アイドル初心者、Sexy Zoneに出会い一日で激重オタクになる
※一部、セトリや演出のネタバレを含みます。
これは、生まれて初めて行ったジャニーズのコンサートでアイドルという存在の素晴らしさに涙し激重感情が止まらなくなり、友人に「激重の才能がある」と言わしめたアラサーオタクの備忘録である。
2022年7月26日(火)。
友人から突然「7月31日空いてる?」とLINEが来た。
彼女は毎度連絡が急なので、今回も夏休みの帰省にともなうご飯のお誘いだろうと思い、元気に「あいています!!!!!!」と答えたところ、予想とはまったく異なる言葉が返ってきた。
「Sexy Zoneのコンサートに…行かないか……」
……まじで?
生まれてこの方、「アイドル」という存在にほとんど関わらずに生きてきた。
私は音楽もその現場も大好きなのだが、邦楽おじさんバンドとミュージカル畑で長年育ってきたため、とにかく音楽たるもの歌唱力命、ビジュアルに重きを置く人々のことは正直少し苦手だった。
ところが、約一年前の「転落事故」によって、私の人生に「アイドル」が出現した。
私がまんまと落ちたのは隣国のグループだったが、それを機にアイドルと呼ばれる人々への印象も少し変わり、日本のテレビで歌い踊る人々のことも以前より興味を持って眺めるようになった。
そんな中、上述した友人から布教されたのがSexy Zoneだ。
彼女は学生時代から非常に幅広い音楽に造詣が深く、私は勝手に彼女の音楽センスに絶大な信頼を寄せていた。
だから、好みの違いはあれど彼女から音楽の話を聞くのは昔から好きだった。
加えて、Sexy Zoneといえば少し前に話題になった"RIGHT NEXT TO YOU"と、たまたま観た"NOT FOUND"のライブ映像で楽曲とパフォーマンスのかっこ良さを私自身も存じ上げており、この布教はある意味ナイスタイミングだった。
過去の名曲、迷曲、個性豊かなメンバー、そしてニューアルバム。
特別ファンになるというほどでなくとも、不定期で彼らの音楽を聴き、地上波のドラマやバラエティでメンバーを見かけると親近感を覚える程度には私は彼らのことが好きになっていた。
振り返って思うと、ジャニーズグループの中でも楽曲の雰囲気や歌詞、メンバーのキャラや声質等が私の嗜好と一致する部分も大きかったのだろう。
とはいえ、コンサートなど想定外だ。
ただでさえ激戦と聞くジャニーズのコンサートに、私のようなにわかとも呼べない人間の居場所などあるわけがない。全世界のジャニオタの皆様に申し訳なさすぎる。
そうは思いつつも、現場の楽しさは他界隈で充分知っているため興味はあるし、何より「ジャニーズのコンサートに行く」という経験への好奇心が勝ち、私は二つ返事で快諾した。
だが、準備期間があまりにも短いため結局ろくに予習もできず、セトリを確認しYouTubeに上がっている楽曲を聴くくらいしかできなかった。
せめてもの礼儀として、セトリに含まれる楽曲の歌詞とグループのWikipediaのページを読んで気持ちを高め、あっという間にその日がやって来た。
コンサートは最高だった。
私のようなポンコツ準備不足初心者にも優しい、楽しくてキラキラでファンへの愛に溢れる素敵すぎる空間だった。
一言で言うと、「アイドルありがとう」。もうそれに尽きる。
今回のアルバムコンセプトが「80's 90'sレトロ」というだけあり、コンサートでもアイドル全盛期の昭和時代を彷彿とさせる演出がかなり多かった。(またそのセンスが良い。めちゃくちゃ笑った。)
昭和を振り返る番組で見かけるような「アイドル」に彼ら自身がなり切り、時にそれっぽい演技を入れながら歌うシーンも何度もあった。
ジャニーズがアイドルあるあるを演じるというメタ的な演出が個人的には非常に興味深かったのだが、これが後々効いてくる。
本編の後半、世界中からアイドルが消えてしまうという危機に、市井の人として生きていた彼らが立ち上がり、伝説のアイドルとして蘇るという演出があった。
しかし私には、これがそれまでのメタ的アイドル演出と同じには思えなかった。
アイドルではなく市井の人として生き、アイドルが消えたというニュースをどこか意味深な顔で聞く彼らの描写は、演技でもなんでもなく、彼らのもう一つの世界線だ。
平均年齢14.4歳という若さでデビューし、すでにグループとしてのキャリアも10年以上となった彼らだが、その道のりは決して順風満帆であったわけではあるまい。
グループの体制変化やメンバーの活動休止、そして近年のご時世。
様々な大人の事情や自分たちでは解決できない苦難にきっと何度も直面し、嫌になることもあっただろう。
それでも、彼らは待ち続けるファンのためにステージに戻ってくるのだ。
他でもない「伝説のアイドル」として。
もはやそれは単なる演出や演技の域を超えていた。
ペンライトの海に包まれ、センターステージに降り立った彼らは、ジャニーズでも俳優でもタレントでもない、まぎれもない「アイドル」Sexy Zoneだった。
そして登場とともに歌われたアルバムリード曲"Forever Gold"。
その瞬間、涙が溢れた。
「アイドル」とはこういうことなのだと身をもって教えられたようだった。
10代からこの世界で活躍し続けた彼ら。
多感で大切な時期をすべて仕事(あえてこの言い方をさせてほしい)に捧げ、様々な苦難に直面しながらも笑顔でステージに立ち続けた彼ら。
そんな彼らが「伝説のアイドル」として、自身の、そして聴き手すべての人生を肯定するように歌う"Forever Gold"は、ある意味究極のファンソングとも言えるのではないかと思った。
ここには彼らが寄り添ってきたたくさんの人生がある。
光るペンライト一つひとつの先に、一体どんな彼らとのストーリーがあるのだろうか。
そして彼らはこの光の海のような景色を見て、何を感じるのだろうか。
Wikipediaで読んだだけの浅い知識しか無い私にはそれは分からないが、きっと、彼らとファンの皆さんが築いてきた壮大な歴史と強い絆があるのだろうと思った。
なぜ泣いているのかもよく分からないまま、私は彼らとセクラバの皆さんの、もっと言えば、アイドルとファンの関係の尊さにただ想いを馳せることしかできなかった。
アイドルになってくれて、ステージに立ち続けてくれて、私たちの光になってくれてありがとう。
どうか心身ともに健康でいてください。
これは正直、自分の推しに対して私がいつも思い続けていることでもある。
同じことを目の前の彼らにも思わずにはいられなかった。
円盤やオンラインコンサートでは感じられなかった臨場感がやっぱり現場にはあった。
それも含めて私は現場が大好きだと再確認した最高のコンサートだった。
初めて見たペンライトの海も、私が一番好きな楽曲を歌ってくれた喜びも、アンコールの近すぎるファンサも忘れられない。
いつか自分の推しのアイドルのコンサートに行けたとき(必ずその日が来ると私は信じている)、ペンライトの光の海の一部となりながら、私はきっとこの日のことを思い出すだろう。
アイドルとはどういう存在かを、そのステージとパフォーマンスをもって証明してくれた彼らに、心からの拍手と敬意と感謝を送りたい。
アイドルありがとう。セクシーサンキュー。
追記: メンバー一人ひとりの感想
【ケンティー】
観る前:
プロアイドル。セクシーサンキューの人。
観た後:
本当に最初から最後までプロアイドル!
シンプルに声が良くて歌が上手い。
もともとのお声が超美声なのに加えて、楽曲の雰囲気に合わせ歌い方を変化させるテクニックに脱帽。
でも途中のハプニングで笑いをこらえきれてなかったのが可愛すぎる。
分かってはいたけど激イケメン。
【風磨くん】
観る前:
ドッキリされがちな面白い人。ドラマに出てる。歌うときの色気がやばい。
観た後:
色気確信犯。オラオラ常習犯。
彼はすべて"理解って"やってる、本当に罪深い。もとい、最高。
治安悪いコーナーで生き生きしすぎ。ありがとう。
最後のコメントをまったく淀みなく話していたのが印象的だった。
【勝利くん】
観る前:
THE ジャニーズ顔。
観た後:
すごく真面目なしっかり者。
大人しそうなイメージだったから意外とよく話すんだなーと思った。
MCもコメントもとても真面目で、歳上二人にもめちゃくちゃツッコんでたのが印象的。
あとお目々が大きくて本当に可愛かった。
女装が似合いすぎてもはや何の違和感も無かった。
【聡くん】
観る前:
笑顔が素敵。ダンスが上手い。私が落ちそうなタイプ。
観た後:
案の定すぎる。私の好きなタイプリストが次々に埋まっていく。
透明感ある素直な歌声、歌うときに大きく口を開けるところ、にこにこ笑顔、トロッコから身を乗り出してまで届けるファンサ、コンサート後に真っ先にブログを更新してくれるところ……
全部好きだ。ある意味想像通りの素晴らしさ。
そこに一瞬挟まれる治安の悪さでオタクは落ちる。ハイ沼。