Another person" を祝福した。
ここまでやってだめだったため、私には謎の達成感があった。
翌日からしばらく忙しくなる予定だったこともあり、私のチケッティング戦争はこの日幕を閉じた。
理論上はまだ挑戦できるし、また暇なときには癖でキャンセルパトロールをしてしまうのだろうけど、現実的に考えてチケットを取ることがメチャクチャ難しいことが分かったので、心が折れたというよりはかなり納得して、私はチケッティングを諦めた。
2023/06/30-07/05 キャンセルパトロール休止
現実が忙しく、ほとんどサイトを開けていない。
ペンミへの気持ちが吹っ切れたので、やっと彼らのコンテンツを見たり、どりむちゃんのBroken Melodiesを聴いたりできた。
2023/07/06 The Day
夜、暇だったので久々にキャンセルパトロールをしていたら、23:50を超えたあたりから突然空席が立て続けに見つかる。
こちとら"Another…" がデフォなので、ハイハイおっけーと思いながら見送っていると、三席目で突然次の画面に遷移した。
その区画はもともと二席空いていて、片方を選択してだめだった後にもう片方を選んだので、まあ〜〜〜〜当たり前にだめだと思っていたから嬉しさよりも驚きのほうがだいぶ強かった。
二週間やってきて初めて見た次の画面。
チケッティング前にさんざん予習した決済プロセスの知識が、ここでやっと初めて役に立った。
と言いつつ、チェック入れるところに入れ忘れていてエラー出たからあまり成果が出たとも言えないのだけれど。
そのままあれよあれよと決済まで進み、あっという間に確認メールが送られてきた。
振り返ると、翌日からまたキャンセル料が跳ね上がるタイミングだったため、この日の日付が変わる直前にキャンセルが出たのだろう。
私もそのタイミングがあることは把握していたのだが、ふつうに日数を数え間違えて翌日だと勘違いしていたのでそのときは何も考えず眺めており、本当に、本当〜〜〜〜にただ運が良かっただけだったと言える。
ペンミ10日前にして、私の現地スケジュールは一気に覆った。
2023/07/06 23:54、二週間に渡る戦いが、もっとも喜ばしいかたちで本当に幕を閉じた。
あまりにも一瞬の出来事すぎて現実を受け止めきれず、数分後の彼らのデビュー七周年記念日のお祝いTLにもろくに乗り切れないまま、私は放心状態でしばらく座り込むしかなかった。
おわりに
愛と執念とタイミングと運。
人生で初めてチケッティングに挑戦した初心者オタクの感想はこれに尽きる。
チケッティング玄人からすればきっともっとさまざまな戦略や思惑があるのだろうが、丸腰の私はただただ膨大な時間をこれに使い、運良く見つかった空席が運良く"Another person" に取られなかっただけだった。
きっと同じことをもう一度やっても取れる可能性は限りなく低いだろうし、そもそも今後ここまでのことを精神的にも体力的にも時間的にもできるかどうか分からない。できればやりたくない。
乱暴に言えば、今回チケットが取れた大きな理由は「暇だったから」だと本気で思っている。
加えて、愛と執念とは言うものの、結局見つけた空席を取れるかどうかの競争はやっぱり運の要素が強い。よわよわ日本回線ならなおさら。
呪いのように突き刺さった「諦めるな」という教えのおかげで良くも悪くも諦められなかったけれど、諦めなかったからといって取れるものではないということも同時に痛感している。
実際に私は何度も諦めたし、文字通りダメ元の気持ちで臨まないと精神を病む可能性すらあるだろう。
わりとメンタルが安定している自覚のある私でも、彼らのコンテンツは見られなかったし、どりむちゃんの新曲も聴けなかったし、チケッティングの夢も何度も見た。
でも、心のどこかで諦めなかったから取れたのも事実で、本当に、本当に奇跡みたいな確率だったのだなとあらためて思う。
そんな私だから別に後人に残せるようなありがたい教訓などはないのだが、強いて言うならタブレット(Surface)を使って挑戦したのは初動の速さという観点では良かった気がする。
あと、キャンセル無料期間が過ぎてもキャンセル料が変動するタイミングは動きがあるかもしれない。
でも、今回一番心に突き刺さった教訓は「グローバルFCに入る」こと!!!!以上!!!!!!
抽選とチケッティング、どちらが良いかという問いに私はまだ答えられない。
けれど、同じ画面を見ているたくさんのライバル兼同志に思いを馳せながらパトロールを続ける日々は途中から妙な連帯感すら覚えたし(私だけかもしれないけど)、誰にも後ろめたくない清廉潔白な方法で直前までチケットが入手できる可能性があるというのはとてもありがたいことだなとは思う。
とりあえず本国イベントに参加する皆さん、毎回この緊張感と不安を乗り越えて行ってるのシンプルにすごすぎるな。
会場で出会うであろうたくさんの"Another person" 一人ひとりにおつかれさまを言いたい、今はそんな気持ちである。
王子たちに会えるまで、あと一週間。
追記
↓ライブレポ